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わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

私たちはできる ~勝利演説まとめ

2008年11月04日 | オバマ

 米大統領選にオバマ氏が勝利しました。
 オバマ氏は、「今こそ、アメリカの夢を取り戻し、基本的な真理を再確認する時です。おおぜいの中にあって、私たちはひとつなのだと。息をしている限り、私たちは希望をもち続けるのだと。そして疑り深く悲観し否定する声、そんなことできないという人たちに対して、ひとつの人間の魂を端的に象徴するあの不朽の信条でもって、必ずやこう答えましょう。Yes, we can.!」と演説し、アメリカのみならず、世界中を感動の渦に巻き込みました。

 以下、勝利演説要所。

 アメリカは、あらゆることが可能な国です。それを未だに疑う人がいるなら、今夜がその人たちへの答えです。建国の父たちの夢がこの時代にまだ生き続けているかを疑い、この国の民主主義の力を未だに疑う人がいるなら、今晩こそがその人たちへの答えです。
 この国が見たこともないほどの大行列が今日、あちこちの学校や教会の周りに伸びていました。並んだ人たちは3時間も4時間も待っていました。人によっては生まれて初めての経験でした。今度こそは違うと信じたから、今度こそ自分たちの声が違う結果を作り出せると信じたから、だからみんな並んだのです。そしてそうやって並んだ人たちが今夜、疑り深い人たちに答えを示したのです。老いも若きも、金持ちも貧乏人も、そろって答えました。民主党員も共和党員も、黒人も白人も、ヒスパニックもアジア人もアメリカ先住民も、ゲイもストレートも、障害者も障害のない人たちも。アメリカ人はみんなして、答えを出しました。アメリカは今夜、世界中にメッセージを発したのです。私たちはただ単に個人がバラバラに集まっている国だったこともなければ、単なる赤い州と青い州の寄せ集めだったこともないと。私たちは今も、そしてこれから先もずっと、すべての州が一致団結したアメリカ合衆国なのです。
 それは、歴史の弓を握り続け、より良い日々への希望に向けてもう一度引き、自分たちの手で成就することについて、今まであまりにも長いこと、あまりにも多いため、可能性を疑うよう、シニカルに恐れを抱いて疑うよう、言われ続けてきたことへの答えです。ここまで来るのに、ずいぶん長くかかりました。しかし今日と言うこの日、この夜、この決定的な瞬間に私たちが成し遂げたことのおかげで、アメリカに変化がやってきたのです。これはみなさんの勝利です。それに、みなさんがこの選挙に参加したのは、ただ勝つためではないとわかっています。ただ私のために参加したわけでもないことも、わかっています。明日から私たちは、この時代最大の課題に、次々と取り組まなくてはなりません。今晩みんなでこうやって祝いながらも、私たちは承知しているからです。

 今夜ここにこうして立つ今も、私たちは知っています。イラクの砂漠でいま目覚めようとする勇敢なアメリカ人たちがいることを。アフガニスタンの山岳で目覚めるアメリカ人たちがいることを。彼らが、私たちのために命を危険にさらしていることを。子どもたちが眠ったあと、自分たちはまんじりともせず、どうやって住宅ローンを払ったらいいのか、病院の請求書をどう払ったらいいのか、子どもの大学進学費をどうやって貯めたらいいのか、眠れずに途方にくれている母親や父親があちこちにたくさんいることを。
 私たちの前には、長い道のりが待ち受けています。目の前の斜面は急です。目指すところに、1年ではたどりつかないかもしれません。大統領として1期を丸ごと使っても無理かもしれません。しかしアメリカよ、私たちは絶対に成し遂げます。今夜ほどその期待を強くしたことはありません。みなさんに約束します。私たちは、同じ人間として、必ず成し遂げます

 政府がすべての問題を解決できるわけではないと、私たちは承知しています。けれども私たちがどういう挑戦に直面しているのか、私はいつも必ず皆さんに正直であります。私は必ず、皆さんの声に耳を傾けます。意見が食い違うときは、特にじっくりと。そして何よりも私は皆さんに、この国の再建に参加するようお願いします。国を建て直すとき、アメリカでは過去221年間、いつも必ず同じようにやってきました。ささくれたタコだらけの手で、ブロックを一枚一枚積み上げ、レンガを一枚一枚積み上げてきたのです。
 21カ月前、真冬の最中に始まったものを、この秋の夜に終らせるわけにはいきません。私たちが求めていた変化は、ただこの勝利だけではありません。この勝利はただ、求めていた変化を実現させるための、その機会を得たに過ぎないのです。そして以前と同じようなやり方に戻ってしまったら、何も起こり得ません。みなさんなしでは、何も起こり得ません。社会に貢献するという新しい意欲、自分を捧げるという新しい意欲がなくては、何も起こり得ないのです。だからこそ私たちは今、新しい愛国心を呼び覚ましましょう。新しい責任感を呼び覚ましましょう。私たちひとりひとりがもっと参加して、もっと一生懸命努力して、自分たちだけの面倒を見るのではなく、お互いの面倒を見るように
 今回の金融危機から得たほかでもない教訓というのは、メーン・ストリートが苦しんでいるのにウォール・ストリートだけ栄えるなど、そんなことがあってはならないということ。それを忘れずにいましょう。この国の私たちは、ひとつの国として、同じ人間として、共に栄え、共に苦しむのです。この国の政治をあまりにも長いこと毒で満たしてきた、相変わらずの党派対立やくだらない争いや未熟さに再び落ちてしまわないよう、その誘惑と戦いましょう。

 この国から遠く離れたところで今夜を見つめているみなさん。外国の議会や宮殿で見ているみなさん、忘れ去られた世界の片隅でひとつのラジオの周りに身を寄せ合っているみなさん、私たちの物語はそれぞれ異なります。けれども私たちは皆、運命を共有しているのです。アメリカのリーダーシップはもうすぐ、新たな夜明けを迎えます。
 この世界を破壊しようとする者たちに告げる。私たちはお前たちを打ち破る。
 平和と安全を求める人たちにお伝えします。私たちはみなさんを支援します。
 そしてアメリカと言う希望の灯はかつてのように輝いているのかと、それを疑っていたすべての人たちに告げます。私たちは今夜この夜、再び証明しました。この国の力とは、もてる武器の威力からくるのでもなく、もてる富の巨大さからくるのでもありません。この国の力とは、民主主義、自由、機会、そして不屈の希望という私たちの理想がおのずと内包する、その揺るぎない力を源にしているのだと。
 それこそが、アメリカという国の素晴らしさです。アメリカは変わることができるという、まさにそれこそが。私たちのこの連邦は、完璧に近づくことができます。私たちがこれまで達成してきたことを見れば、これから先さらに何ができるか、何をしなくてはならないかについて、希望を抱くことができるのです。

 アメリカよ、私たちはこんなにも遠くまで歩んできました。こんなにもたくさんのことを見てきました。しかしまだまだ、やらなくてはならないことはたくさんあります。だから今夜この夜、自分自身に問いかけましょう。もし自分の子どもたちが次の世紀を目にするまで生きられたとしたら。もし私の娘たちが幸運にも、アン・ニクソン・クーパーさんと同じくらい長く生きられたとしたら。娘たちが見るどんな機会があるのでしょう?私たちはそれまでにどれだけ進歩できるのでしょうか?その問いかけに答える機会を今、私たちは手にしました。今この時こそが、私たちの瞬間です。今こそ、私たちは人々が職に戻り、子どもたちのために機会の扉を開く時です。今こそ、繁栄を取り戻し、平和を推進する時です。今この時にこそ、アメリカの夢を取り戻し、基本的な真理を再確認する時です。おおぜいの中にあって、私たちはひとつなのだと。息をしている限り、私たちは希望をもち続けるのだと。そして疑り深く悲観し否定する声に対しては、そんなことできないという人たちに対しては、ひとつの人間の魂を端的に象徴するあの不朽の信条でもって、必ずやこう答えましょう。Yes, we can.


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