島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

これで舗装道路の「汚れ」がわかる

2012-02-24 23:24:17 | クルマ社会の問題
 現今の東日本はセシウムなど放射性物質さえなければ「安全安心」でいられるらしい。
 特にアスファルトで舗装された道路ならば平板だから、路面に沈着したセシウムも風に吹き飛ばされたり雨水で流されたりするから、路面の放射線量は低いのが一般的なようだ。
 それに対して側溝などに溜まった泥などにはセシウムも溜まりやすいから、当然アスファルト路面よりはだいぶ放射線量は高くなる。
 でも、それでもって舗装路面が安全安心であると言うには早過ぎる。
 見出しの写真を見ていただきたい。
 車道の除雪作業により路肩に積み上げられた雪の車道に面した部分がすっかり黒ずんでいるが、この道路はむろん土がむきだしの未舗装道路ではないし、近くにも未舗装道路があるわけではないから、タイヤに付着した未舗装道路の土や泥とは思われない。
 それでも車道に面した部分は泥をぶっかけたように汚れきっている。
 思うに、舗装の路面はアスファルトとクルマのタイヤの摩擦で生じた粉塵と排気ガスに含まれる様々な汚染物質などの沈着により平常覆われているのである。
 それらを日常、特に歩行者や自転車の利用者が吸い込んでいる。
 それでも直ちに病院や医院に駆け込む人は少ない。
 しかし、10年や20年、或いは30年の後には顕著な健康被害となって現れる可能性が高い。
 これらの年数のことはよく聞くが、まさしく放射能による被害と同じではないか。
 道路粉塵や排気ガス起因の汚染物質もふだんは「目に見えない、臭わない」し、体内に取り込んだとしても「直ちに健康に影響はない」のである。
 でも、この雪に付着した黒ずんだ汚れの部分をアイスクリームのように食べたいと思う人は存在しないはずである。

セシウムがひいた鉄のカーテン

2012-02-18 22:07:18 | 原子力発電所
 第二次大戦後のソビエト連邦と中華人民共和国という二大大国による共産圏の伸長により共産圏と非共産圏との間には「鉄のカーテン」がひかれてしまったと語ったのは当時のイギリス首相のチャーチルであるが、現在の日本でも福島原発由来の放射能をめぐる見解を述べる者の間にも同様な「鉄のカーテン」がひかれていると言える。
 一方では、どんな微量な放射能でも人体には有害であるとする見解があり、また一方では、微量な放射能ならばむしろ健康にプラスであるとする見解がある。
 この二つの見解を述べ合う者の間には互いに口もきかぬ、顔をもそむけ合うような間柄のようであり、陰では相手方を「御用学者」と呼ぶのはまだよい方で、「悪魔の化身」や「悪魔の傀儡」呼ばわりまでしているような状態である。
 こんな中でどちらの見解がより真実に近いのかわからず、もがき苦しんでいるのが福島県民を中心とした住民や観光業界などをも含む生産者たちではないか。
 もっと双方の識者たちは冷静な議論の交流を深めるべきではないか。

「二つの神話」の間で苦しむ福島県民

2012-02-15 06:09:03 | 原子力発電所
   http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11164809097.html

 いきなり某ホームページ(脱原発関係)のURLを冒頭に貼り付けるという今までにない出だしになったが、とにかくクリックのうえ読んでみていただきたい。
 これには原発事故の放射能を怖れて福島県郡山から大阪へ子どもを連れて避難した女性の手記(岩手の瓦礫処理すら受け入れるべきではないとするアピール文)であるが、「低放射線量」ならばむしろ健康にプラスになると主張する学派から見れば「笑うに笑えないヒステリー」ということになろう。
 現在、日本では二つの正反対の「神話」が存在すると言える。
 つまり、「原発安全神話」「放射能絶対悪神話」である。
 たぶん後者の「放射能絶対悪神話」に異議を唱える人、つまり前述の低放射線量ならばむしろ健康にプラスになると主張する学派を支持する人々の大半が「原発再稼働」「原発増設」を主張する人々なのかもしれない。
 でも、「放射能絶対悪神話」に異議を唱える人にも「脱原発」(山形県知事と滋賀県知事は「卒原発」を主唱している)を主張している人たちは少なからず存在(ブログ主である私も)しているようである。
 低放射線量ならばならばむしろ健康にプラスになるとする説によれば郡山での放射線量ならば問題なしであり、やはり健康にプラスということになるが、上のURLでの手記の女性にとってはそれこそとても信じ難い話であろう。
 この「低放射線量ならばならばむしろ健康にプラスになるとする説」は「ホルミシス効果」(例えば「広島の高齢婦人の平均寿命は全国トップクラス」「放射性物質ラジウムが含有されている玉川温泉や三朝温泉などは治癒効果が高いとして超人気」)と別に呼ばれているが、それによれば、郡山市はむろん飯館村や南相馬市などもむしろ健康にプラスということになる。
 すなわち政府による「避難指示」は「放射能絶対悪神話」を根拠としたためであり、避難指示がない郡山市や福島市などからまで多数の避難者が出ているのも放射能絶対悪神話が深く信じられているからであろう。
 つまり、「ホルミシス効果説」によれば「放射能絶対悪」説は「神話」でしかなく、福島からの避難者は二つの「神話」の狭間で苦しんでいる犠牲者であり、政府による広範囲の避難指示はとんでもない大失政ということになる。
 なお、「ホルミシス効果」については、これをキーワードとして検索することを勧めたい。
 ただし、あまりにもこの説を強調すると「御用学者」とか「御用◎◎」と呼ばれかねない。

雪国の道路の使い方

2012-02-06 21:52:44 | クルマ社会の問題
 
 またまた新潟県十日町の戦前の豪雪の模様の写真。
 これを見れば、道路にはうず高く雪が積み重ねられている。
 この時代までは道路はいわば「雪捨て場」としての役割を担っていたようである。
 むろん、人間が歩いたり、橇(そり)がすべれる程度の幅だけは確保されていた。

 次に、下の写真は山形市の中心市街地のこれまた戦前の雪模様。
 でもさすがに道路の大部分が雪捨て場にされているようには見えない。

 むろん、山形市と新潟県十日町の積雪量は比べものにならないということもある。
 それにしてもこの道路は現在に変わらぬ「大渋滞」。
 でも、渋滞は渋滞でも乗り物は超小型。
 しかも路面に雪がなければ動けない乗り物だ。
 それも5センチや10センチ程度の雪の路面ではすべり心地がすこぶる良くない。
 だから路面の雪の厚さが薄くなれば、脇に積まれた雪を運んで路面を修復する。
 いわばスキー競技会でゲレンデが雪不足の場合に雪を運んだり人工雪でコースを整備するのと同じである。だから現代のようにアスファルトの路面が見えるまでに除雪するようなことはありえない。

 現代の自治体が除雪費で苦しむのは、あまりにもクルマを優遇しようとするからである。

●姉妹ブログ「山形の過去、現在、未来」(←クリック)をご覧ください。
   同じく新潟十日町の戦前の雪模様の絵葉書を5枚見られます。