龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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國分功一郎『暇と退屈の倫理学』刊行記念トークイベント|第一弾を観た.

2011年11月16日 00時27分41秒 | 評論
『暇と退屈の倫理学』刊行記念トークイベント
第一弾が動画(USTREAM)で公開されていたのだが、犬の看病などで後回しになり、ようやく今晩通しで観ることができた。

http://www.asahipress.com/hima_web/#talk_01

『暇と退屈の倫理学』はスピノザ哲学の研究者である國分功一郎氏が、すぐれて「個人的な関心」にこだわって構想10年、描き上げた「哲学者による自己啓発本」(by千葉雅也)です。

そして、上記イベントは、ともにドゥルーズ哲学研究者で(も)ある國分・千葉両氏が、本の刊行記念として行ったもの。

大上段の直球勝負イメージのスピノザ主義者國分氏の「朝」のようなすがすがしさと、ラカン的分析を前提とした「夜」の楽しみ=「トランスアディクション」をぶつけてつっこむ千葉氏の対比が面白かったです。

本自体は読めばいい、というか、読めば楽しめる。
というか、この本は基本エクリチュールをプロセスとして楽しむ以外にない(「結論が大事なのではなく過程が大事なんだという結論」ではなく<笑>)わけで、だからむしろトークは、その本の外部の楽しみとして楽しむ「別メニュー」になっていました。

真正面から生きる倫理を問うていく「自己啓発本」を丁寧に「脱構築」してくれる千葉さんの「追及」の愛に満ちた「かいがいしさ」がむしろこのトークのキモだったかもしれません(笑)。


「生成変化を乱したくなければ動きすぎてはいけない」
っていうドゥルーズの言葉がお気に入りだっていう千葉さん、いい味でした。

全部で1時間半ほどですが、興味のあるかたはどうぞ。

でもまずは本自体の方がお勧めかな。

本を読んだ後で、誰かと喋りたいけどすぐには相手が見つからないという人がいたらぜひ!