羽ばたき飛行機製作工房

小型羽ばたき機(オーニソプター、Ornithopter、Flapping Wing)専門の研究開発サイトです

独Festo社の新作飛行ロボットBionicFlyingFox

2018-03-30 17:30:00 | 関連情報(羽ばたき機技術関係)

生物の動きを巧妙に再現したロボットを毎年発表しているドイツのFAメーカーFesto社が、今年はオオコウモリ型の飛行ロボットBionicFlyingFoxを公開しました。

今回の新作は、これまで発表された飛行ロボットの集大成ともいえる内容で素晴らしいです。複雑な機構を組み込んでいるため、翼幅2.3メートル、自重580グラムとサイズと重量がかさむのは致し方ないところ。実物のコウモリのうちでも小型のものは自重わずか5-9グラムであることを考えると、こと小型化に関してはまだまだ研究の余地があります。

Festo社発表資料はこちら

これまでに発表された飛行ロボットの数々:
精密な鳥型の羽ばたき機SmartBird
トンボの飛翔を完全再現したBionicOpter
自律飛行するロボット蝶々eMotionButterflies


micro:bit羽ばたき機を作りました

2018-03-11 14:30:00 | 製作記事(羽ばたき機)

 

たいへん久しぶりの投稿になってしまいましたが、このところ取り組んでいたテーマで進展があったので報告します。お題は「micro:bit」です。

micro:bitとは、イギリスのBBC(英国放送協会)が主体となって開発された教育向けのマイコンボードです。英国では2016年に、100万人の小学生に無料配布されました。日本では、2017年秋から正式に販売が始まっています。

micro:bitの外観(公式サイトより):

micro:bitについての詳しい説明は公式サイト(日本語)等を参照いただくとして、本ブログでは当然ながら羽ばたき飛行機への応用を探りました。

で、デモンストレータとして作成したのが写真の機体です。送信機としてmicro:bitを使用。操縦は、micro:bit本体に内蔵されている加速度センサを利用し、送信機を上下左右に振り動かすことで、上昇下降や操向の信号を機体に送信します。micro:bitには無線通信機能があり、micro:bit同士や、スマホやタブレットとの通信が可能です。

機体の外観:

機体は以前製作したmbed羽ばたき機と同様、小型のサーボで羽ばたき翼をダイレクトに駆動します。各部のパーツは、筆者が所属するファブラボ北加賀屋の3Dプリンタで出力しています。

機体前部のアップ:

羽ばたき飛行機は軽さが命ですので、通常のmicro:bitではなく、micro:bitに搭載されているMCU(マイコン)チップだけを取り出したような小型の基板を使っています。見かけは異なりますが載っているのは同じ品番のチップなので、micro:bit向けに書いたプログラムがそのまま動きます。書き込み用の端子も引き出してあり、機体に載せたままでの再プログラミングが可能です。

受信機:

まずは室内でテスト(動画)を行い良好な結果でしたので、近々屋外で本格的なテストフライトを行ってみる予定です。

また、3月25日に開催されるNT京都2018に、ファブラボ北加賀屋メンバーと一緒に筆者も出展します。当機体も展示(あわよくばデモフライトも)予定です。お楽しみに!

なお、micro:bitについての情報は主にインターネットから入手できますが、書籍としてわかりやすくまとまった入門書「micro:bitではじめるプログラミング――親子で学べるプログラミングとエレクトロニクス」がオライリー・ジャパン社から発売されています。オススメです^^

機体スペック
全幅                 600mm
全長                 270mm
飛行重量                11g
(50mAhLi-po電池含む)

  製作年月   2018年3月