島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

不可能を不可能と言えない「除染」事業(5)

2013-03-22 16:45:58 | 原子力発電所
 放射能とスギ花粉とでは性格が大きく違うことは承知で筆を執りたい。 
 それでも福島原発由来の高濃度の放射能汚染地域に入っても即座に大きな健康被害が確認された人が一人も出ていない(※注)のに対し、スギ花粉症のため直ちに体調を崩す人が多いという違いがありながら、なぜか放射能の方がはるかに害毒性が強いものとして怖れられている。
 それでもスギ花粉の飛散はかなり広範囲に及ぶ。だから国民の多くから健康の保持のためにスギ花粉の「除染」を強く要望されたら行政はてんてこまいになるであろうし、手抜き除染で金稼ぎに勤しむ委託業者も横行するであろう。
 昔はスギ花粉症などなかったようだが、現代で多くなった責任はスギの植林を盛んにした旧農林省と山林地主が負うことになるのであろうか。丁度放射能拡散による被害の責任を経済産業省と東京電力に向けられるのと同じような構図ができあがる。
 ※注:反原発陣営からすら放射能が直接的原因での死者が出たとの話はまだ出ていないようである。

不可能を不可能と言えない「除染」事業(4)

2013-03-13 09:32:59 | 原子力発電所
今では道路わきの雪の堆積もほとんど消失したが、つい数日前まではいたるところに写真のようなどす黒い醜悪な堆積となっていた。
 それにしても、ある純白の雪の堆積が写真の如きになるのは、道路粉塵と大気中の微粒の汚染物質(PM2.5など)が路面の雪とともに掻き集められたのが、融雪とともに汚泥となったからであろう。
 つまり、普段からアスファルトの路面も道路沿線の大気も有害汚染物質で汚されているのである。むろん有害物質だから人間の健康には決して無害ではない。だが、誰も放射能のように「除染」を要望はしないし、もし行政による除染作業は天文学的財政支出を余儀なくされる。
 同様に放射能の除染も放射線量が健康に無害なレベルにまで行うにはやはり天文学的財政支出を余儀なくされる。
 それゆえ「終わりの見えない」除染に天文学的財政支出を際限なく続けることは妥当か、それともその金額で避難者の生活保障などをしっかりやる道もあるのではないか。