島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

これは何のいつのもの?

2009-12-30 22:11:24 | 地球温暖化
 これは時事問題関係記事が多い某外資系週刊誌の表紙の文字列である。
「地球温暖化」の大きな表題の下には「アメリカとアジアが責任をなすりあう」とあるが、ああ!これは一見確か先日紛糾した気候変動枠組条約締結の国々が参集した国連のCOP15コペンハーゲン会議の様子を伝える内容のようにも思える。
 だが、やはり少し違うようにも感じる。
 というのも、今回のコペンハーゲン会議では「アメリカ対アジア」というよりは確か「先進国対途上国」という文字列が主流的であった記憶が鮮明である。
 さて「アメリカ対アジア」として捉えられたのは何処のいつ何時のことであったのか。ともかく一見さほど遠い過去のことではなさそうであるのだが・・・。
 むろん、何十年も以前のことではない。
 そもそも「地球温暖化」という用語を盛んに見聞きするようになったのはさほど以前のことではない。
 そろそろこの週刊誌が何時時点に刊行されたのかを答弁することにしたい。
 あまりよく整理されていない我が家の狭い書斎をあざいて(山形弁で「雑多な状態の品々の中から目当てのものを探し出すために掻き回すこと」)いたら、この週刊誌を見出したのであるが、日付を見たら<1997-12-10>であった。
 さらに表題の上には「京都会議」とあった。そう、有名な「京都議定書」が締結された時のことであるから、丁度まる12年になる。
 つまりこの12年間で対立の図式が「アメリカ対アジア」が「先進国対途上国」へと拡大しただけのことで、世界的対策はまるで進捗していないことになる。
 こうして責任をなすりつけあっている間にも地球温暖化は確実に進展し、恐るべきメルトダウンの時期も早まるのではないかと大いに懸念されてならない。


環境技術開発至上主義に異議あり

2009-12-21 18:04:31 | 地球温暖化
 温室効果ガス排出抑制のためのCOP15コペンハーゲン会議で先進諸国は“途上国勢”によりコペンコペンと叩かれ通しであったようだが、“途上国勢”は先進諸国に対して環境保全技術の提供と温室効果ガス排出量削減の「購入」を求めるのが腹蔵されているようにも感じられてならない。
 すなわち今後は環境保全技術をめぐり巨大マネーが全世界を飛び回ることになりそうである。やはり、ここでもカネ、カネが幅をきかせるのかと思うと人類というものは何と罪深い存在かと情けなくなってしまう。
 いかに優れた環境保全技術が開発されたとしても、大量生産、大量輸送、大量消費、大量廃棄の社会構造が変わらない限り、温室効果ガスの排出量は結果的に大して変わりないものになるのではないか。
 例えば、クルマからの排気ガスに含まれる二酸化窒素などは環境技術の発達によりクルマの一台あたりの排出は確かにかなり減少しているが、クルマの走行量の激増に伴い、排出量の総量はむしろ増大し、ましてや全世界的には激増している。
 このように、地球環境の悪化の根源は環境技術の未開発にあったというよりは、むしろ上記の大量生産、大量輸送、大量消費、大量廃棄の構造が全世界に蔓延しつつあることにあるのではないか。
 むろん環境技術の更なる開発がまったく無意味というわけではない。
 しかし、環境技術開発だけが地球を救うとは考えられない。

これでは中国も途上国も納得するわけがない

2009-12-17 22:57:25 | 地球温暖化
 写真は11月5日から「社会実験」として開通した山形市中心街の自転車レーンと車道の模様であるが、ご覧のとおり自転車レーンには自転車の姿はごく僅かで、車道には途切れのない車列が数珠つなぎの状態である。
 地球温暖化対策のためのCOP15コペンハーゲン会議は先進諸国と途上国(二酸化炭素の最大の排出国の中国も途上国の一員を自称している)とのせめぎ合いのため膠着状態にあるが、途上国側は先進諸国の温室効果ガスの削減目標をアタマから信用していないようだ。
 とりわけ日本の25%削減の“公約”については途上国側だけでなく、この小生も信頼に値するものではないと確信している。
 その何よりの根拠がこの写真である。
 地球温暖化対策のための京都会議以降10年以上も「地球環境の危機」が叫ばれ、現実に異常気象の頻発などになって目の前に現れていながら、多くの日本人は「地球温暖化なんぞどこ吹く風」とばかりにクルマを不要不急でも乗り回している姿がまさにこの写真に表れているのである。
 民主党政権はようやっとガソリン税などの暫定税率の撤廃は無理と判断したようだが、その理由も地球温暖化対策のためではなく、税収の確保というお粗末な理由によるものである。しかもCOP15コペンハーゲン会議のさ中だというのにである。
 写真の自転車レーンの設置の動機も似たようなもので、自転車利用推進こそが地球温暖化抑制策の象徴として自転車レーンが設置されたわけではなく、歩道を走る自転車を危険視する「自転車悪玉論」が主たる動機のようだからである。
 これでは自転車レーンを走る自転車の姿が増えるわけがない。
高校生以外の一般成人の間でも自転車の利用が激増し、クルマの姿が大幅に減った様子を世界に示さない限り途上国は納得しないであろう。レジ袋を減らしたくらいでは途上国には「先進国の二酸化炭素削減努力」が見えないのである。

 ◆過去の記事をも併せて閲覧くだされたし!

冬眠して中国に「友愛」を示そう

2009-12-11 20:30:32 | 地球温暖化
 地球温暖化対策のためのCOP15コペンハーゲン会議はまるで途上国の二酸化炭素排出量増加の是認を求めるための国際会議と化しているようだ。
 一部の海洋小国を除いてほとんどの途上国は二酸化炭素の排出削減の義務化に同意しないばかりでなく、逆に国民を豊かにするために経済躍進は必要なため二酸化炭素排出量増加は不可避であり、先進諸国こそ更なる大幅な削減が必要だと主張している。
 むろん、中国がその主張の急先鋒で、途上国代表を自負する以上に大国意識丸出しの態度そのものであり、怖さすら感じる。
 もし、民主党政権の高速道路無料化政策のことを中国代表団の認識の中に入ったら、それこそ「日本の二酸化炭素25%削減目標はいいかげん」と格好の攻撃材料にされてもおかしくない。
 このままでは日本国民も欧米先進諸国民も冬眠の約束でもしない限り中国を納得させることは不可能みたいなものである。でも、いかに寒い冬でも人間の肉体は寝てばかりいたら健康をそこなう。
 その代わりクルマ、とりわけ不要不急のマイカーくらいは冬眠させることはできそうである。ましてや高速道路なんぞ冬季も無料で走らせる必要はない。
 無料はむろん、千円乗り放題も撤廃するばかりではなく、道路整備の目的税である暫定税率を脱マイカーのための公共交通整備への目的転換を図るべきである。
 むろん高速道路無料化撤回だけで二酸化炭素を25%削減させることはできないが、そのくらいの「努力」を世界に示さない限り中国や途上国をわずかなりとも納得させることは到底不可能であろう。
 

暫定税率撤廃で二酸化炭素25%削減!?

2009-12-08 07:55:49 | 地球温暖化
 普天間基地問題をめぐりいよいよ社民党党首が「重大決意」を表明した。
 鳩山首相が辺野古移転の日米合意を容認したら連立離脱もありえるとのことである。
 社民党は旧日本社会党の後身であり、実質的には党名を変えたに過ぎない、歴然たるシャカイ主義政党である。旧社会党が米軍基地に強く反対するのは、はいかなる米軍基地も社会主義諸国に敵対するからというのがホンネであり、沖縄県民にとって重大な迷惑施設だから反対というのは表向きであった。
 ただし旧社会党は共産党独裁国家を「社会主義国家」と誤認していた。(むしろ北欧諸国の方が社会主義の理想にかなっている。)いずれにせよ旧社会党の後身である社民党が強硬に沖縄県内での基地移転に反対するのは当然であろう。
 でも、民主党も別の意味でのシャカイ主義政党である。
 ただし、漢字を当てはめれば「車会主義」政党となる。
 つまり「クルマ社会を支える」政党である。
 それを如実に表しているのが衆議院選挙前に掲げたマニフェストの中で公約とした「高速道路の原則無料化」と「暫定税率の撤廃」である。
 マイカー族に奉仕する政策を公約の目玉にしながら、一方で1990年比で2020年までに二酸化炭素を25%削減することを世界に示したが、そんな奇術のようなことが可能なのだろうか。
 それをいわゆるエコカーの普及や環境技術の推進により達成したいらしいが、甘い甘い。電気自動車とてここしばらくは火力発電からの電力供給により走行することになるのだから、火力発電所から排出される二酸化炭素の量は格段に増加することは間違いないし、脱火力にしても、日本の国土は太陽光パネルや風力発電機で覆いつくされることになろう。
 そんな「反牧歌的」な景観は望みたくもない。
 民主党が夢見る近未来の日本の景観は太陽光パネルだらけの間を縫うように走る複数車線の高速道路を埋め尽くす電気自動車の車列の姿なのかもしれない。
ああ、こんなにマイカー族に甘ちゃんで地球温暖化抑制を探るCOPコペンハーゲン会議に臨んでも途上国を説得できるわけがない。

 ◆ イラストと写真の組合せは「鳩」と「山」のつもり お粗末様!

幹部公務員、不倫運転で懲戒免職!

2009-12-04 15:27:15 | クルマ社会の問題
 タイトルと写真はほとんど関係ないようにも思われるが、「不倫」という文字だけは共通する感じもするであろう。
 超有名な世界ゴルフ界のスーパースター、タイガー・ウッズ選手の自動車事故は軽微な負傷で済んで、低額な罰金だけで落着したかと思いきや、これを機に次から次へと出るわ、出るわ、第三の女どころか第四の女とかの話まで出て、世界中のマスコミ人とテレビ視聴者たちが楽しんでいるような状態までに発展している。
 つまり、「犯罪の陰に女あり」に似ているが、「彼の事故の影に女あり」ということのようである。
 現在、日本では飲酒運転に対する罰則と社会的制裁がきわめて厳しくなつている。それはそれで当然のことであるが、あまりにも片手落ちの色彩が濃厚である。
 なぜなら、飲酒運転だけが交通事故を招くわけではなく、もともと交通事故の大半は飲酒運転が原因によるものでないことは言うまでもなく、割合は以前よりさほど高くはなかった。つまり、飲酒以外の要因による事故の方がもともと圧倒的に多く、飲酒運転撲滅運動だけが活発することにより、それらの事故要因に対する対策がなおざりにされる傾向が高まっているからである。
 タイトルの内容は映画のタイトルのようにあくまで架空のものであるが、実際にかなり頻繁に新聞記事の見出しに現れる「飲酒運転により幹部公務員が懲戒免職」に倣ったものである。
 ウッズ選手の事故要因が本当に彼の不倫をめぐる夫婦間の騒動による精神的パニックだとすれば、「不倫運転」も飲酒運転と同じように事故の要因となりがちである。
 むろん、幹部公務員が「不倫」そのもので懲戒免職になることはないであろう。しかし、不倫発覚によるパニックや発覚を怖れての不注意運転は事故を招く危険性が充分であり、そのような場合は極力クルマの運転は避けるべきであろう。
 似たようなものとして「失恋運転」も重大な不注意運転を招くし、マジメ過ぎて仕事のことで頭がいっぱいのままの運転も絶対に勧められるものではない。
 不注意運転に直結することをすべて刑事罰や社会的制裁を与えることになるとしたら、飲酒運転の場合と同じように「仕事を考え過ぎ」運転も懲戒免職を招くことになろう。