島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

自転車レーンはなぜ必要か(3)

2010-09-20 23:09:09 | クルマ社会の問題
道路交通法では自転車は「車両」だから「車道」を走行すべきものと記されている。
 だから、自転車は「歩道」を走行することはできないわけである。
 しかも最近では警察庁が自転車は歩道でなく車道を走行するよう念を押している。
 だが、警察庁も自転車が車道を走行することが危険度が高いことは充分にわかっている。
 だからといって、警察自身が法規を度外視して自転車が歩道を走ることを勧めるわけにはいかない。しかも歩道で自転車が歩行者に危害を加える事故が激増している。
 ましてや歩行者数が他の地域の道路と比べて圧倒的に多い繁華街の歩道での自転車走行は絶対的に許されるべきことではない。だからといって、いかに車道での自転車走行は合法的とは言いながら現実的には危険度がきわめて高い。
 しかも山形市の中心商店街の「ほっとなる通り」ではクルマの通行量も多いから、それに比例して自転車事故の危険性も高い。
 こうして帰結的に要請されたのは「自転車レーン」の設置である。しかもボラード(棒杭)や縁石などで車道と立体的に区画されたレーンである。
 前回も述べたが、この「ほっとなる通り」では以前から自転車レーンは存在していた。だが、車道との立体的区画がないために自転車レーンに駐停車するクルマが後を絶たず、ほぼ「死せる自転車レーン」でしかなかった。
 現在の自転車レーンの「廃止」を主張する団体は県議会と市議会にも請願するようであるが、もし実際に廃止なった場合、歩道を走る自転車が再び多くなることは目に見えているから、これでは「道路交通法違反を推奨」する運動みたいになってしまう。  [続く]

 ※写真は自転車王国デンマークの模様。日本ではこのような子どもたちを安全に乗せられる自転車はほとんど見かけられない。自転車専用道路が縦横に整備されているデンマークならのことである。


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