羽ばたき飛行機製作工房

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ハチドリ型の偵察ロボットが開発される

2011-02-20 11:32:05 | 関連情報(羽ばたき機技術関係)

たいへん久しぶりの更新になってしまったが、このニュースは外せないだろうということで紹介。

AeroVironment Develops World’s First Fully Operational Life-Size Hummingbird-Like Unmanned Aircraft for DARPA
米国AeroVironment社、 DARPAの支援で世界初のハチドリ型飛行ロボットを開発

 

この試作羽ばたき機のサイズは、上右の写真で手のひらとの比較でわかるとおり、実物のハチドリに近く、翼幅16センチ、飛行重量19グラム(バッテリ含む)。超小型の無線ビデオカメラを搭載しており、リアルタイムに送信される映像を確認しながら操縦できる。ホバリングやすばやい移動、垂直離着陸、はては宙返りまで可能で、滞空時間は10分を超えるとのこと。
まあここまでなら同クラスのマイクロ飛行体でもすでに行われているが、当ブログで注目しないわけにはいかないこの試作機の大きな特徴は、このような機動性能を、補助翼などを使用することなく、2枚の羽ばたき翼の制御だけで実現しているところである。おそらくは小型ジャイロの助けも借りて、翼の付け根でピッチコントロールのようなことを行っていると思われるが、詳細は不明であり、このあたりを解明した続報が待たれる。



現地ではさっそく主要メディアがニュースとしてとりあげている(動画付き):
Bird's Eye View - ABC News
It's a bird! It's a spy! It's both - Los Angeles Times
World’s first hummingbird-like unmanned aircraft system takes flight - AERO GIZMO

ナレーションによると、このプロジェクトにはDARPAが4百万ドルの資金を援助したとか。人知れず窓際に留まってこっそり偵察を行うロボットなどとしての実用化が期待されている模様。軍事目的もさることながら、スパイとか浮気調査とかのニーズにぴったり来そうである(怖い怖い)。

AeroVironment社ホームページ