風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

福井県若狭町三方

2011-02-03 21:23:07 | インポート

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前ブログの続きです。1月28日朝、京都駅から敦賀経由で福井県若狭町三方中学校へ、琵琶湖を過ぎる途中から雪景色となり、それからどんどん積雪量が多くなってきました。

全国大会第一日目は改修が終わった三方中学校の発表と進行中のモデル校五校(横浜、豊田、大阪、京都、水俣)の取組み報告、環境省、文部科学省、日本建築学会からも夫々4、5名参加されて、100名近い会議でした。2日目は改修された三方中学校の温度、照度などを測定してのワークショップ。

断熱改修(外断熱)の効果は明確に出ていて、外気温2℃に対して教室は約12℃で、10℃近い効果が出ています(予想通りです)。未改修部分の外壁側はコンクリートに蓄冷され表面温度は-1℃、改修後の12℃でも寒く感じますので、これまで生徒たちはこの寒さに我慢していた訳です。

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三方湖の朝

全国会議はスケジュールがハードで、旅館に着いた時は真っ暗、朝起きて窓を開けると三方湖が一面に広がっていました。部分的に湖水が凍り付いていて幻想的な景色でした。三方五湖周辺は縄文時代の遺跡が多く、縄文博物館には土偶や瓶、丸木船など展示されています。海が近く、湖があり暮らし易かったんでしょうね。(こんなに雪が多いと大変だったでしょうが)

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日向湖(ひるがこ)の景色 左上の集落が海と湖の境です。

帰りは三方五湖を若狭湾の方へ廻り込み、レインボーラインを通り敦賀へ、写真の日向湖は海と接する海水湖で、魚の養殖が盛んだそうです(ブイなどが沢山見えます)。この先に常神半島が海に伸びていますが、半島は漁業が主な生活の糧で、以前は長男以外は全員外へ出て生計を立てるそうですが、最近魚が減り長男も町に出て働かねばならなくなって、厳しさが増しているとのことでした。そのような話に水上勉の小説を思い出しました。

福井県若狭町に来て一番驚いたのは至るところに古い民家や蔵が残っていることです。雪景色の中でのことで確かではないですが、5割近くが古民家だと思いました。棟の少し下まで杉板張りにし、屋根勾配より緩勾配の山型に漆喰が塗ってあります。(近江八幡も同じでした)古民家が自然に残って景観となっている処は少ないので、戦争被害が少なかったのだろうと思います。

次の日のニュースで敦賀地方は大雪で、利用した特急サンダーハードは雪で立ち往生、道路は動かなくなった車の列、金沢まで足を伸ばそうかと思っていたのを取止めて正解でした。