島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

運転免許の有無で窓口差別

2009-05-28 21:03:58 | クルマ社会の問題
 運転免許不所持者を差別する行政の窓口
 近い親戚で一人暮らしの80歳超の高齢婦人が印鑑登録が必要になり(古い登録手帳の紛失により再交付)市の窓口を案内した。
 ところが本人確認のためには運転免許証やパスポートなど顔写真付きの証明書類が必要だと聞かされた。確か以前はそれらは不必要であったはずである。
 もし、それらが提示できなければ、後日本人確認紹介の文書が郵送されるのだが、ともかく高齢者本人または代理人は後日再度窓口に足を運ばねばならない。
 最近は役所に限らず銀行等でもそれらの提示が求められる場合が増えている。
 高齢者でなくとも私のように運転免許を所持していない(というよりは所持しようとしない)者も存在するのだから、ましてや高齢者の場合は運転免許証やパスポートを所持しない割合が格段に高くなる。それなのに、それらを所持していないというだけで手続きが困難にさせられるとすれば、まさに窓口差別ということになりはしないか。
 もし、どうしても顔写真つきの公的身分証が必要ならば、顔写真付きの「市民証」のようなものを交付すべきではないだろうか。
 あるいは「エコ市民証」を兼ねた「運転免許不所持者証」を提示すれば商品購入の際も値引きしてもらえるような制度の導入も望まれる。

クルマ横断のために造られる広い歩道

2009-05-25 22:02:10 | クルマ社会の問題
 前回の記事に続く
 前回の記事にあるように、市街地での道路拡幅事業に伴い、ゆったりとした広い歩道も整備されるのだが、これにより行政は「歩行者に優しい道路環境」の実現を喧伝することになろうし、そのように思う市民も少なくなかろう。
 しかし、広い歩道の整備は色んな側面で歩行環境を一層悪化させる可能性が高い。
 まず、車道を走行するクルマの数も多くなるし、スピードも上昇するから、騒音も排気ガスによる空気汚染もひどくなる。
 また、道路拡幅に伴い、以前沿道に建ち並んでいた商店や住宅などが解体されるのを機会に、その跡地が一部は拡幅歩道と新たな駐車スペースとなる例がすこぶる多く、街路景観が殺風景というよりは劣悪になるだけでなく、新しい歩道の内側に造成された駐車スペースに出入りするクルマがその歩道を横断することが多くなり、歩行者にとっては決して安全な歩道ではなくなる。
 クルマが横断できる歩道上の箇所は仮に平均十数mおきであっても、歩行者が横断できる箇所(横断歩道)は普通200m~500mおきにしか設置されない。
 その他歩行者にとって不都合な点については4月13日の記事で述べたので、ぜひ読んでいただきたいが、ともかくこのままではいくら広い道路が造られても、クルマ優遇、歩行者冷遇の環境はむしろ増加しかねない。
 つまりは街路景観の劣悪化(昨年の9月25日と12月29日の記事参照)とともに、道路拡幅に伴う「街づくり」は「街壊し」に至るのではないかと不安になる。

 ※写真「上」は山形市街北部の拡幅道路と歩道内側の駐車場 
    「下」はJR北山形駅前大通の歩道を横断するクルマ 

まだ続く沿道住民の「蛇の生殺し」状態

2009-05-19 22:01:14 | クルマ社会の問題
 この二車線の一方通行の道路についてかなり以前から拡幅が計画されている。
 両側にゆったりした幅の歩道がついた片側二車線双方通行の道路になり、これが開通すれば中心市街地では駅前大通りと並び最も広い幅員の道路となる。つまり新しい道路は現在の約3倍の幅員になるとのことである。
 だが、地元の行政は郊外の道路新設と拡幅に力を入れ過ぎてきたきらいがあり、用地買収だけで巨額の公費が費やされ、しかも地権者の権利が複雑に入り組みがちな中心市街地の道路建設は後回しにされてきたと言える。
 この道路の拡幅計画は当然かなり以前から沿道住民の知るところであったが、拡幅計画の実現化は遅々として進まず、老朽化した家屋や店舗等の所有者は改築や移転もやるにやれないでいた。もし、改築したばかりで拡幅計画が急遽実施されると再び移転による家屋や店舗の移転新築が余儀なくされる。
 しかし、実施計画はなかなか具体化せず、沿道住民にとっては長い年月動くに動けない状態が続いた。しかも近年の行政の財政難と過度の道路建設優先施策に対する世論の批判により、ますます実施の具体化が遅れがちになっている。
 それでも行政はこの計画を「中止」するとは一言も言わない。
 だから、沿道住民にとってはまさしく「蛇の生殺し」状態である。
 それでしびれを切らした住民は拡幅後の沿道の「街づくりプラン」を練り上げて行政に対し早期の拡幅計画の実施と具体的予算化を要望した。
 住民自らが動かなければ縮小気味の公共事業の予算化は困難であることを住民も分かるようになったからである。
 先日、住民のその「街づりプラン」の報告会が公民館で開催されたので、近隣住民の一人として参加して報告を拝聴した。
 でも、その報告を聞いて、「クルマ社会」という現実が新しい街をもいかに無機的で殺伐としたものに変貌させていくかについての見通しがこの「街づくりプラン」ではまったく欠如していることに気付き、私は暗澹たる思いをせざるをえなかった。   ⇒ 次回に続く
 

なんでもない景色のようだが・・・

2009-05-03 22:57:03 | 地球温暖化
 手前に市街地、前方に残雪が目立つ山並み。
 これは山形市街を前景にした奥羽山脈の雁戸山の風景である。
 おお、いかにも山形らしい景観である。 
 雁戸山とは申しても山形以外の人間にはあまり聞きなれない山の名前だろうが、これも蔵王連峰の一部を成しており、いわば北蔵王に属する。
 この稜線を右手に辿って行けば、名号峰、そしてカルデラ湖たる御釜を見下ろす馬の背や最高峰の熊野岳に至るのだが、山形の市街地からは熊野岳の姿を目にすることはできない。
 それにしても昨日、今日と山形市の最高気温は20度を超え、とりわけ昨日は26度で夏日を記録したほどだから、まあ5月初旬としてはかなりの高温である。
 でも、雁戸山(1484m)の山頂付近の残雪は例年になく多いように思える。
 それもそのはず、先々週は連日最高気温が平年をかなり下回っており、家の中ではコタツが欠かせなかった記憶がある。
 つまり、その頃は山にはかなりの積雪があったから、昨日、今日のような高温の日にまで残雪を見せているのであろう。
 一見、なんでもないような景色で、さすがに山形は自然景観が優れていると賞賛されるようであるが、これこそ気候変動の激しさを象徴する景観なのである。
 連休に入り、ETC塔載により1000円で高速道路乗り放題のクルマが高速路線に殺到し“低速道路”と化しているが、渋滞もまた二酸化炭素の大量排出を招くのだから、ETC取り付け料金の補助と高速料金の一律1000円の施策はまさしく典型的な地球温暖化推進施策と申すことができよう。