島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

「いのちの道」が泣く高速道路での渋滞

2009-10-19 00:04:34 | クルマ社会の問題
 新聞もテレビも鳩山政権の高速道路を含む道路建設の抑制策に対し案の定地方から各論反対の声が沸き起こっている。
 前回の記事でも書いたように、やはり「いのちの道路」の建設凍結とは何ごとか、新政権は尊い人命を軽視しているようなものだという声が大きい。
 住宅地の周囲にある道路はむろん住民には日常生活に不可欠な道路であるが、いつのまにか国道などの高規格道路や高速道路までが「生活道路」となり、更には「人命にかかわる道路」に“変身”しているようだ。
 たしかにすべてのクルマが走行する道路は「生命にかかわる道路」であることは間違いがない。ただし、クルマの走行による死亡事故が絶えることはないという意味でのことである。
 つまり、「人命を救助」するための道路である以上に「人命を死に追いやる」道路である場合の方が多いと言えそうである。
 それにも拘わらず地方では病人や負傷者を迅速に病院に運送するためには高速で走行できる道路の建設は不可欠と主張されるのが普通だ。
 だが、千円乗り放題施策の導入以前から大都市圏や連休・旧盆・年末年始などでは高速道路の渋滞が問題になっている。
 ましてや民主党がマニフェストで公約している高速道路の無料化が実施されたら、渋滞はさらに格段にひどくなることは目に見えている。これでは病人を乗せたマイカーは言うまでもなく、救急車でさえも迅速には走れない。
 ということは、既に多くの高速道路は「人命を救うのが困難」な道路になっていることを物語っている。(むろん、地域や時期、時間帯にもよるのだが。)
 不思議なことに「人命」のたに高速道路は不可欠と言う人も、救急車等の迅速な走行を妨げる不要不急のクルマの横行を抑制すべきだと言わない。
 高速道路など無くても一般道路を走行するクルマが少なければ、救急車も病人を乗せたマイカーも一般道路でも制限速度内でさえスムーズに走れるのである。
 本気で「人命」を尊重するなら、一般道路においても不要不急のクルマの抑制を主張し、かつ渋滞を多発させて緊急車輌の迅速な走行を妨げる高速道路の無料化公約の撤回を民主党政権に強く要望すべきなのである。
 ※ 写真は関連HPより


最新の画像もっと見る