島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

2分のドライブは100時間の蛍光灯点灯

2010-01-26 17:56:53 | Weblog

 1年近く以前の新聞記事になるが、エコ生活を心がけているつもりでも、「小口」のエネルギー節減に努力はしても「大口」のエネルギー節減はほとんど心がけていない家庭が多いという内容の記事を紹介したい。[※朝日新聞09年3月]
 つまり、テレビなどの待機電力の節減のためにこまめにコンセントを外す、使用しない部屋の照明は消す、冷蔵庫の開閉を素早くする、レジ袋を減らすためにエコバッグを持ち歩く、食堂や蕎麦屋で割り箸を使わない等々が「小口」であるが、そのような「小口」の行為を日常律儀に実践している人でさえ、クルマの使用という「大口」の二酸化炭素排出行為の削減をほとんど実践していないことが多いということである。
 クルマの使用がいかにダントツに二酸化炭素を排出しているかについてはグラフのとおりであるが、まさに2kmのドライブを控えるだけで蛍光灯1本を100時間分の節減と同じだと述べている。
 つまり、市街地でのクルマの速度を30km/hとすれば、2kmの走行は4分に相当し、4分クルマを走らせただけで蛍光灯1本を100時間つけっ放ししていることに相当するのである。または蛍光灯100本を1時間つけっ放ししているのと同一である。
 ただし、普通は一部屋あたりの蛍光灯は2本程度で、家全体でも10本くらいであろうし、それらをすべて一日中点灯しっ放ししておくことはまずありえない。
 2kmといえば、徒歩では約30分だから、その2kmの道のりをクルマ使用ではなく、徒歩にしただけで、蛍光灯100本の1時間点灯に相当する二酸化炭素排出の削減に寄与することになる。

私生活で突出のクルマによる二酸化炭素排出量

2010-01-22 23:29:15 | 地球温暖化
 私生活においても二酸化炭素排出を抑制するには屋内や室内の証明をこまめに消灯するとか、プラグをコンセントから外すとか、冷蔵庫の扉の開閉時間を極力短くする、冷蔵庫には食品を詰め込み過ぎないなどを心がけるべきとされ、クルマの使用についても、アイドリングしないとか、急発進をしないなどが呼びかけられているが、このクルマの使用についての行政からの呼びかけは申し訳程度のものでしかない。
 上の円グラフは以前にも紹介したが、これを見ただけでも私的生活におけるクルマの使用による二酸化炭素排出量が突出していることがわかる。
 これは2006年時点での統計だから少々古いが、あくまでクルマを所有する家庭も所有しない家庭をも含めての統計だから、もしクルマを所有する家庭だけの場合なら、クルマの使用による二酸化炭素排出の割合はもっと多くなるわけだし、ましてや一家で複数台所有してそれぞれの家族の者が別個に使用する家庭の場合はさらに多くなる。
 しかし、「私生活におけるクルマの使用」とは言っても、平日の場合は通勤時間や帰宅時間以外にマイカーを使用することは少ないし、休日とて必ずしも遠出のドライブにでかけるわけではない。また、クルマを所有はしても大都市圏の住民は通勤にクルマを使用することは少ない。また、休日に郊外の大型店に買い物にでかける場合とて、往復に計数時間も費やすことはさほどないであろう。
 こう考えると、真夏の熱帯夜に安眠するためにクーラーを長時間つけっ放しにしておくほどクルマを私的に長時間使用することはないものと考えられる。
 私的にクルマを長時間使用するのも盆や年末年始の帰省のためくらいしかないという人もすこぶる多いのではなかろうか。
 それでも、上の円グラフのようにクルマの私的使用による二酸化炭素の排出量はかなり多く表れる。
 しかし、多くのマイカー所有者はこの事実に気づいてはいないようだ。なぜなら、家計におけるガソリン購入費の割合が二酸化炭素排出量の割合よりは少ないからではないか。
 つまり、それだけ他の物価と比べればガソリンは安価であることを物語っている。
 たぶん、ガソリンの価格は猛暑や厳寒期の暖冷房や風呂の湯沸しにかかる家計費よりはかなり割安ではないかと思われる。だから、特に地方では「クルマ離れ」は顕著にならないのであろう。

電気ジャンボ機が飛翔する時代は来るか?

2010-01-18 21:25:10 | 地球温暖化
 地球温暖化防止ということで、電気自動車の開発が盛んである。
 ガソリン車などと比べて部品もずっと少なく、しかも構造も至ってシンプルなため電気自動車の組み立て生産は零細企業の工場(「こうじょう」ではなく「こうば」)でも可能なため、電気自動車の開発に参入する企業は一気に増えそうである。
 従来は走行距離に限度があり、長距離利用や高速走行には不向きだと考えられてきたが、最近の技術開発により、長距離利用や高速走行の双方とも可能に近づいているという。
 そればかりでなく、わずかな電力使用量で長距離を走れるようになったから、ガソリン車におけるガソリン代と比べても電気料金もはるかに低額で同じ距離の走行が可能なのだという。
 例えば300円の電気料金で300km走行できるのだとまで言う技術者も居る。
 こんなに日進月歩で電気自動車とリチウムなどによる電池の開発が目覚しくなっているのなら、そのうちジャンボジェット機に代わって、電気ジャンボ機が地球を一周する日もそう遠くないことになりそうである。
 でも、その電力源はどこから供給されるのだろうか。
 発電所からの電力はほとんどが電気飛行機と電気自動車で占められ、冬の電気コタツは家庭の主婦による手動式または自転車型発電機の稼動から供給されることになるかもしれない。

真っ先に自転車レーンの除雪を

2010-01-16 16:05:38 | クルマ社会の問題
 毎年恒例の「初市」(※注)に際して自転車レーンと自動車道を立体的に区画する縁石とポラードが取り外され、積雪期の真っ只中であるだけに除雪車の円滑な稼動のためにこれらの立体的区画物は春までに取り外されたままになるのかとも心配していたが、この初市が終了後は上の写真の通りポラード(棒杭)だけは再び取り付けられた。
 ※注:前回の記事か姉妹ブログ「山形の過去、現在、未来」の1月10日付けの記事を参照
 だが、自転車愛好者には喜ばれる自転車専用レーンではあるが、やはり冬季には難点があり、行政にも頭が痛い問題であることは確かである。
 それは当然、積雪や凍結の場合の問題である。
 除雪車は自動車道路では幅員が広いために稼動しやすいし、ここの歩道は中心商店街の沿道であるために地下水循環による融雪設備が張り巡らされているため、かなりの歩道上の積雪もすぐ融解するので歩行者は転倒の心配もなく歩くことができる。
 これに対して自転車レーンでの除雪はこの狭い幅員を稼動できる除雪車(または除雪機)の数が限られていることもあり、この写真でわかるように後回しされがちのようである。
 自動車、歩行者、自転車の3者の中で最も雪道や凍結道路が苦手なのが自転車である。
 クルマは減速さえすればわずかなスリップはあっても横転まですることは少ないし、歩行者も用心して歩けば転倒することはやはり少ない。
 しかし、雪道や凍結道路での自転車ほど転倒の危険性が高いものはない。
 だから、冬季はよほどこまめな除雪がなされないと、多くの自転車族は自転車レーンでの走行を避けがちで、融雪される歩道を走行し、歩行者を危険にさらすようになる。
 むろん、自転車専用レーンがある区間だけを除雪しても他の専用レーンのない地域を走る自転車は冬季は極少になるから、自転車専用レーンがある区間を走る自転車もかなり少なくなるであろう。
 それでも、行政が環境に優しい乗り物として積極的に市民に対し自転車利用を推奨するなら、やはり積雪がある場合は真っ先に自転車レーンから除雪を始めるべきであろう。
 併せて、自転車レーン設置の地域の急速な拡大策を図るべきであろう。
 中心商店街の周辺で新たに拡幅または新設された道路ではかなりゆったりした幅員の融雪歩道も敷設されている場合が多いので、その一部を自転車レーンに変更したとしても、そのために自動車の部分が削減されることもないのでクルマ利用者からの苦情もほとんど考えられない。

自転車レーンの立体区画が消えた!

2010-01-10 23:49:01 | クルマ社会の問題

 今朝早い時間に外出し中心街にさしかかったら、あの国土交通省などによる「社会実験」の最中にあるはずの自転車専用レーンを立体的に区画する縁石と棒杭(ポラードというのだろうか)が消えて無くなっていた。(下の方の写真)
 次に青いペンキと白線も消えて無くなるのだろうか。
 でも、この街路の両脇にはすごく多くの荷物が雑然と並べられ、なんか慌ただしい雰囲気に包まれていた。
 やがて、露店のテント設営などの作業が始まった。

 さて、いったいどうして縁石と棒杭が取り外され、その後も取り外されたままの状態になるのだろうか。

 なお、この記事と同じ日付の姉妹ブログ「山形の過去、現在、未来」の記事と写真をご覧いただくと縁石と棒杭が取り外されたわけがわかっていただけよう。
http://blog.goo.ne.jp/rekishi-huukei/d/20100110 ← クリック

初詣で地球温暖化促進!

2010-01-06 22:32:22 | 地球温暖化

 さてさて並んだ軍国主義者のお歴々。
 えっ、どうしてこれらの善男善女の群れが軍国主義者の群れなの~?
 なぜなら、彼らが向かっている対象は中国や南北朝鮮は言うに及ばず、現在の連立政権の一翼を担っている某政党や某野党及びそれらの内外の政治勢力に同調的な国内勢力が一番危険視してやまない神社である東京九段の靖国神社の“支店”とも申すべき山形県護国神社の社殿だからである。
 長く続いたかつての自民党政権下においても歴代総理が靖国神社に参拝する度に中国政府や日本の(今はこの表現は希少になってはいるが)“進歩勢力”は「それ、軍国主義を賛美する行為だ」とばかりに非難の大合唱が湧き上がらせていたほどであるから、この写真の行列をなしている群集も軍国主義を賛美していることになりそうである。
 でも、中国政府よ、心配するには及ばない。
 彼らのほとんどはこの神社の祭神が何であるか意識していない。[※山形県を本籍地とする将兵や軍属などの戦没者の諸霊が祭神とされている。]
 それではどうして彼らはこんなに長蛇の列をなしてまでこの神社に押し寄せるのだろうか。たいていの地域には徒歩で30分以内で参拝できる神社があるはずなのに、有名寺社でないと“ご利益”にあずかれないと考えているふしもある。むろん日本がひたすら軍国化して近隣諸国と戦争すべきだと祈るために列をなしている者などたぶん一人もいないはずである。
 理由はごくごく単純。・・・→ この神社ほど駐車環境に恵まれている神社は山形市には他に見当たらないからに過ぎない。
 自前の駐車スペースはそれほど広くはないが、すぐそばには広大な河川敷広場があり、また隣地にはかつての出羽国分寺薬師堂の境内であるやはり広大な緑地公園がある。これらの敷地を初詣の時に駐車場として使用させて貰える。
 心配すべきは“軍国主義復活”よりも二酸化炭素の大量排出による地球温暖化の促進なのである。
 COP15コペンハーゲン会議で日本代表が「マイカーを使わない初詣の国民への推奨」を世界に約束したかどうかは知らない。たぶんそんな約束はしていないであろう。
◆写真 [表画面]は山形県護国神社の社殿と参拝者の列(撮影は07年元日。今年は降雪で参拝者は幾分少ない。それでも12万人と県内一だから同様な光景)[裏画面]は隣地の薬師堂前樹林に駐車する初詣人の車
 

塗り壁タワーから謹賀新年?

2010-01-01 23:09:11 | クルマ社会の問題
 美観が完全欠如の建造物が相次ぐ中でも「駐車ビル」としてのタワー型駐車ビルほど美的センスが完全に排除されている都市建造物はないであろう。
 現在よりは市民生活がはるかに貧しかったはずの明治から昭和初期にかけての都市建造物の方が格段に瀟洒で風格が感じられ、美的センスが漲っていたように思える。
 こう考えると、現代と戦前とではどちらの方がより豊かなのかが判らなくなる。
 近年の都市景観、とりわけ街路景観の劣化は目を覆うほどであるが、その主たる要因はクルマ社会の進展であり、クルマを少しでも速く走らせ、一台でも多く駐車させるためには街路景観などはすこぶるなおざりにされてきたきらいがある。
 この写真の駐車タワーは山形の鹿鳴館ともいうべき典雅な文翔館(大正初期建築の傑作)のすぐ近くに立てられたものだが、概観はまことに好対照で、まさに美的センスは微塵も感じられない、とにかくクルマを一台でも多く収容できればよしとするような建造物である。窓も装飾も余分な凹凸も皆無なため、水木しげる氏の妖怪漫画に登場する「塗り壁」そっくりの外観である。
 せっかくの巨大な平面が勿体ないので、所有者に無断で新年にちなみ「謹賀新年」を書き入れてみた次第である。
 ◆写真[左]は12月30日の温暖で晴天の中に映える「塗り壁」タワー [右]は一転降雪の元日の塗り壁 何かNYの崩壊したWTCツィンタワーと似てはいないか。
こんなものばかりが多くなるとテロリストが攻撃するまでもなく日本の都市はまず景観から崩壊し、そして都市機能まで崩壊して行くのではないか。