島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

◆犯罪の街から幸せの街へと変身しつつあるボゴタ ③◆

2013-11-20 19:28:53 | クルマ社会の問題
  ②からの続き

 だが、しばし私は質問を忘れてしまった。私はハンドルを手放すと冷風の中で両手を上げた。私は自分の幼年時代の故郷の道路、放課後の放浪、だらだら乗りや純粋な自由を思い出した。私は元気を感じた。都市は私のものだった。旅が始まった。

 幸福を作ったり壊すのに足るだけ、都市設計は本当に力を入れられているだろうか? 問題は考慮に値する。―幸福都市メッセージが世界中に根づいているから。
「20世紀の最もダイナミックな経済はすべての中で最も悲惨な都市を生み出した。」ペニャロサは、交通の轟音に負けずに言った。「私は、米国アトランタ、フェニックス、マイアミなんかの全く車が支配している都市について話している。」

 全くの富によって判断するのであれば、過去半世紀は、米国をはじめカナダ、日本、英国などの豊かな国の人々にとっては有頂天に幸福な時間だったはずだ。そしてまだ20世紀後半の繁栄の数十年は、幸福の繁栄を伴っていなかった。英国は、1993年から2012年の間に40%以上より豊かになったが、精神疾患や神経症の割合が増加した。

 2008年のcrashの直前に、ステファノ•バルトリーニ率いるイタリアの経済学者のチームは、米国における収入増加と幸福低迷の間の一見不可解なギャップを説明しようとした。イタリア人は彼らのモデルから経済的•社会的データの様々な成分を除去してみて、
そして見出した。すべての富に直面する人々の自己申告による幸福を抑制する唯一の要因は、国の傾ける社会資本すなわち私たちを他のものと関係づけ続ける社会ネットワークと相互作用であることを。それは、貧富間の所得格差よりもさらに腐食性が高いことを。

 私たちが他の人々について不平を言うのと同じくらい、社会砂漠ほどメンタル・ヘルスにより悪いものは何もない。私たちを家族とコミュニティーへさらに接続することは、心臓発作、脳卒中、がん、うつ病の経験の可能性を低くする。接続されている人々は、夜よく眠れる。彼らは長生きする。彼らは一貫してより幸せであることを報告する。

 社会的赤字と都市の形の間に明確な関連がある。スウェーデンの研究では、 45分以上の通勤に耐える人々は離婚確率が40%超であることが分かった。住宅が店、サービスおよび働く場所と混じり合った歩きやすい近隣に住んでいる人々にくらべ、単機能で、都心の外側の自動車依存地域で暮す人々は他の人々への信用がはるかに少なくなっている。

 チューリッヒ経済大学のカップル(ブルーノ•フライとアロイスシュトゥッツァー)は、ドイツの通勤者の仕事に行くために彼らがかかった時間の評価と、標準的な幸福の質問に対する彼らの答えを比較した。「全体的に見て、あなたはあなたの人生にどれくらい満足しているか?」

 彼らの発見は、一見単純だった。長くドライブするほど、小さい幸せの人であった。無感覚に明白であるとこれを片付ける前に、彼らがテストされたのはドライブ満足感についてではなく、生活満足度についてであったことを心にとめてもらいたい。人々は彼らの全ての生活を悪化させた通勤を選択した。シュトゥッツァーとフレイは、通勤に1時間かかる人がオフィスへ歩いて行く人と同じくらい生命に満たされるためには、40%より多くのお金を稼がねばならないことを見出した。他方、独りの人にとって、長い通勤を短い徒歩に交換すると、新しい恋を見つけるのと同じ幸福の効果がある。
 
 ダニエル・ギルバート(ハーバード大学の心理学者で「幸福の躓き」著者)は、通勤パラドックスをこのように説明した:たいていの良いものと悪いものは、私たちがそれらに適合するだけの時間が経過すると、あまり良くないものと悪いものになる。しかし、一定のままでいるものに適応することは、変わるものに適応するより非常に簡単だ。したがって私たちは、より大きな家の喜びにすぐに適応する。―家はいつも正確に同じサイズであるから。しかし私たちは、自動車で通勤することに適合することは困難であると分かる。―毎日がわずかに新しい形の悲惨であるから。

 嘆かわしいことは、私たちがいい生活(お金、機会、目新しさ、にぎわい、高価)であるのためにハイステータス都市へ群がれば群がるほど、それらの場所を汚染し混雑させたことである。その結果は? ロンドン市民が、英国で最も豊かな地域である都市にもかかわらず、英国で最も幸せ少ない人々に含まれることを、調査は示している。

⇒続く [※ 写真はボゴタ関連HPより]

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