電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

風情

2007-12-18 20:43:37 | Weblog
春に香港へ行った時、ホテルで話しかけられた日本人の親子に、「スターフェリーのセントラル側ってどこで乗ればいいんですか?」って聞かれて説明したのですが、「でも、駅が移動しているので、着いた場所は前と違うところになってますよ。」というと、「え~」と驚かれてしまいました。
今日新聞を読んでいたら、最近、市民が政府に対して、街並み保存運動(集体回憶)を展開していると書いてありました。中環の大通から山手に伸びる嘉咸街という露店街の再開発が計画され、香港らしい雑然とした雰囲気と歴史を持つこの地区も経済の波に飲み込まれようとしているとのことです。
この場所は映画の撮影でもよく使われている場所なのですが、先のスターフェリーの件を含め、市民が街の歴史を保存していくことに大きな関心をよせているのだそうです。
香港は土地自体がすべて政府のもので、これまで再開発を繰り広げることで、経済価値を高めてきた経緯があります。古くなった場所を再開発して高層ビルを建てれば、地価収入になっていくわけです。
しかし、これまではそういったことにも否定をしなかった市民も、古いものに対する価値観を見なおしてきたのだそうです。
街がどんどん高層ビル化していくのもいいかもしれませんが、例えば東京の銀座でも、景観をそこなわないように区の条例で高さ制限をしているのですが、昨年某デパートがそれ以上の高さのビル計画を発表して喧々諤々の議論となり、結局、白紙になったこともありました。
香港は東京の半分ぐらいしか面積がないので、もし同じような建物ばかりになってしまうと、それこそ観光を目玉にしていた香港の魅力もなくなるのではないでしょうか?
今日はちょっぴりまじめなお話でした。