僕の消灯時間まで

ブログの引越しをしました。
愛する方々へ、遺書のように。

演舞を終えて

2014-07-07 23:31:20 | 日記
痛くない場所がない。
凱風という演舞がキツ過ぎたのだろう。
8公演はあんなに鍛えても無理なのか!!
七日の便でドーハを経由して日本に向かっています。
今はパリからドーハへの飛行機の中です。
ドーハでは、なんと8時間も待ちます。
しかし、こやつらがいれば退屈するコトはなかろう。

とても凄まじい二日間でした。
一日目の反省点も活かしながらの全員の「思いやる心」が、二日目の演舞での結果となりました。
団結したことでフランスの方々の心を撃ち抜いたのだと思います。
僕の喉がつぶれ一切声が出なかったからこそ、あの演舞が出来たのだ。
僕の代わりに皆が声を出したろう?
僕はその代わりに小指の先まで集中できた。
みんな素晴らしかった。
これぞ怪我の功名。
コソコソと話すことは出来る。
(大友副団長、俺の声の代わりをやってくれ。)
「承知しました。」
大役を引き受けてくれてありがとう。
君の精神が、僕は好きでね。
それで頼んだのだ。
「団長の迫力は出せませんでした、すみません…」
(何を言う。見事だった。次も頼む。)
「押忍。」
助かった、本当に。
ありがとうございました、阿部副団、大友副団。

この一万人収容の椅子が埋まり、立見も出たってさ。
とても多くの人達が僕達を見に来てくれたのだ。
皆の間を駆け抜けて、
「勝鬨をあげろぉ!」
という大友の声を全身で聴く。
自分を鼓舞する為の雄叫びすらあげられないのだ。
自分の走る足音が、僕の出せる唯一の音。
僕の振る旗の音が、僕の出せる唯一の音。
保志団員が、あの身体で渾身の力で太鼓を叩いている。
あとは、気迫で押すのだ。
一番前のカメラマンが、ポカーンと見上げている。
撮るのを忘れろ。
見惚れてろ。
筋肉の一筋にまで集中した。
素晴らしい団結力だった。


最後のステージが終わって、流れ落ちた涙は、団則にある「勝ってから泣け」に反していないと思う。
どうして、あんなに泣けたのか。
淋しくも、悔しくも、辛くもない涙は久しぶりだった。
嬉しいのでもない。
達成したことでの、己に勝ったからこその涙だったように思う。
来れなかった者たちの悔しさや、背負ってきたもの、練習の日々。
全てが報われた一丸となった時間と空間、それが全8公演のラストステージだった。

喋れない僕が、一言で表すにはどんな言葉が適切だったのか今もよく分からん。
ついて出た言葉は
(素晴らしかった!)
だった。
思いやりの集中力。
何事にも通用するチカラを得た気がする。

君達は誇りに思うのだ。
よくぞ、この旗の元に集ってくれた。
素晴らしかった。


「団長。聞こえないはずのあなたの声が俺には聴こえたんです。」
岡崎君がそのように涙を流しながら話してくれた。
(そうか。心の声だな(笑)ご苦労だったのう。ありがとう。)

「男とはこうあるべきじゃろう?」
てめぇのコトだけじゃなく、やれる範囲で人のコトも考える。
その考えた結果、とにかく「応援する」のが一番だった。
かっこいいという言葉を、元あった場所に取り戻したかった。
頑張るってことは、いいことだよ。
かっこいいことだ。
大志を抱き、遥か彼方に進むのだ。
日本の男とは、なんかそんな優しさとか強さがあってこそじゃろう。
それを「熱い」という言葉で片付け、ウザいと思う風潮が嫌だった。
熱いと言うな。
ダサくなる。
それで当たり前なのだから。
ただただ、みんな冷めてんだよね。
クールと冷めてるは全然違いますコンチクショー。
そんな気概で始めた。
子ども達に「頑張っていい未来」を残さなければならない。
世界中の子ども達に。
世界は狭いのだ。
これからもっともっと狭くなる。
友達や仲間を世界に増やし、未来への橋を架けよう。
僕達の息子達の世界を創り上げるのは、僕達自身です。
僕達大人がどう社会と接するか。
どう世界と接するかが、今問われている。
国境を越えるのは音楽だけではない。
スポーツだけではない。
青空は、いつだって誰しもの頭上で君を見ている。
かくありたいのだ。
その一つの結果が出た。


インタビューをたくさん受けた。
その時にも話したのだがね、
「見た目や人種、国籍とかスゲーいっぱい違いってあっけどさ、本気だけの世界になりゃあ、誰かの悪口言ったり、くだらねぇ顕示欲とか金持ちになりてぇとか、下手な裏切りとか束縛とかヤキモチとか、そんな暇はなくなると思うんだよね。それと、世界と言うか見聞の狭い奴もヘボい。人から人気ないしね、そういう人って。結局、魅力がなければ金か何かで支配していくのだろう?飲み屋で偉そうにしたり。部下に偉そうにしてみたり。でもいつか無理が来るよね。人のことはもういいのだ。人の目も、もうどうでもいいから、もっとこう、国境のねぇ青空の様に生きようじゃないの。ライバル?いねぇよ、俺達にはそんなの。いるとすれば己の怠け心のみだ。なぜ、そんなに鍛えるのか?表面的な格好良さを真似るだけでは、このコスプレの人達と変わらんよ?あなた方が好きな漫画の主人公達は皆、鍛錬をしている。訓練を受けている。だから超人的に強いのだ。我々も同じ。デブで身動きすら怪しい奴にエールを貰いたいか?俺は御免だ。格好だけつけるのはただのカッコつけ。中身が大切なのだ。健全で強い心は健全で強い身体に宿る。だから鍛えている。さぁ、伝えてくれ。」
伝わったみたい。
時折笑ってたし、質問の内容が変わって来たから、そう感じた。
「どうすれば青空応援団に入れますか?」
「先ずは敵は己と知ることだ。」
何故、青空と名前を付けたのか。
その理由にも納得の顔を見せていた。
「青空が広がる時、きっと君の心も晴れやかだろう。雨でも曇りでもない、やはり青空の日はやる気に溢れるはずだから。」
入りたい者も増えたようだ。


雨が降り出しそうな厚い雲。
それでもこうして僕が旗を持つと、


少しこうして、青空が顔を出し、


このようにスパーッと晴れる。
必ず。


予報はずっと雨だった。
しかし晴れると信じていた。
そんな魔法を使えるようになった気がして、楽しかった(笑)
旗を振ると毎回、必ず晴れるのだ。
ミヤギテレビが証拠を撮っています。
「もう、どう説明したらいいか分からないね了ちゃん。青空応援団。名前に偽りなしだね(笑)」
ミヤテレのお二人が担当で良かった。
僕は皆さんも一員だと思っています。
大切な団員の一員だと思って接していました。
しかし、この晴れさせる魔法の話し。
本当なのだが、信じてもらえなくても結構だ(笑)
(声が出てなくてすみません(笑)スーパー入れてください!)
「いや、カッケーよ。了ちゃん。カッケー。最高!」
カメラマンの小向さんは、高校生の頃から僕を知っている(笑)
兄貴のような人なのだ。
いつもありがとうございます。


ファンも増えた。
しかも、ハンパじゃない数で。
とても、日常的ではないよね。


写真を一緒に撮りたいのです。

そんな人の列は、いつまでもいつまでも続きました。


本当にいつまでも。
大変だったよ。


(重かろう?旗持ちを代わろう。)
「大丈夫っす。」
(いいから。代わろう。写真に写ってあげて。ほら、可愛い子もたくさんおる。行って来い。遠慮すんな。)
「すみません、じゃあ行って来ます!」

ところがね。
空を晴らして遊んでいたら彼等の方にはキャーキャーと屈強な男性達が群がり、僕の方には可愛子ちゃんの列。
「え?!オイ見ろよ皆!!なんなのアイツ!なんもしてないのに!?!は?!旗を持ってるだけじゃん!!なんで??やんだぐなる!!」
(貴様らと一緒にすんな、カス。)
「アイツ、なんか憎まれ口叩いたと思う!絶対に!聞こえなかったけど。あの野郎!!でも強いのがムカつく!!」


夜は打ち上げ。
飲酒、いいぞ。
だが、日本に戻ったらまた摂生の日々に戻せよ。
一生、団員たれ。


一生、よき友たれ。


ずっとずっと、よき仲間でいよう。


戻ったらCMの撮影に入るぞ。
レベルアップした俺達が出るのだ。
いいものにしよう。

日が変わり、ノートルダム班。


僕は凱旋門にまた行った。
凱旋の門をもう一度眺め、天に感謝をしなければならないと思った。
僕の人生に、僕の仲間達に、素晴らしい時間と経験をありがとうございます。
もっと、何かと戦います。
もっともっと、僕達は何かと戦います。


シャルルドゴール空港。
僕は荷物番。


しかし暇だね。
ゆっくり見て来ていいよ。
僕は、そんなに買うものもない。


そうして待っていると、
「Can you speek english?」
と話しかけて来た金髪美人。
「少しなら。」
「私は昨日JAPANEXPOで皆さんのショーを見て、とても興奮しました!寝て起きても、ドキドキしてあなたの事を考えてしまう。I love you!!!」
名残惜しそうに去って行きました。
名残惜しいのは僕の方です。
生まれて初めてネイティブに、
「I love you」
って言われたよね、きっと。
悔しそうな副団長たち。
「あのね、あの野郎ね、I love youって言われたよ。」
左様。

みんなガラガラ声のまま、パリを後にしてドーハへ。

俺たちは吹かせて来たね。
正義と根性の未来への風を。

仲間ではない。
同胞がいい。

早く帰ろう。
祭りの後の淋しさに似た喪失感がある。
とてもよく分かる。
これまで辛かったしね。
それでも少し淋しいが、早く帰ろう。
そして、普段通りの生活に戻り、学んだ事を誰かに伝えるのだ。
「俺たちは通用したのだ。」
と。
通用したんだ。
そして、世界的なアーティスト達に引けを取らない気概を見せられた。

帰ろう!

蒼天仰ぐ 我が同胞
Mon compagnon regarde le ciel.
(心の友が 青空を見ている)

眼差しもまた 遥かなり
Tu regardes ton avenir.
(あなたの未来を見ている)

雲無き空に 何ぞ見む
Qu'est-ce que tu trouves dans le ciel dégagé?
(雲ひとつ無い空にあなたは何を見つけるのか?)

心は蒼く なお蒼く
Ton esprit est calme, et tu te sens éveillé.
(心は静かで、気持ちは明快)

豪雨も顔を 上ぐるべし
Même sous des difficultés, ne baisse pas la tête !
(困難でも顔を上げろ)

轟く風に靡くべし
Attrape le veut arrière!
(追い風に乗れ)

嵐を越えて 君は見む
Je suis convaincu que tu vaincras la tempête, et que tu trouveras le ciel.
(嵐を受け入れて、あなたは見つける)

雲間に覗く 蒼天を
Le ciel bleu au fond des nuages.
Un grand bleu et profond.
(雲の奥に隠れた、深く広く青い空を)
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11 コメント

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Unknown (おか)
2014-07-08 06:32:52
蒼天ではなく、団長エールで後ろ向いてる時です。かっこよかったね。私が誰よりも最前列真正面になったから聞こえたのかな?
返信する
青空 (シンヤ)
2014-07-08 07:05:58
雨や曇りの陽気を 青空に変える「日頃の行い」

世界各国の人々の心を青空のような晴れやかな気持ちに変える「日頃の鍛練の成果」

素晴らし過ぎますU+2757

青空応援団の皆さん
まさに日本への凱旋ですねU+2728

お気をつけてご帰国ください。
返信する
Unknown (スズユウ)
2014-07-08 07:59:23
朝から、涙が止まらなかった。
辛い時も、嬉しい時もその時の空を眺めてる理由が分かった気がします。
お疲れ様でした。待っている家族の元へ、気をつけてお帰り下さい。
返信する
Unknown (遅咲きの空手バカ)
2014-07-08 08:09:53
出発前にやり取りした言葉、本当になりましたな。(やると思ってたけど)

「来れなかったものの悔しさ」に、入団すらできてないけど俺の分の入ってるかな。

阿部副団さん、中央に来てる、よし!(笑)

まずは無事に帰国することを祈っております、労いの言葉はそのあとに。

返信する
言うの忘れた。 (遅咲きの空手バカ)
2014-07-08 08:48:55
あいらぶゆぅー(東北弁、一関も同じ伊達領)
返信する
Unknown (Unknown)
2014-07-08 09:07:58
梅雨なのに、台風が近づいているのに、
関東は蒼天だ。

世の中が変わったのだろう。
返信する
やっぱり、 (しもちゃん)
2014-07-08 09:42:05
皆、かっこいいな~。

なんか泣げでくっぺ~~~。
返信する
お疲れ様でした! (ここ)
2014-07-08 14:23:58
団長、皆様、お疲れ様でした!
youtuveで見ました。格好いいというのが正しいのか分からない感じです。
応援ってこんなに美しいの?って思ったのが最初の印象でした。
スコップのころから、いえ、その前からずーっと変わらず、ぶれないところが本当にスゴイというか、、、団長を見ていると気持ちよいのです。ここまでマッスグに生きている、というマッスグさがかっこよく、力強い。。。人間として本当に素敵です。人種とか全てを越えて素敵なので、世界中の人に惚れられちゃうのですね。なっとく。。。
飛行機、楽しんできてください!
返信する
Unknown (とらまま)
2014-07-08 15:15:48
このエントリー見る頃は成田(羽田?)でしょうか。

外野的に「こうなるだろうな・・・」と予想していた以上の現実が来たように見受けられます。おめでとうございました。

色々お掛けしたい言葉はありますが、やめときます。

日本ついてほっとすると思いますが、自宅に着くまで皆さん要らぬ事故や怪我しないように気を付けておかえりください。(わたし昔住んでたとある外国の家から宮城の実家までの移動がきつすぎて、東北新幹線で鼻血垂らしながら寝てたことあります。仙台終着の新幹線にのるといいですよ。)

おつかれさまでした。
返信する
Unknown (baaaaba)
2014-07-08 16:09:29
魔法まで使えるようになったとは。。。
皆さんほんとにカッコイイです。

おめでとうございます。
帰りの機内では、疲れがほぐれますように。
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