島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

不可能を不可能と言えない「除染」事業(1)

2013-01-14 20:16:37 | 原子力発電所
 福島原発事故に伴う放射線物質の「除染」作業が「手抜きだらけ」だとしてマスコミの球団が激しく、政府も対応を迫られている。
 だが、放射線量がどの程度までに下がれば除染作業に「合格点」を付けられるのか、また、折角低下した放射線量が高地からの流水などで再び上昇する可能性があるのに安易に合格点を付与する非合理さ、更に除染に伴い生じた膨大な量の汚染水を効果的に密閉容器に保管することは物理的・財政的・人員的にどれだけ可能かなどの問題点をないがしろにしたままの除染にどれだけ実効性が期待できるものなのか。
むろん、多くの被災者たちは除染を強く望むものの、その「願望」と実効性との間にはあまりにも大きな隔たりがある。
 率直に申せば、とうてい100%の除染は不可能(福島県の東半分の大腸菌をすべて殺菌するに等しい)だし、たとえ放射線量を半分にすることすら膨大な資金を投じる必要があり、ただでさえ窮迫した国家と自治体の財政、経営力が大幅に低下した東京電力の財力をも大きく疲弊させてしまう。その半分程度の除染の達成でさえも住民の生活上の安全安心にはほど遠いというなら、やはり天文学的な資金投入による除染事業も無駄で無意味ということになりかねない。 続く