島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

ああ、クルマの屋根がモッタイナイ!

2013-05-26 09:49:36 | 原子力発電所
 これは昨日訪れた石巻の大型ショッピング・モールの駐車場の光景。
 まことにすごい数のクルマが駐車している。
 そして、角度によっては陽光を受けて一斉にクルマの屋根がまぶしく反射している。
 最近は原発事故の後を受けて原発でもなく化石燃料でもない自然エネルギーへの転換(エネルギー・シフト)が声高である。
 しかし、クルマの屋根に太陽光パネルを取り付けるという発想はなかなか聞かれない。
 たとえわずか一時間の駐車だけでもクルマの室内照明やカーラジオなどの電力はかなり賄えるはずである。
 その分、ガソリン消費も減少する。
 ましてや通勤者が職場や近隣の青空駐車場に朝から帰宅時まで駐車していたら、その蓄電で家庭内の電気器具もかなり賄えることになろう。
 なぜ、クルマの屋根部分に太陽光パネルが取り付けられないのか。
 どうも、クルマの「見映え」が悪くなるからなのかもしれない。
 それならば、住宅の屋根の一面に太陽光パネルが設置されることも「街並み景観」の上できわめて宜しくないことになるはずである。

※ 石巻の中心商店街の悲惨なほどの衰退ぶりの要因は郊外部への巨大な「車津波」に求められそうであり、むろん、大震災以降も深刻化している。

ああ、駅前一等地ゆえのクルマ優先

2013-05-17 21:29:21 | 原子力発電所
 
 ここは山形駅前の交差点。横断歩道の向こうは撤退した元の商業施設の跡地で、更地になった後は緑地公園のようなものが期待されたが、結局は駐車場。
 歩行者と信号機の支柱の背後に駐車している複数のクルマは手前の横断歩道の踏み込み地点を通過して駐車場入りしているのだ。
 また駅を出てフード付きエスカレーター(左)から降りたばかりの人の直前を駐車場入りするクルマが通過する場合も多かろう。
むろん、そこの歩道は同時に横断車道となる。この天下の山形駅前駐車場の設置者が誰かは不明だが、この無神経ぶりは“偉大”としか言いようがなくなる。

不可能を不可能と言えない「除染」事業(8)

2013-05-06 23:04:09 | 原子力発電所
 前回でも述べたように、チェルノブイリ周辺と福島原発の周辺とでは見渡す限りの平地と凹凸の多い複雑な地形という大きな違いがある。そして福島の場合は凹凸が多いだけに斜面が多くなり、実質的面積も広くなる。
 その平地が多いチェルノブイリですら完璧な除染は無理と全域的除染が断念されているようだが、福島では除染基準の放射線量の見直しこそ論議されてはいても、除染そのものを断念すべしという声はあげられていない。
 しかも、除染は単なる「移染」でしかなく、セシウムなど放射性物質自体が消失するわけではなく、例えば剥ぎ取った地面の保管場所については最終保管地どころか一時的保管地すら住民や自治体の反対が激しく決めかねている状況である。
だからといって除染の断念を決断する代わりに汚染地区をすべて恒久的立ち入り禁止地区にすることもできない。これは住民の帰還と汚染地区の復興が避難住民の希望だからである。
 それにしても、旧ソ連(その後のウクライナ、ベラルーシ、ロシア)はさすがに強権国家であり、それゆえに除染の断念とともに住民にも帰還を断念させることができたのであろう。
 日本政府は自民党政権が復権しても除染の断念も住民帰還の断念もできないであろう。
まさしく除染については「不可能を不可能と言えない環境」が日本をおおっているのである。
       
このシリーズは今回をもって終わりとします。