CYHRAを聴いてから、ジェイク・Eの関わるものを追う様になったな。
HOW WE ENDの『HOW WE END』。
欧州メタルシーンの名うてのミュージシャンが集った、スーパーグループと言える。
ザックリ言ってしまうと、ヨーロピアンテイストを持ったLINKIN PARKと言って良いような音楽形態。
しかもその首謀者がSINNER、PRIMAL FEARのギタリストであるトム・ナウマンであるというのが驚き(ベースのミッチ・クンツとこのバンド始めるにあたって、自身が関わる2バンドの様な音楽とはかけ離れたものをしたいと考えていたらしい)。
最初、先行MVで「MY FIGHTING HEART」を聴いた時、妙なポップさと淡泊な曲調という印象しか持てず、いくらジェイクが関わるバンドとはいえ「こりゃあ無しだな」と思ってしまった。
ただ、過去散々MVでそーいう先入観とは裏腹にアルバムは違ったっていう展開を味わっていたし(苦笑)、結局のところどこかでこのバンドの存在が引っかかっていたので、アルバムでやはり聴こうと思った。
正直、諸手挙げてスゲー良いじゃん!というところまではいかない。
ただ、最初の印象よりは全然良いと感じたのも事実。
ここでやはり大きいのは、ジェイクのヴォーカルだ。
彼の声質と歌唱は独特で、少しでも聴き慣れてきたら、ジェイクが歌っていると判るくらいの個性を持っている。
これまで関わってきたバンド/プロジェクトでそこは一貫しているし、現在その歌唱を最大限発揮されているのはCYHRAであるのは間違いない。
HOW WE ENDはスタイルとしちゃAMARANTHEと近いとも言えるが、大枠でラップを取り入れている点を見るとLINKIN PARKがやはり思い浮かぶ。
加えて、欧州特有の哀愁を滲ませた楽曲がLINKIN PARKのモノマネと言わせない雰囲気を保ち、更にジェイクの歌唱が、ある意味「ジェイク・Eを擁するバンド」という雰囲気を強くしている。
このバンドはダブルヴォーカルスタイルで、もう一方はディーヴァ・サタニカ。元NERVOSAの、グロウル担当としている。
まァあのバンド在籍していた経歴という事で実力は承知済みだが、彼女のグロウルの質は元ARCH ENEMYのアンジェラ・ゴソウと似た質で、意地悪な言い方をすればよく居る女性グロウラー。
HOW WE ENDでは一曲、彼女のみが歌う曲があるんだが、パッと聴き欧州のメロデスという感じである。
その対比が皮肉というか、ジェイクの歌唱をより引き立てる状態を作っている。
個性は表裏一体。
存在を屹立させると同時に、柔軟性の難しさにより出る杭の様な目で見られる事も。
何でも演じられる事は勿論良いが、そこもその人物に確固たる個が存在しているからこそ、ではないだろうか。
どんな舞台でも際立つ存在は、良くも悪くも求められるものだと思う。
魅力とはそういうものであるんじゃないかね。
今後も、ジェイクの活動には注目しておきたい。