風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

肥後六花 芍薬 菖蒲

2006-06-08 22:08:02 | インポート

2_11 1_13 今、認知症高齢者グループホームの設計をしています。6月6日(火)グランメッセで老人ホームの研修会に行きました。

研修会は老人福祉に携わっている専門の人を対象にしたものでしたが、今年の4月から医療制度、介護保険の改正が行われていて、その説明もありました。県の担当者の説明は老人療養病床25万床を15万床に減らし、老人健康施設・特別養護老人ホームは今後造らないとの説明です。...言葉を失いました。これから高齢化が益々進むと言うデータを説明しながら、受入れ先はありませんよと言われています。そして「大変厳しい状況ですが、これから良い知恵を出し合って考えて行きましょう」と言われても....暗澹たる気持で帰ってきました。

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設計中の敷地の北側に肥後芍薬と肥後菖蒲を育てておられる農家があります。(芍薬は5月11日撮影)今は菖蒲が満開で車椅子の老人の方が見に来られていました。ここの周辺にも建物がどんどん増えていますが、通りから一歩入ったこの一角だけは、エアポケットに入ったようにホッと一息つける場所です。(以前はこんな所が沢山在ったのですが)

当然設計でもこのお花畑を眺められるように計画しました。(いつまでも見れることを祈りながら)

認知症の予防は手を使い、脳を活性化することが必要だと言われています。徘徊は今の場所に不安があり安心できる居場所を求めて歩き廻られてると聞きます。来年始めには新しいグループホームが出来ますが、この芍薬と菖蒲は来る人にとって、大きな救いになるのは間違いないでしょう。建物から眺めている人達の姿を思い浮べながら設計に力を入れています。