羽ばたき飛行機製作工房

小型羽ばたき機(オーニソプター、Ornithopter、Flapping Wing)専門の研究開発サイトです

羽ばたき飛行機&3Dプリンターワークショップを名古屋で開催しました

2014-02-27 22:00:00 | 報告記事(その他イベント)

先週2月22日土曜日に、名古屋のメイテック本社で、羽ばたき飛行機「デルタ・ツイスター」&3Dプリンターのワークショップを開催しました。

参加者は同社所属のエンジニアさんとそのご家族。主催は、昨年北加賀屋で123D Designのワークショップを共催したall engineer.jpさんでした。

当初20名の募集に対し34名の参加とたいへん盛況で、年齢層も幅広く、全体に和気あいあいと良い雰囲気でした。筆者がメンバーになっているファブラボ北加賀屋の活動や機材についても興味深く聞いていただきました。

デルタ・ツイスターは、大人の科学マガジンのふろくだけあってけっこう製作難易度が高く、予定の作業時間を延長することになりましたが、最後には全員完成し、会議室や近くの公園でテストフライトを楽しみました。

デモ用に持ち込んだ3Dプリンターは、ファブラボのメンバーが自作したRepRap派生のオリジナル機でしたが、宅配便で輸送した影響かセットアップがうまく行かず、やむなくドライ運転に終始した点は、3Dプリンターへの関心が相当高かっただけに残念でした。

今後もプログラムの改良に努め、各地で有意義なワークショップをご提供していけるようにしたいと思っています。


我が家に3Dプリンターがやってきました

2014-02-16 22:00:00 | 関連情報(その他技術関係)

この1年間、3D CADと3Dプリンターを利用することで、羽ばたき飛行機の開発スタイルは大きく変わりました。自分の活動をパーソナルファブリケーションという大きな文脈の中に位置づける中で見えてきたことも多々あります。

プリンターは、メンバーになっているファブラボ北加賀屋の機材を使わせてもらったり、Shapewaysなどの出力サービスを利用したりしていますが、ファブラボのメンバーの中には、ネットで情報を集めて3Dプリンターを自作してしまうすごい方もいます。そんなプリンターの1台を、来週名古屋市内で開催予定のワークショップでのデモ用に、一時お借りしてきました。

プリンターはRepRapと呼ばれるオープンソース系の技術を利用して作られています。プリンター側の制御ボードはPrintrboard、PC側の制御にはRepetier-Hostという、RepRapの世界では定番のソフトを使っています。

特筆すべきは、プリンターヘッドのXY方向の制御に、CoreXYというシステムを採用していることです。左右に配置されたモータが協調し、ベルト駆動により、高精度でヘッドを動かすことができます。とはいえ、今回お借りしてきた自作機はまだチューンナップの途中とのことで、なかなか難しい面もあるようです。

下の画像は、馴らしを兼ねて試しに出力してみたミニチュアの折りたたみ椅子です。長さは6センチほどです。データはAutodesk社のクラウド3D CADであるFusion 360を使って作成しました。

今年は、内外各社からさまざまなタイプの3Dプリンターが発売されるようです。1年後には、自分専用の3Dプリンターが当たり前になっているかも知れませんね。


「空飛ぶパンツ改良型」 日本語組立説明書を公開しました

2014-02-15 12:45:00 | 案内(新製品)

順番が前後してしまいましたが、機体全体をパーソナル3Dプリンターで出力できる羽ばたき飛行機「空飛ぶパンツ改良型」の日本語の組立説明書を公開しましたのであらためてご案内します。

http://www.slideshare.net/Flappingwing/3d-31231881

また、3DプリントパーツをDMM.comに出品しました。日本語で注文いただけます:

http://make.dmm.com/item/30182/ (お得なパーツ5機セットです)

「空飛ぶパンツ改良型」みなさんもぜひ作って飛ばしてみてください!


3Dプリント羽ばたき飛行機「空飛ぶパンツ改良型」 設計データ・組立説明書を公開しました

2014-02-09 14:00:00 | 案内(新製品)

お待たせしました。かねてより試作を進めてきた、機体全体をパーソナル3Dプリンターで出力できる羽ばたき飛行機「空飛ぶパンツ改良型」が完成しましたので発表します。

昨年あたりから、日本でも3Dプリンターが大きな注目を集めるようになりました。筆者もさっそく機体開発に取り入れて、パーツのデザインや出力に3D CADや3Dプリントを活用するようになりました。当初は身近に自分で使える3Dプリンターがなかったことから、3Dプリントの外注サービスであるShapewaysを利用してきました。産業用のレーザー焼結式(SLS)プリンターで精度の高い成形ができるところがShapewaysの魅力です。昨年リリースしたオリジナル「空飛ぶパンツ2」のパーツは、ほぼShapeways専用設計です(レーザー焼結式プリンター使用を前提にしたデザイン)。

いっぽう、最近になって普及型の溶融積層式(FFF)3Dプリンターが数多く発売されるようになり、価格も下がって、組み立て式の製品では10万円を切るものも現れてきました。筆者が所属するFablab Kitakagayaのように、団体で購入してメンバーに開放しているところや、時間貸しを行うサービスなどを通じて、興味があれば3Dプリンターを気軽にさわれるようになり、個人で所有に踏み切る方も増えてきました。

そこで、パーツのデザインを見直し、これらの普及型3Dプリンターでも出力可能にしたのが今回の「空飛ぶパンツ改良型」です。CADデータを無償公開していますので、自由にダウンロードしていただけます(※1)。各自で利用可能な3Dプリンターで、パーツを出力し、機体を製作していただくことができます。使える3Dプリンターが身近にない方は、3Dプリント外注サービスを利用できます(※2)。詳細な組立説明書も作成し、公開しました(※3)。

3Dプリンターと羽ばたき飛行機、不思議な取り合わせですが、なかなか相性はいいようです。興味のある方はぜひ試してみてください。

※1:「空飛ぶパンツ改良型」のCADデータは以下でダウンロードできます:

Thingiverse:
 http://www.thingiverse.com/thing:239789

123dapp.com:
 http://www.123dapp.com/smb-123D_Design/Flying-Pants/2107482

※2:「空飛ぶパンツ改良型」の3Dプリントパーツは以下で注文できます:

Shapeways:
 http://www.shapeways.com/model/1693498

DMM.com:
 http://make.dmm.com/item/30182/

※3:「空飛ぶパンツ改良型」の組立説明書は以下で閲覧できます:

 http://www.slideshare.net/Flappingwing/full3-d-printedornithopter (英文)

 http://www.slideshare.net/Flappingwing/3d-31231881 (日本語)