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龍の尾亭<survivalではなくlive>版

いわきFCの応援、ソロキャンプ、それに読書、そしてコペンな日々をメモしています。

いわきFC開幕戦(その2)DAZNを見直しつつ

2023年02月27日 14時38分44秒 | いわきFC

スタジアムで応援していると、感情が盛り上がって一喜一憂してしまう。
だから、むしろ現場では見えなくなってしまうこともある。

この試合の前半は、どちらも前に行こうとする力が強いチームだけれど、藤枝の方がセカンドボールが取れている印象がある。

セカンドを取っ素早く攻めたり、両脇に広げて展開したり、ドリブルで抜いたり、藤枝が自由に良いところを出している。

対するいわきFCは、しだいに押し込まれてしまう。

高いラインから真ん中を締めて両サイドに押し込み、取ったらみんなで前に走るといういつものサッカーができない。

谷村とキーパー一対一に近い状況になったあの1点が入っていれば、違ってきているのだろうが。

いわきは時折ゴール近くまで持って行くのだが、どちらのサッカーをしているかといえば、前半は藤枝のサッカーだ。

いわきも前半耐えていたのだが、終了間際10分で連続3点取られてしまう。
これ、1点ぐらい防げなかったかなあ、というのがファンとしての「反実仮想」。

2点目の横山選手のきれいなシュートは、敵ながらほれぼれでした。これはしょうがない。うまかった。
3点目が余計でしたね、ファンとしては(苦笑)

いわきはボールをゆっくり保持するサッカーではないのだが、それにしてもセカンドボールが取れない。
もどかしい時間帯が続く。

昨シーズンと逆の展開に藤枝は持ち込んでいるという解説の言葉が身に染みる(苦笑)

しかし、幸いなことに後半は冒頭から3人替えをしてきて、雰囲気が変わる。

前半は中盤における藤枝の人数が多く、セカンドボールが取れなかった野に対し、後半は競って取れる本来のいわきらしさが戻ってきた。

このプレーを前半からやってくれれば、と思わずにはいられなかった(笑)。

谷口が複数あったチャンスで1本決めてくれれば、という印象もある。

新加入の学生選手の近藤が前線守備と走りで貢献してくれたのは収穫だった。

前半藤枝2点目、横山の綺麗なシュートが美技だったとすれば、後半いわきの1点目嵯峨の左足で後ろに流したゴールも芸術的だった。

 

点がたくさん入る試合は、ハラハラもするけれどドキドキもする。藤枝×いわきの次の戦いが楽しみな、そんな試合になった。

いわき、次戦はぜひ藤枝に勝って欲しい!

 

 

 


いわきFC開幕戦(藤枝MYFCとのホーム戦)を観にいった。

2023年02月27日 14時00分42秒 | いわきFC

いわきFC×藤枝MYFC、開幕戦に行ってきました。

改修されたいわき市湯本のグリーンスタジアム。
駅から20分はそんなものでしょうけれど、何もない、そして最後の急な坂はけっこうツラいです(笑)。
途中にお店とかあるとほっとするんだけどなー。
それから、駐車場の絶対量が足りないきもします。
(後日、2/26に水戸のケーズデンキスタジアムにアウェーの応援に行ったのですが、広大な駐車場があってとてもうれしかったです)

去年の試合(今治?)以来だから、久しぶり。席数も増え、大型スクリーンも出来、夜間の照明も整って、いよいよプロの匂いが濃くなってきます。いわき市のサポート、ありがたいです。

正直、J3の時は、アマチュア用か練習用の場所という感じが拭えませんでした。Jビレッジも、21世紀の森のここもプロの試合を見に行くぞ的なスタジアムという感じは希薄。今年は大画面のスクリーンを見ているだけでも、気分は高まってきます。

いわき市長&市議会のみなさん、ありがとうございます!
この集客を生かすには、サッカー開催に合わせたイベントとか、お店とか、無料駐車場を生かした商店群とか、いろいろ進めていってほしいです。

ただ、ほかのスタジアムはまだ沼津しか見たことがないのでなんともいえませんが、これからJ2(できればJ1)の試合を戦っていく上では、さらなる改修(もしくは新築?)が必要になるのだろうな、という印象。

 

さて、試合の話です。

正直、対戦が組まれた時に、J2初戦が藤枝MYFCというのは、ちょっと残念な気がしました。

せっかくだったら昇格組同士でやるのではなく、それぞれJ2組(J1からの降格組でも!)とやれればいいのに、と。

 

だって、いわきは藤枝に直近の試合3-0で勝ってますからね。

 

でも、いざ試合が始まってみると、元来攻撃的という意味ではいわきも藤枝もJ3トップクラスのチームなわけで、藤枝はガンガン攻めてきます。

ところが、です!
対するいわきは立ち上がりから自分たちのサッカーができていません。

 

中盤でボールを握ったら素早く突破して、CBの上がりを含めて前への推進力で圧倒してゴール……という昨年後半の戦闘的な戦いは影を潜めてしまいました。

有田、嵯峨も突破するまえにきちんとマークされ、中盤でも数を優位に保てず、山下のところでも球が収まらず、強い向かい風もあってか、多く自陣ちかくでもみ合ったあと、両サイド深く切り込まれる、という展開が続きました。セカンドボールもなかなか回収できません。

 

あのパワフルで戦闘的ないわきはどこへいった?

と思っているうちに、サイド深くゴール近くに入り込んだところからおもしろいように点を決められ、あっと言う間に3-0にされてしまいます。

3点はいくらなんでも取られすぎだろう、と思いますが、攻撃的なチームに押し込まれるとこうなるという見本のようなものでしょうか。藤枝もそうですが、考えてみれば、いわきが大勝するときもこんな感じ(後半得点が多かったけれど)、スタイルは異なれど相手を圧倒する攻撃力の前には、こうなってしまうという見本のような状況でした。

 

どうした、いわき?

 

GK、左側の二人、右側と、4人の新人がスターティングラインアップに加わりましたが、去年の中盤でボールを奪ったら、みんなでゴールに走り出し速度ある攻撃で加点していく(そこには両サイドバックの素早いオーバーラップも!)感じは、ここからはまったく感じられませんでした。

 

サッカー変わったの?

 

とすら感じてしまいます。

J3からファンクラブ会員になって、初めての1試合3失点。どういう気持ちになればいいのか戸惑いすらありました。

しかし、このままでは終わりませんでした(よかった)。



後半、

鏑木→永井

石田→宮崎

有田→近藤

と左側を変え、

右も

加藤→江川

ときちんと交代を仕掛けていきます。

こういうのって、応援する側にとってもフィールドの選手にとっても「切り替え」のサインとして重要だなあ、とスタジアムで直にみていると強く感じます。

このままでは終わらないよ、っていう監督の意思表示を感じました。

 

個人的には日高のいなくなった左側をどのようにしていくかは試行錯誤中なのかな、と思っています(素人の印象にすぎませんが)。

初戦前半で3-0になり、交代させられるというのは、新しい人にとってはちょっと残念な展開かもしれませんが、ぜひ次回は悔しさをバネに、より戦闘的に戦ってほしいです。

 

鏑木、加藤、石田各選手、応援してます!

 

後半になるとギアが上がり、相手陣内でサッカーをする時間帯が増えていきます。これは、次戦の水戸相手にも感じたことですが、後半になると速度で相手に勝てるシーンが増えてくる印象があります。あきらめない、パワーを出し続けるいわきのサッカーの鼓動は感じるといったところでしょうか。スタミナでは負けませんね!

 

3点を跳ね返すのはさすがに厳しかったですが、

 

「開幕戦、去年勝ってた相手にこのまま終わったらどうすんだい?!」

 

という危惧は払拭されました。

有田→近藤

の交代も効いていたかな?

素人の私見では、山下、有田、嵯峨のあたりには、藤枝の選手も意識して数で迫っていた印象があります。

近藤選手は、有田選手とはタイプが違いますが、ゴール前である種の体の強さを持った選手という印象を持ちました。この試合ではこの交代が効果あり、だったと思います。

 

ただ、友人とも話をしたのですが、4-4-2の2のフォワードのところ、有田は鉄板だとして、もう一人を谷村でいくのか?近藤なのか?(近藤選手は前に素早く動くタイプではない?)

ここは2列目の鈴木、岩淵とは違った整理が必要なのかもしれません。

(ディフェンス側は家泉、遠藤を中心にそう大きく変わらないとしても)

 

嵯峨は、マークされていても相変わらずの活躍をしてくれています。ただ、嵯峨はマークされるとかされないじゃなくて、素早く後ろからあがっていくあの感じが欲しいですよねえ。これは右側だけの問題ではなく、反対側のサイドをどう動かすかということも関わってくるのでしょうか?

 

左側のやり方が見えてくると、どう応援したらいいのか、もわかってくると思います。しばらくは待ちながら応援のツボを探すことになりそうですかね。

「中盤真ん中を固めて両サイドに圧縮し、人数かけて取ったら全員ダッシュ!」

これ、続けてほしいなあ、と友人とも話しをしています。


素人ファンではあっても、もいろいろ考えながら「点が入ればよい」というだけではない応援をしていきたいですね。


「午前中は働き、午後は釣りをして、夕方は酒を飲みながら批評家になる」

マルクスも言ってるそうですし、のが理想だって(本当かい?<笑>)。
自分の知っている教養の範囲でも、

文字がなくてもお店の小僧たちが歌舞伎のディープな魅力に心を奪われる話は落語の「七段目」でしたっけ?
ありましたよね。

サッカーなんて全然したことがない輩でも、批評家にはなれる。むしろそういう好きな対象に対する愛を批評で示せるようになればいいなあ。
サッカー道は奥が深いから、当分は無理ですけれど。10年ぐらいかかるかな?



『仕掛人・藤枝梅按』を観てきた。

2023年02月20日 14時50分04秒 | メディア日記
豊川悦司主演の『仕掛人・藤枝梅按』を観てきた。

しみじみとゆったり鑑賞出来る映画だった。132分という長さも良かった。
お話の筋としては、あの料理屋万七を巡る仕掛けだから、池波正太郎ファンならお馴染みのお話だ。細部というか、いろいろな部分で心に沁みる。

もちろん豊川悦司も主演だし、いい感じなのだが、なにせ「悪女」の天海祐希がステキすぎる。ずっと観ていたくなる。
それから、片岡愛之助が、もうこれはやられちゃう。歌舞伎役者ってこういうことなのか、とも思い、愛之助ってこういうものなのか、と感心することしきり。
菅野美穂ももちろん好き(笑)
高畑淳子もいい味だしてる。

時代劇好き、池波正太郎すき、
そして上記の役者さんがすきなら、
なら、これは劇場で応援すべきかと。

急がない仕掛けの描写も○。
一時間モノのテレビの尺じゃない梅按は、明らかに小説のテンポです。

売れてほしいな!


佐山亜紀のクラブsonicライブ(いわき)

2023年01月14日 16時00分00秒 | メディア日記
1/8(日)、いわきのCLUB SONIC
にて、今年初のライブに行ってきた。

出演者は
明星
GOLD BLENDERS
佐山亜紀
Chano
の四組。

トップバッターの明星は、地元の女子三人組が昭和歌謡を歌う前座の賑やかし。しかし、地元のライブに集客力は侮れません(笑)
平山ミキとかちあきなおみとかピンキーとキラーズとか愉し懐かし昭和歌謡。
暖かい気持ちになりました。

二番目はGOLD BLENDERS。CADILLACというバンドのコピーだそうで(よく知らなくてすみません)、これはもう年季の入った安定の演奏。
オジサンたちが楽しんでいるのが手に取るように分かって、こちらもうれしくなります。
比較的ストレートなロックバンドといイメージ(違うかな?)。

この二つの地元バンドは、音楽の楽しさが聴き手に届く、そんな演奏でした。もちろん、学園祭とかお祭りとかでにぎやかしのバンドはあるし、自分もそういうことはやった経験があるけれど、お祭りとライブ感は決して同じではありません。
この二つのバンドは、バンドとしてアマチュアの楽しさをこちらにチキンと歌で届けてくれています。

そういうライブもあるんだ、と納得。ついついプロの演奏を聴くことばかりしてしまいがちだけど、それだけがライブの楽しみではないということを改めて実感。

地元バンドが出るから知らないプロのも聴こうか、ってひとだっているだろうし、それはきっと聴き手も地元の演奏者も、外から来てくれる演奏者も、みんなウィンウィンなんだよね、きっと。

さて、三番目、この日のメインは佐山亜紀。

アコースティックギター一本で歌うんだけど、これがよかった!
ギターのテクニックもステキなんだろうけど、とにかく自分の「艶のある世界」に聞き手をぐいっと引き込んでくれる腕の持ち主。
新しいCDもギター一本とボーカルの一気録り、とあったけど、この人はライブを聴くべきですね。
色っぽい、というのではない。
艶がある。
音楽が美味しい、そんな感じ。
仙台を中心に活動しているとのこと。
聞いたら虜、って感じですかね。
私は
submarine bus
という小品が気に入りました。
これは艶っぽいと言うよりは静かなリフレインを味わえる一曲。

最後はChanoちゃん。
いつもの、安定の、ゆったり彼女の歌の世界に浸らせてくれるピアノとボーカル。
旅の途中という曲と、アンコールでの「満月の夕」(ヒートウエィヴのバージョン)が印象的でした。
中河原、山口両氏のものとまた違う、しっとりと魂を包んでくれる演奏でした。
聴いてよかった!

ライブは身体のバイブレーションを伴った出会い。
たまには顔を出さないといけません。

豊かな一夜をありがとうー!

いわきFCJ3での活躍の総括とJ2の展望 ひらはたフットボールクラブ

2023年01月13日 21時03分01秒 | 本を読む
ひらはたフットボールクラブのYouTube動画で、いわきFCと振り返り分析をしてくれていたので、メモ代わりに上げておきます。






いわきFCのサイドバック日高大選手がジェフユナイテッド千葉に移籍!

2023年01月13日 16時00分00秒 | いわきFC
いわきFCのMF8番の日高大選手が、J2のジェフユナイテッド千葉に完全移籍。
いわきFCとしては痛いねえ。
日高選手のガッツある守備、そして左から力強くては上がっていく攻撃、さらには思い切りのよいミドルシュート。全力で戻って追いつく守備。
いわきFCの強さを象徴していた日高選手のプレイが見られなくなるのは寂しいし、不安でもある。

でも、応援してきた選手が評価され、大きいチームに必要とされるのは素晴らしいことだし、ファンとしても嬉しい。

ぜひ千葉でがんばって欲しい!

日高選手、対戦相手になったら手強いけどねえー。

そしていわき公演FCの攻撃的なCBは、誰が引き継ぐのかにも興味があります。
https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=431400

いわきFCの鈴木翔大選手の鹿児島ユナイテッドへ移籍。

2023年01月11日 16時30分00秒 | いわきFC
今季でいわきFCを退団になっていたFW9番の鈴木翔大選手が、鹿児島ユナイテッドFCに移籍することに決定。今季、ゴール前に詰めて粘り強くチャンスを狙う鈴木選手を応戦していました。
チームが決まってよかったです!
鹿児島ユナイテッドFCは、去年いわきと首位をずっと競っていた好チームです。
ぜひ23年、新天地で活躍してほしいです。


2023/1/9(月)山下達郎 『PERFORMANCE 2022』感想。

2023年01月10日 21時31分35秒 | メディア日記
山下達郎『PERFORMANCE 2022』、2023年1月9日(月)
(於:郡山文化センター)

に行ってきました。
セットリストはこちらなどで。

同じみの定番SPARKLEで始まるツアーはもう安心感そのもの。新しいこととかそんなに求めません(笑)
もちろんニューアルバムからのも何曲かありましたし、それもまた楽しみでした。

そんななかで、
ハイティーンブギ
君は天然色
が個人的には特に楽しかったです。

いつもそうだけれど、山下達郎のツアーは3hたっぷり味わえるのが贅沢。
バンドメンバー(特に佐橋さんのギター)のクオリティの高さも最高でした。

去年7月にコロナ禍で公演中止になったのがとても残念でしたが、振り替え公演のチケットが当たり、本当によかったです(優先振り分けだった模様)。

今年はライブアルバムも発売になるとのこと。これもまた楽しみです。

ファーストアルバムを70年代に買ったミュージシャンは三人いて、
荒井由実1973年『ひこうき雲』
オフコース1973年『僕の贈り物』
山下達郎1976年『CIRCUS TOWN』
(シュガーベイブのアルバムは

の3人。
オフコース解散し、荒井由実は松任谷由実になり、最後までずっと聴き続けているのは山逹だけになりました。

多くの人が、自分の人生の伴走(伴奏)者としての歌い手をもっていると想像するけれど、最終的に振り返ると、山下達郎がそういう存在になっていた。

そういうミュージシャンのライブに、出会ってから45年以上経ってまた行くことができた、のも、感慨深い。

ライブはもちろんお祭り参加の楽しみでもあるのだけれど、生の声を聴くこと、そこに一回限りの身体をともなった出会いがあること、に意義があるんだろうな。

至福でした。

チベットの小説、ラシャムジャの『路上の陽光』が瑞々しい。

2023年01月09日 16時00分00秒 | 本を読む
初めてのチベット文学。
近郊から出てきてラサ(チベットの古くからの都で大きな都市)の橋の上にたむろしつつ職を探す若者たちの青春の初々しさ、高地を吹きすぎる風、汗ばむ陽光の眩しさ、道路の泥濘などなど、印象深いショットが満載だ。

台湾の小説『歩道橋の魔術師』(呉明益)も傑作だったが、この小説も、日本の小説とは異なったレイヤーに書き込まれていてそれでもなおこちら側に響いてくるものがある。
短編で読みやすい。
小説は一編でもその土地の空気を感じさせてくれる力がある。
お勧めです。

畠中尚志全文集のこと

2023年01月09日 13時20分49秒 | 本を読む




もちろんこれから刊行されるスピノザ全集も待ち遠しいけれど、まずは多くの人にこれを読んでほしいなあ。

最後に寄せられた國分功一郎氏の文章を読むと、國分さんが何と闘ってきたのか、そしておそらく、今なお何と闘っているのか、が分かる。

なにより、畠中訳スピノザを勉強しているの一人としてぐっとくるし、國分さんのファンとして泣けてくる。

國分さんは、畠中尚志についてはきちんと広く知られるべきだ、書かねばならないんだ、とずっと前に語っていた。

それをキチンとこういう形で日本中の皆が読める形で示したことに、彼の男気を感じる、といったらおかしいだろうか。

ぜひ一読をおすすめしておく。

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追加で。

読了した。

締め切りのある原稿をほっぽりだして読んだ。

泣けた。

畠中尚志にはスピノザの岩波文庫訳でずっとお世話になっていたけれど、改めてその生涯を知った上で畠中の文章を読み直すと、心が動かされる。
正岡子規とおなじ脊椎カリエスで寝たきりになり、かつ目の病気を病んで、口述筆記をしながら『エチカ』を訳出したところなど、目が潤んでくるのを止められなかった。

國分さんの解説文も素晴らしい。読んでいて熱い思いが溢れてくるのを感じる。

単なるスピノザの読者に過ぎない自分が「学恩」などというのはをこがましい限りだが、畠中氏の困難を抱えつつなされた訳業の素晴らしさに触れるとき、粛然とした思いを新たにせざるを得ない。

折しも、スピノザ全集が同じ岩波書店から発刊されるこの時期に、講談社学術文庫で畠中尚志の全文集が出ることに、特別な感慨を抱く。

互さん&國分さん、グッジョブ!です。

新しい全集が出たら、首っ引きでテキストを並べて勉強したい。生きているうちにちゃんと新全集は完結するのかな?
ヘブライ語文法の本が楽しみだけれど、読んでもわかるのかな?

スピノザにも他の哲学書と同様読み解けない難解な部分があって、だからこそ学問の対象にもなるわけだけれど、全く学会の外にあって、ほぼ寝たきりの在野の人が、その人のみがなし得た訳業によって日本のスピノザ理解が半世紀も支えられてきたことの重さは、いくら強調してもしすぎることはない。

あくまで静かな、しかしマグマのような熱量を秘めたテキストは、畠中氏のものであると同時にスピノザ自身のものでもある……そんな風にすら思ってみたくなる。



第32節いわきFC優勝決定戦の感想をメモ代わりに

2023年01月09日 13時10分49秒 | いわきFC
祝!いわき。
FC優勝&J2昇格!
鹿児島に3-0で勝利。
2位藤枝と3位松本がともに破れ、次節を待たずに昇格と優勝が決まりました!
ホームで鹿児島を迎えたいわきFC,一方鹿児島も昇格の望みを残しているため絶対に勝つ、という気概が伝わってきます。最初は鹿児島の攻撃も鋭く、右を突破してからのクロスおよび折り返しが続きます。
心なしかいわきFCには緊張感があって立ち上がりの動きがスムーズではないような感じもしました(単なるファン心理かも?)。
一進一退から一点をうばうものの、後半立ち上がりも鹿児島の攻めは力強く感じられました。
しかし、それも二点目のゴールが決まるまで。

その後は、いつものいわきFCの、前からの強い守備とボールを奪った瞬間に複数の選手がゴール前に走り込むこの圧力に、鹿児島は攻撃力を奪われていきます。

さらに三点目を入れた時点で、鹿児島イレブンの落胆は傍目から見ていてもしんどいほどでした。
立もし鹿児島がち上がりの素早い攻撃で一点もぎ取っていたなら、別の展開になっていたかもしれません。
スコアほどの差がないとかんじます。
ただ、そのせめぎ合いのなかで3-0で勝ちきるいわきFCの強さは本物!ということでもありましょう。
うれしくてたまりません!!!

いわきFCの一年を振り返る。

2023年01月09日 12時37分12秒 | いわきFC

ガイナーレ鳥取との試合以降、ブログの更新怠ってしまったが、次節のアスルクラロ沼津の試合は、愛鷹公園までアウェーの試合を応援にいった、いわきFCこれ以降第34節まで、負けなしでJ2昇格を決めている。

おめでとう、いわきFC!

遅ればせながらお祝いの言葉を!!!

昇格争いもどきどきだったが、残り試合の相手を考えると、昇格は確実と思われ、一戦ずつ一所懸命応援をしてきた。

特にJ3優勝とJ2昇格の決まった第32節の鹿児島戦は、すごかった。

友人と応援にいったのだが、チケットが売り切れていて、あやうく誘った友人2人が入場できないところだった。

たまたまいけなくなった人がいて。ことなきをえたけれど、いわきFCの応援で「満員御礼」になったのは今シーズン、ホームでは初めてではなかっただろうか。

首位を争ってきた鹿児島に対して3-0の快勝。ホームでこれだけの応援があったということも大きかっただろうし、なによりこの1年間での「進化」も感じられた。

ロングボール一発というだけでなく、片サイドに敵を追いつめ、パスコースを限定してボールを奪ったらみんなで走るというサッカーは、爽快極まりない。そんな中でシーズン途中から登場した有田の決定力も大きかった。

とにかくすばらしい優勝&昇格でした。

いつも満員というわけにはいかないだろうけれど、新しいスタジアムもたくさんの人数で応援できたらうれしい。

振り返ってみると、下位チームに対する取りこぼしが少なく、上位チームにも引き分けが多かったことも大きい。

そんな中で今治戦の2敗が注目される。

高いプレスの裏を突かれ、失点すると堅い守備に攻めあぐねる。

作戦敵には、前から高い位置で守備にいくのだから、裏に走られるリスクは折り込み済みなのだろうと思う。でもそれは、単に戻りの走りの速度に課題があるというお話ではないのだろう。

点を取られた後の、堅い守備をどう崩すかということと裏表でもある。23年のシーズン、走り続け、相手の陣内でサッカーをしつづけるスタイルは変わらないのだろうから、堅守にどう対応するのか、裏を取られるリスク管理がどうバージョンアップするのか、楽しみに待ちたい。

松本山雅に対する1敗は、山雅が強かったという印象だ。もし山雅がこの強さを維持していたなら、いわきは果たしてどうだっただろう、と思う。2引き分けだった昇格同期の藤枝もそうだ。

そういう意味では、いわきの優勝は、シーズンを通して成長していったというところがなんといっても大きかったのだと改めてわかる。

星の守備と遠藤の守備の違い、有田が入ってからの攻撃の厚み、など個人のこともあるが、「成長していくサッカー」を見る楽しみも味わわせてくれた。

23年、J2相手となれば、去年のように下位チームに無敵、といった力の差を見せつけることはかなわないはずだ。

一戦一戦さらに気合いの入った応援をしなければ!

と思うと同時に、いわきFCのサッカーがJ2の中でどれだけ通用するのか、またどんな風に適応・成長していってくれるのか?期待して待ちたい。

 

頑張れ、いわきFC!


藤高和輝の『ジュディス・バトラー』

2022年10月24日 07時00分00秒 | 本を読む
中断していた藤高和輝の『ジュディス・バトラー』、再開。
どーでもいいことだが、順番が逆だなあ、と思った。

子どもの頃、脱性的というか、性的な振る舞いが理解不能だった私は、むしろナルシシズムの代替(異性の代替としてではない)として同性が好きだったという面もあるかもしれないという思いはあった。
それがもう一度反転して、男性性を疑問に付す、もしくは嫌う女性を二度反転したナルシシズムとして愛するようになったのかもしれない。
(まあそんなどうでもいい自己分析はおくとして)

ジュディス・バトラーとは受容の順番が逆だなあ、とかんじた。

そこが興味深い。

スピノザ→ポール・ド・マン→へーゲル

という否定的であれ肯定的であれ受容の系譜は、自分が歩んできた「脱性的(脱ジェンダー的というべき?)」(イメージですが)であることを基本とした道行きとは逆だった。

マルクス→ポスト構造主義→精神分析→スピノザ
だから。
時代の流行りに流されただけ、ともいえるかな(笑)

しかし、読者の私とは本当にかなり異なった地平を歩んでいるバトラーなのに、藤高バトラーの記述はメッチャメチャ腑に落ちる。胸キュンになる。

これを読むとスピノザの持つ非社会性の手触りのことが、よくわかる。
承認をめぐるへーゲル受容の経緯もぐっと迫ってくる。
スピノザの自殺理解の圧倒的な「浅さ」の説明は、赤ベコ状態。クビが折れるほど頷ける(笑)

スピノザはむしろそーゆーことは神様に丸めたんだよね。
だから『国家論』なんかでも、「社会」という外的なものを操作的にしか記述していない。

民主制についても書いてるのに『君主論』ばかりが有名になったマキャベリにも他人のそら似的にちょっと似ているかもね(スピノザは、民主制について書こうとする前に死んだんだけど、それも必然か)。

オレにとってはスピノザは収斂する虚の焦点みたいなところがあるかもしれない、なんてこともわかってくる。
エチカでいえば多分バトラーが引きつけられた第三章の感情論とかの生き方のところよりも、神の存在証明みたいな荒唐無稽な荒技の第一章とか、光に比される第三の理性の速度の第五章に惹かれるみたいなところもおもしろい。


最高に一点だけ。
注意すべきことがあるとすればただ一点、この藤高バトラーは余りに分かり易すぎる。
この本をよんでいても、ジュディス・バトラーが一筋縄ではいかない面を持っていることは分かる。
もちろんそのバトラーをこれだけクリアに教えてもらえるのは本当に希有のことだ。有り難い。だが。
この藤高バトラーで「分かった」ことは、このクリアなにに切断面による入門でしかないということもまた確かだろう。
私はおそらくその先に足を踏み入れることはないと思う。
ただ、改めてスピノザを読みたくなった。そこかーい、と言われそうだが(笑)


まあしかしとにかく、午後は熟読玩味!

『スピノザ 読む人の肖像』國分功一郎

2022年10月22日 12時41分05秒 | 本を読む
ゲット。
これから読む。
國分さんが博士論文『スピノザの方法』を書いたときから「読む人」としてのスピノザを意識していた、とあとがきで触れている。
私にとって、個人的な意味でこのあとがきの言葉の意味は大きい。
『スピノザの方法』の刊行記念トークが行われたのが2011年、震災の直前だったと記憶している。あれから10年。

國分さんがこの本を完成されるまでの10年間について、感慨深く書いているその同じ時間、私もまた極めて個人的に、ひとりの読者として、この本を待ちこがれていた。

それとこれとは特に関係ない話と言えば関係ない話だ。

震災後の福島にとってスピノザのどこが関係あるのか、といえばまあそれほど。

少なくても「社会」の中で起こっている出来事それ自体とは直接関わりはない。

極めて個人的に自分自身の中で関係づけられているだけだ、ともいえる。

それでも。

自分にとっては50才近くになって初めて出会ったスピノザを國分さんの手ほどきによって読み得るようになったことは、物事を一から考えようとするときに大きな意義があった。

自分の思考がどこかで繰り返し惹かれていくのに、読めないテキスト。
スピノザの本との付き合い方はそんな感じだった。

端的にスピノザが読めないのに気になるという状態だった自分が、ジル・ドゥルーズのスピノザ(平凡社文庫)と國分さんのスピノザに出会ったことは(そしてその直後に東日本大震災と核災害に直面したことも)大きな意味があった、と改めて思う。

スピノザの著作は、超空中戦みたいなもので、それだけ読んでも歯が立たない。

自分は別に学問的なスピノザ読解がしたいわけではなく、そんな能力も意図もない。

自分の「思考の癖」が、気づくとスピノザを求めている、そんな感じなのだ。

藤高和輝の『ジュディス・バトラー』を読んでいて、惹かれたのもそこだ。

バトラーのスピノザ理解のことなどまったくわからない。

ただ自分の「思考の癖」が、読めもしなないのにスピノザのテキストを求めている、そういう傾向性を藤高バトラーの中に映してみているだけのことなのだろう。だが、ひとりの哲学者を読み続けることは、地べたから物事を考え直す時には役に立つ力を与えてくれる、ということも分かってきた。

これから帰宅してこの本を読む。

10年間國分ウォッチャーをし、15年ぐらいスピノザのテキストを握りしめてきたからには、書いてあることの意味ぐらいは概ね分かるだろうと思う。

『スピノザの方法』
朝日カルチャーの通年講座
100分de名著のテキスト
『はじめてのスピノザ』(講談社現代新書)
とフォローしてきて、ようやく到達した『エチカ』論。
有り難い限りだ。

ゆっくり味わいながら読みたい。

読書会という幸福

2022年10月21日 21時21分52秒 | 本を読む

思えば、何十年も読書会をやってきた。単発のこともあるし、20年近く続いた会もあるが、間違いなく読書会が今の私を育ててくれた。
国語教師として、頭の中に複数の「声」を持っていることは必須条件だ。
そのポリフォニックな「声」たちは、まちがいなく読書会によってしか出会えなかった。

ある時期には私がそうしていることを知らずに「今時読書会なんて妙ちきりんなともをやってる人がいるのね」と知人が嘲笑しているのにであったこともある。
自分でも、酔狂な話だと思わなかったわけでもない。
だが、ただ読書するだけでは「対話」として十分ではない。
複数の読みがあり、それは説得されるべきものではない、響きあうものなのだ、ということを知るために、読書会というツールはなかなかに得難いものだと改めて思う。

そこにテキストがあることの意味を感じる。まことにテキストは、閉じつつ、かつ開かれ続けているものなのだ。
今もたった3人で毎月読み書きをしている。

「2人ではいけない。でも3人いれば読書会は続けられるよ」
今は亡き師匠が、22才の私に言ってくれた言葉が思い出される。