天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

ともになら、できる ~プラハ演説より

2009年04月05日 | オバマ
 私たちが今日ここにいるのは「世界は変わらない」という声を無視した人がたくさんいたためです。私たちが今日ここにいるのは、壁のどちら側にいようと、どのような外見であろうとも、すべての人々にとって自由は権利である、とリスクを取り立ち上がって言及した人々がいたからです。私たちが今日ここにいるのは、プラハの春、つまり純粋で理にかなった自由と機会の追求が、(こうした)人々の意志を倒すために戦車と兵器の力に頼る者を辱めたからです。私たちが今日ここにいるのは20年前、この都市の人々が、新しい日の約束と、あまりにも長い間否定されてきた基本的な人権を主張するために街に繰り出したからです。
 Sametova Revoluce(チェコ語でビロード革命)(拍手)、ビロード革命は私たちに多くのことを教えてくれました。平和的な抗議は帝国の基礎を揺るがすことができ、イデオロギーの空虚さをさらすことができると教えてくれました。小国でも世界情勢で極めて重要な役割を果たすことができ、若い者でも古い紛争を乗り越えるに当たって先導的な役割を果たせることを教えてくれました。(拍手)そして道徳的なリーダーシップはどんな兵器よりも強力であることを証明しました。だから私は平和で団結し、自由な欧州の真ん中で話しているのです。それは普通の人々が、リーダー達が信じなかったにも関わらず、分裂は橋渡しされ得ると信じていたからです。壁は倒せると、平和が打ち勝つと信じていました。私たちが今日ここにいるのは、米国人とチェコ人が、今日のような日が来ることは可能であると、(当時は)予想しがたかったことを信じたからです。(拍手)
 今、私たちはこの共通の歴史を共有しています。しかしこの世代、私たちの世代は立ち止まることはできません。私たちも、選択しなければいけません。世界の分断は薄れ、より結合されるようになってきました。世界的な経済危機、気候変動、古い紛争のいつまでも続く危険性、破滅的な兵器の広がりと新たな脅威、といった出来事が私たちの管理能力を超えるスピードで動くのを目の当たりにしました。これらの問題はいずれもすぐに、簡単に解決されることはありません。しかしこのすべての問題は、お互いに耳を貸して協力すること、時折の違いではなく共通の利益に照準を合わせること、私たちを分裂させ得るどんな力よりも強い共通の価値観を再確認すること、を要求しています。これが、私たちが続けていかなくてはいけない仕事です。

 今日、焦点をあてる問題は私たちの国の安全保障と世界の平和にとって基本的なものです。21世紀の核兵器の未来についてです。このような兵器の拡散は止められない、監視できない、より多くの国家や人々が究極の破壊兵器を持つ世界に住むことを運命付けられていると主張する人もいます。そのような運命論は極めて有害な敵です。なぜなら核兵器の拡散が避けられないと信じるなら、それはある意味核兵器の使用が避けられないと認めているようなものだからです。
 米国は、核兵器国として、そして核兵器を使ったことがある唯一の核兵器国として、行動する道義的責任があります。米国だけではうまくいきませんが、米国は指導的役割を果たすことができます。今日、私は核兵器のない世界の平和と安全保障を追求するという米国の約束を、明確に、かつ確信をもって表明します。(Applause)この目標は、すぐに到達できるものではありません。おそらく私が生きている間にはできないでしょう。忍耐と粘り強さが必要です。しかし私たちは今、世界は変わることができないと私たちに語りかける声を無視しなければなりません。「私たちはできる」と断言します。(Applause)

 今朝私たちは、核の脅威に対応するため、より厳しい新たな手法が必要なことを改めて思い起こしました。北朝鮮が長距離ミサイルに利用できるロケットの実験を行い、再び規則を破りました。この挑発は、午後の国連安全保障理事会の場のみならず、核拡散を防ぐという私たちの決意の中でも、行動が必要であることを際立たせました。
 規則は拘束力のあるものでなければなりません。違反は罰せられなければなりません。言葉は何かを意味しなければなりません。世界はこれらの兵器の拡散を防ぐために共に立ち上がらなければなりません。今こそ厳しい国際対応をとる時です。(applause)北朝鮮は脅しや違法な兵器によっては、安全と敬意への道は決して開かれないことを理解しなければなりません。すべての国々は共に、より強力で世界的な体制を築かなければなりません。だから私たちは肩を組んで、北朝鮮に進む道を変えさせるために圧力を加えなければいけないのです。

 こんなに広範囲な課題を実現できるのか疑問に思う人もいるでしょう。各国に違いがあることが避けられない中で、真に国際的な協力が可能か疑う人もいるでしょう。核兵器のない世界という話を聴いて、そんな実現できそうもない目標を設けることの意味を疑う人もいるでしょう。しかし誤ってはなりません。私たちは、そうした道がどこへ至るかを知っています。国々や人びとがそれぞれの違いによって定義されることを認めてしまうと、お互いの溝は広がっていきます。私たちが平和を追求しなければ、平和には永遠に手が届きません。協調への呼びかけを否定し、あきらめることは簡単で、そして臆病なことです。そうやって戦争が始まります。そうやって人類の進歩が終わります。
 私たちの世界には、立ち向かわなければならない暴力と不正義があります。それに対し、私たちは分裂によってではなく、自由な国々、自由な人々として共に立ち向かわなければなりません。(Applause)私は、武器に訴えようとする呼びかけが、それを置くよう呼びかけるよりも、人びとの気持ちを沸き立たせることができると知っています。しかしだからこそ、平和と進歩に向けた声は、共に上げられなければなりません。(Applause)
 人類の運命は私たち自身が作ります。ここプラハで、よりよい未来を求めることで、私たちの過去を称賛しましょう。私たちの分断に橋をかけ、私たちの希望に基づいて建設し、世界を、私たちが見いだした時よりも繁栄して平和なものにして去る責任を引き受けましょう。(Applause)共にならば、私たちにはできるはずです。

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