島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

20km/hでも高速

2009-08-24 22:45:55 | クルマ社会の問題
 かなり古い新聞記事だが、紹介したい。

 時速20キロの衝突でも危険運転致傷罪、最高裁が判断

 自動車を時速20キロで運転中に信号無視をして衝突事故を起こし、相手にけがをさせたのは危険運転致傷罪に当たるかどうかが争われた刑事裁判で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は、14日付の決定で、「時速20キロは重大な危険を生じさせる速度と言えるから、危険運転致傷罪が成立する」との判断を示した。

 この裁判は、札幌市西区の男性被告(35)が2003年11月の未明、同市内で衝突事故を起こし、相手の車に乗っていた2人に軽いけがを負わせたとして、同罪などに問われたもの。被告は、交差点手前で赤信号で停止している車を追い抜こうと、対向車線に出たところ、左折してきた車と衝突していた。

 同罪は、<1>信号無視<2>重大な危険を生じさせる速度――が重なったケースなどで成立する。弁護側は「時速20キロでは重大な危険は生じない」などと主張したが、第2小法廷は1、2審に続いて弁護側の主張を退け、被告の上告を棄却した。懲役1年6月の実刑とした1、2審判決が確定する。
(読売新聞) - 3月16日

 ※写真は山形市内の幹線道路に並ぶ渋滞中の車列 たぶん20km以下だが、これでも人間を撥ねて死なす力はある。

ホシュ党(歩主党)宣言

2009-08-19 09:57:50 | クルマ社会の問題
 いよいよ今日から衆議院議員選挙戦がスタートした。
 はたして自民党が勝つか民主党が勝つか、いずれにしても保守政権であることには変わりがないものの、民主党の方がやや革新的性格が強いと言われている。
 でも、私はホシュはホシュでも、きわめて明治時代以前の様相に近い「歩主」的思考の持ち主である。
 えっ、それでは私は「封建主義」思想の持ち主なのであろうか。
 でも、バスも飛行機も新幹線も路面電車も、また消防自動車などの近代文明の申し子のようなものも是認している。
 ただし、是認とは言っても、あくまでこれらの交通手段すら「必要悪」としての是認である。なぜなら、これらの交通手段とて人間にたとえれば決して「聖人君子」ではありえないからである。
 なぜなら、当然事故を起こす可能性はあるし、排気ガスや騒音、振動も振り撒く。むろん、直接的・間接的に化石燃料を使用する限り二酸化炭素も排出する。
 ましてや、現在のようにクルマの個人的使用が蔓延していれば環境的負荷も社会的負荷もべらぼうに膨大になる。
 だから、高速道路の低料金や無料化を提唱する政党は「保守政党」というよりは「車主党」と呼ぶべきであろう。あるいはシャカイシュギ政党とも言える。つまり、「車会主義」の政党だからである。
 ほとんどの国民が歩行していた時代はどんな田舎町でも商店街は賑わい、洒落た外観の店舗が並んでいたものだが、クルマ優先の現代はどこの中小都市も中心街がさびれ、洒落た店舗の跡地は駐車場になり果てるしかなくなっている。
 景気回復も大事なことはわかるが、そのためにますます地方社会の疲弊度が増し加えられるようであってはならない。
 ただし、ホシュ(歩主)党は有るや無しや? 悩み深き我なり。

◆写真 市民の往来で賑わう大正時代の山形市中心街

依存症 国家推奨か違「法」かの違い 

2009-08-11 15:49:53 | クルマ社会の問題
 世間とマスコミは“法の番人”のような名前の“清純派”タレントの覚醒剤依存をさかんに責め立てる。
 彼女の逃避行において自分の車を使用しなかったことは「罪の上塗り」にならなかった。酒気帯び運転どころか、薬物帯び運転になっていたからである。
 アルコール依存も怖いが薬物依存も怖い。
 アルコール飲料を飲むこと自体は決して違法ではない。ただし、酒気帯び状態でのクルマの運転だけは違法である。それに対して薬物については医師などが行う医療行為以外はたとえわずかでも使用や服用は違法であり、むろん「法」の字が名前の一部になている人物はなおさら使用・服用は許されない。
 だが、まだまだ怖い依存症がある。
 それも“国家公認”どころか“国家推奨”の依存症だから恐ろしいこと限りない。
 それはクルマの使用のことであるが、過去数十年間、クルマは生産段階から国家の基幹産業として手厚く公的機関から支援され、道路などクルマの円滑な走行のためのインフラ整備のために巨費が投じられてきた。
 むろん、高速道路の千円での乗り放題や民主党が約束している高速道路の無料化政策もその一環であるが、昨日の静岡での地震の復旧事業の中で最優先とされているのも東名高速道路の路肩崩落の復旧であることがそれを雄弁に物語っている。
 最近の各地での豪雨や竜巻等による被害は単にエルニーニョ現象ばかりが要因とは言えず、かなり地球温暖化による気候激変に因るところが大きく、クルマが地球温暖化の主役(クルマの走行を支えるクルマ社会全体を含む)であるにもかかわらず、日本人の多くはあいも変わらずクルマを手放せないでいる。
 もはや生活には欠かせないなどと言う者も多いが、日常生活でのストレス発散のために「高速千円乗り放題」をどんどん活用しようとばかりの人物も少なくない。
 これでは法子さんの違「法」な覚醒剤使用と大差がないではないか。
 否、覚醒剤使用は非使用の他人に直接的に害悪を及ぼすことはないのに対し、クルマの使用は二酸化炭素や大気汚染、騒音等をばら撒き、他人に対する死亡事故さえもたらすから、この意味では覚醒剤使用よりも害悪が大きい。
 そのような人物が多いからこそ“高速”道路はすぐに“渋滞”道路になってしまい、“車用族”のストレスを更に高めるのである。
 

高速低料金・無料化にNGOが反対声明

2009-08-08 17:11:06 | 地球温暖化
 「気候ネットワーク」など環境関係のNGO数団体が政府の高速道路の千円乗り放題や民主党の高速無料化などの公約に対して共同で声明を出した。

       NGO共同声明
 高速道路無料化・自動車関連諸税の暫定税率廃止に、反対します
~ 高速道路無料化・割引は撤回し、暫定税率は炭素税などにシフトを ~

 以上が声明文の見出しだが、内容は下記URLにより見られます。
  http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2009-08-05.html

また、当ブログの過去の記事もご覧くだされたし。
http://blog.goo.ne.jp/ezoben-k/d/20090328

 ※写真は関連HPより

自転車を乗車させる列車

2009-08-03 23:15:36 | クルマ社会の問題
 函館の友人から届いた情報と写真を紹介したい。
 なんと、列車に多数の自転車が積み込まれている写真にいささか驚く。
 ヨーロッパなどでは、そのような列車があり、それが日常的になっているという話はかなり聞いてはいる。そうならば、各駅前での溢れるばかりの自転車による銀輪公害はかなり解消されるはずだが、日本ではなかなか普及していない。
 今回は自転車愛好グループが主体のイベント的なものだが、それにしても鉄道会社はよくぞ同意してくれたものだと関心したくなる。
 これが単なるイベントとしてのみ終わるのではなく、日常的なものになることを願いたい。それも、鉄道列車だけでなく、バスの場合もそうであってほしい。
 バスの後尾の外側に自転車を積んで自転車利用者のために奉仕しているバス機関が自動車大国アメリカのボルダーにあることをも、ついでにここで紹介しておきたい。