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羽ばたき飛行機製作工房

小型羽ばたき機(オーニソプター、Ornithopter、Flapping Wing)専門の研究開発サイトです

Flying Crawler(フライング・クローラ) 3D Printedバージョン完成

2012-12-10 08:00:00 | 製作記事(羽ばたき機)

先日試作したパーツを使用して、Flying Crawler(フライング・クローラ)の3D Printedバージョンを製作してみたので報告。

粉末焼結法で成形されたと思われるパーツは表面がざらついているので軽くサンディングが必要だが、寸法精度は良好で、よくできたキットのようにすいすい組み立てが進む。組み上げたフレームはゆがみもなく、ギアやクランクが設計どおりスムーズに回転するのは感動モノである。

設計に少し余裕をみたのと成形の制約で、パーツはやや肉厚になっており、そのためオリジナルより少し重くなってしまった。

スムーズな飛行ができることも確認済みだが、動画は広い空間であらためて撮影のうえアップ予定。

機体スペック
全幅                 440mm
全長                 600mm
飛行重量                22g
(70mAhLi-po電池含む)

  製作年月  2012年12月


Flying Crawler(フライング・クローラ)

2012-11-04 17:15:38 | 製作記事(羽ばたき機)

来月開催のMaker Faire Tokyo 2012に向けた新作。

一見すると近作のフライング・モビルによく似ていて、多数の羽ばたき翅が縦に並んでいるが、フライング・モビルでは左右の翅がリジッドに結合しており各翅が交互にツイスト運動を行っていたのに対し、このフライング・クローラは、左右の翅が各々独立したヒンジをもっており、だいたい左右対称に羽ばたく。
ここであえて「だいたい」と書いたのは、各翅の羽ばたきが常に左右対称ではなく、左右別々のモータにより羽ばたきレートを独立にコントロールでき、これにより左右の操向を行う仕組みになっているから。

2モータによる羽ばたき飛行は、当工房でも数年前に試作を行ったことがあるが、その後発展することもなくお蔵入りしていた。最近になって、超小型飛行体研究所のとしちゃんが、タンデム配置の多葉羽ばたき機を2モータ制御で安定飛行させるのに見事に成功したのを知り、がぜん興味が盛り返して、追試というか発展形として取り急ぎ製作したのがこのフライング・クローラということになる。

としちゃんの機体は当初6枚翅(2X3WING)、次いで中間の2枚を除いた4枚翅デザイン(6ー2=BUG)だったが、フライング・クローラは、180°位相で交互に羽ばたく4連8枚の翅を、同形だが羽ばたかない前後の固定翅ではさんでいるので、計6連12枚翅ということになる。なお、動翼は機軸方向に横並びに配置した左右2本の長いクランク・シャフトで駆動している。

肝心の飛行性能については、まだ広い場所でのテスト・フライトを行えていないが、室内での予備試験では大変安定して飛びそうな感触。研究所ブログで報告されている画期的な発見、2モータ羽ばたき機の共振効果(下記)は、この機体でも見事に発現している。

「羽ばたき飛行機の左右の羽の羽ばたき周波数を変えることで、旋回しているわけですが、左右の羽ばたきタイミングのシンクロは共振により自然と行われ、飛行姿勢が暴れることはありません。
実際直進時も左右の羽ばたきを電子的にシンクロしているのではなく、機体全体の共振により、自然と左右の羽ばたきがシンクロするので飛行姿勢が乱れることがありません。」(超小型飛行体研究所ブログ2012年10月15日記事より抜粋)

以下の写真は翼面を張る前のスケルトン状態のショット。機体構造がよくわかる。

近日中に飛行会に持ち込んで十分なテストを行いたい。

ちなみに当機のネーミングは、工事車両や戦車などに見られる無限軌道(トラックもしくはクローラ。本機同様、左右の軌道の回転差によって操向を行う。しばしばキャタピラと称されるが、これは同名の企業の商標)に由来している。

機体スペック
全幅                 430mm
全長                 600mm
飛行重量              17.8g
(50mAhLi-po電池含む)

  製作年月  2012年11月

2012/11/05追記:
室内で天井から吊り下げて羽ばたき動作の様子を撮影した動画をアップ
(下の画像クリックで動画にジャンプ):


1/10RCフラップターの開発(ボディー塗装しました)

2012-10-28 10:24:00 | 製作記事(羽ばたき機)

ずいぶん長くかかってしまったが、Maker Faire Tokyo 2012 出展を控え、次のプロジェクトにもとりかからなければいけないので、ボディーを塗装していったん完成とした。ボディーを載せた状態で安定して飛行できない問題は実はまだ解決していない。

塗料の重みが加わったが全備重量はぎりぎり20g以下に収まっている。


RCフラップターの開発(続き)

2012-10-13 11:37:34 | 製作記事(羽ばたき機)

メカニカル・バタフライ改めRCフラップターの製作続き。発泡スチロールでボディー(フェアリング)を作って載せてみた。細部の仕上げと塗装はまだだが、完成イメージに近づいた。
ボディー単体の重量は約3.7g(けっこう重い)

1/20プラモデルと並べてみたところ:

室内での飛行テストの様子(画像クリックで動画にジャンプ):

   機体スペック
全幅                 600mm
全長                 240mm
飛行重量              17.5g
(50mAhLi-po電池含む)
  製作年月  2012年10月

メカニカル・バタフライの開発(続き)

2012-10-07 19:44:31 | 製作記事(羽ばたき機)

4枚の翼をチョウやトンボのように羽ばたかせて飛行する「メカニカル・バタフライ」。試作第一号は機体構造に問題がありうまくなかったので、主翼のみ流用して機体をまるごと作り直した試作第二号。
ちなみにめざしているのはいうまでもなく、ラピュタに出てきた某羽ばたき機の飛行可能なスケールモデルである。



今回も一筋縄ではいかなかったが、何とか操縦可能な状態にもちこんだ。
主翼の取り付け基部が左右に離れているので、クランクは水平対向(もしくは180度V)方式。
1.7gサーボを追加し、後翼の迎角を左右で変化させることで、ステアリングを可能にしている。
前後の主翼は羽ばたきの位相を45度だけずらしている(前翼のクランクが後翼より1/8回転先行)。
機体重量がさらに増したため、チョウのようにひらひらとは行かず、ジタバタと飛行する。
屋内テストに続き、明朝、天気がよければいつもの公園で屋外飛行テストを行う予定。
結果良好ならいよいよスケ-ルボディー架装だが、そこまで行きつけるかどうか。

屋内テストの模様(画像クリックで動画にジャンプ):

機体スペック
全幅                 620mm
全長                 260mm
飛行重量              13.2g
(50mAhLi-po電池含む)

製作年月  2012年10月

2012/10/08追記:
お約束の屋外飛行テストを行ったので映像をアップ。
あちこち本調子でないところがあり、今日のところは予備テストとでもいうべき内容(画像クリックで動画にジャンプ):

2012/10/08追記2:
午前中のテストで気になった部分(ギアのかみ合い、端子の接触、バッテリホルダー等)を修復して、午後から再度屋外テスト。よい感じになってきたが、次第に風が強くなってきて、終始風に向かってホバリングしているような具合になった。そうこうしているうちに胴体フレームの一部が骨折してテスト終了。補強のためにまた機体が重くなる・・・ 操縦に集中するため、カメラを持参しなかったので動画はなし。


メカニカル・バタフライの開発

2012-10-02 21:39:05 | 製作記事(羽ばたき機)

ここしばらくの新作はデルタ・ツイスターの派生型が多かったが、一息ついてオリジナルの羽ばたき機開発に取り組むことにする。その最初の試みである「メカニカル・バタフライ」。
4枚の翼は、前後でわずかな位相差をもちながら羽ばたく(単純な逆位相ではない)。また、前翼平面形は、重量増を承知でカーボン・ロッドを組み合わせ、前縁が生物的なカーブを描いている。注目は羽ばたき機構で、ポピュラーなクランク&リンク・ロッドの代わりに、やはり重量増覚悟で多くのピアノ線を知恵の輪のごとく組み合わせたスライディング・リンクとでもいうべき仕組みになっている。

    

テストしてみた結果だが、十分な推力・揚力で羽ばたき飛行できるのだが、機体構造が脆弱で、着地のたびにどこかが壊れる(重量がありすぎるのも原因)。また、スライディング・リンク機構の工作精度が低く、スムーズに動作せずモータに負担がかかってしまう。

というわけで、スライディング・リンクはあきらめて通常のクランク&リンク・ロッド方式で作り直すことにする。主翼デザインはいい感じなのでこのまま転用するつもり。

機体スペック
全幅                 600mm
全長                 240mm
飛行重量              11.4g
(50mAhLi-po電池含む)

  製作年月  2012年10月

追伸・・・
最近、仲間内でにわかに羽ばたき機熱が再燃してきた。これまでに見たことのないようなデザイン・機構も含め、面白い機体が続々登場している。詳しくは超小型飛行体研究所ブログを参照。さらなるコラボが楽しみ。


RCデルタ・フラッパー(大人の科学マガジン連動企画)

2012-08-13 22:00:00 | 製作記事(羽ばたき機)

RCデルタ・ツイスターRCデルタ・ホッパーに続いて、本誌掲載改造作例の一つ、デルタ・フラッパーもRC化。これでデルタ3兄弟はすべてRC化されたことになる。
スパー・ギア換装による減速比アップ、尾部のサイド・スラスタなど、改造点は兄弟分と同様。

最新作のFlying Mobileと共に、2012年8月25、26日に開催されるMake: Ogaki Meeting 2012に持ち込む予定。

       機体スペック
全幅                 400mm
全長                 400mm
飛行重量               9.5g
(50mAhLi-po電池含む)
  製作年月  2012年08月

Flying Mobile(大人の科学マガジン連動企画)

2012-08-05 22:00:00 | 製作記事(羽ばたき機)

大人の科学マガジンふろく「デルタ・ツイスター」のパーツを利用した改造作例の新作。



このFlying Mobile(フライング・モビール)は、昨年6月にゴム動力仕様で製作した機体8月1日の発売記念イベントにも持参して飛ばしたもの)と同じデザインだが、今回はサイズを200%(!)に拡大し、電動RC化して、広い会場で迫力あるデモ飛行を可能にしている。

タンデム配置で8連の主翼をもち、動翼として1番3番5番7番が連動してツイスト羽ばたきを行う。2番4番6番8番は固定翼であり胴体に固定されているが、デザインおよび空力上の効果をねらって、互い違いに左右非対称の配置としている。

長大な胴体には、高価だが軽量で変形に強いメッシュ・カーボン・パイプを使っている。4枚の動翼を連結しているトルクチューブもメッシュ・カーボン・パイプ。ふろくキットからの流用パーツは、6mmモータを含む電動版ヘッド。

全長800mm超は、これまで製作した羽ばたき機の中では最大。主翼面積は、寸法の2乗で昨年のゴム動力版の4倍に拡大しているが、機体重量は4倍をわずかにきっており、翼面荷重は0.9g/dm2と至って軽量。

現時点では操舵機構未搭載だが、RCデルタ・ツイスター同様のサイド・スラスタを組み込むつもり。

なお、本機は、2012年8月25、26日に開催されるMake: Ogaki Meeting 2012に出品を予定しているのでお楽しみに。


昨年版との大きさの比較(後方が今回の機体):

2012/08/06追記:
さっそくサイド・スラスタを組み込んだ。といっても、4mm10オームモータを横向きにして、機首寄りの胴体ステーに瞬間接着剤でぺたんと貼り付けただけ。プロペラはトイラジのヘリコプタのテールロータから流用(径40mm)。室内でのテスト結果は良好。安定を崩さず機首の向きが変わる。明朝、もし空模様がおだやかだったら近くの公園で屋外飛行テストを行う予定。なお、重量増は思ったより小さく、全体で15g以下に収まった。


 

     機体スペック
全幅                 600mm
全長                 815mm
飛行重量             14.5g
(50mAhLi-po電池含む)
  製作年月  2012年08月

 2012/08/07追記:
早起きして、近くの公園でテストフライトを行った。なかなかよい感じに飛んでくれた。まずは短時間のプレビュー動画をネットにアップしたのでご覧ください。フルロングの動画は編集のうえ追ってアップ予定(Short preview movie is here)。お楽しみに


RCデルタ・ホッパー(大人の科学マガジン連動企画)

2012-07-22 23:10:24 | 製作記事(羽ばたき機)

RCデルタ・ツイスターに続いてデルタ・ホッパーもRC化。

デルタ・ホッパーはデルタ3兄弟の一つだが、大人の科学マガジン本誌には未掲載。5月に製作したゴム動力版、電動版各2種のうち、電動版の小さいほうに、デルタ・ツイスター同様のサイド・スラスターを追加した。

尾部に追加したサイド・スラスター。モータはSHICOH-F7

中段の減速ギアも、デルタ・ツイスター同様60枚歯に換装。航空ベニアを使った改造箇所がわかりやすいよう、あえて未着色のままにしてある。

飛びっぷりは至って安定しており、イベント等でのデモ飛行にも向きそうだが、何だかあたり前すぎるので、もうひとひねり欲しいところ。

       機体スペック
全幅                 400mm
全長                 400mm
飛行重量               9.5g
(50mAhLi-po電池含む)
  製作年月  2012年07月