天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

簡単な道ではなく、正しい道を ~カイロ演説より

2009年06月04日 | オバマ
 こうした活動はすべて協力して行われなければなりません。米国民は、人々を支援してより良い生活を送ることができるようにするために、世界中のイスラム社会の市民と政府、地域組織、宗教指導者、そして企業と協力する準備ができています。
 今私が挙げたさまざまな課題に取り組むことは簡単ではありません。しかし私たちには、私たちの求める世界のために力を合わせる責任があります。それは、過激派が私たちの国民を脅かすことがなくなり、米国の兵士たちが母国に帰還できる世界、イスラエル人とパレスチナ人がそれぞれ自分の国で安全に暮らし、原子力が平和的に利用される世界、政府が国民に奉仕し、神の子すべての権利が尊重される世界です。それが私たちの相互の利益です。それが私たちの求める世界です。しかし、これを実現するには、協力するほかありません。

 私たちがこの新たな始まりをつくることができるのか疑問に思う人たちが、イスラム教徒にもそれ以外の人たちの中にもおおぜいいることは承知しています。対立の炎をあおり、前進を妨げようとする人たちもいます。努力は無駄であり、私たちの意見は対立する運命にあり、文明は衝突する運命にあるのだ、と言う人たちもいます。さらに多くの人たちは、真の変革が起きることに懐疑的です。長年の間に蓄積された恐れと不信は、とても大きなものになっています。しかし、過去に縛られることを選んでしまったら、私たちは決して前進することはできません。そして私は、特に、すべての国々の、あらゆる宗教の若者たちにこう伝えたいと思っています。皆さんには、誰にも増して、世界を考え直し、この世界をつくり直す力があるのだ、ということを。

 私たちは皆、ごくわずかな時間だけ、この世界を共有しています。問題は、私たちを対立させる事柄に注意を向けてその時間を過ごすのか、それとも、共通点を見つけ出し、子どもたちのために私たちが求める将来に注意を向け、全人類の尊厳を尊重しようとする持続的な努力に専心するのか、ということです。
 戦争は終わらせることより始めることの方が簡単です。内省するより他者に責任を転嫁する方が簡単です。人との共通点を探すより相違点を見つけることの方が簡単です。しかし私たちは、単に簡単な道を進むのではなく、正しい道を選ぶべきです。

 あらゆる宗教の心に横たわるひとつの教えがあります。それは、「自分にするように、人にもしなさい」、という教えです。(Applause.) この真実は、国家や国民を超越するものです。この信条は、新しいものではなく、肌が黒くても白くても茶色でも関係なく、キリスト教もイスラム教もユダヤ教も関係なく存在するものです。それは、文明の始まりに鼓動を始め、現在も世界中の何十億という人々の心に脈打つ信条です。それは他者に対する信頼であり、私を本日この場に立たせた力でもあります。

 私たちには、自分の求める世界をつくり出す力がありますが、それは、私たちが、これまでに書かれたことを心に銘記しながら、新たに始める勇気を持ったときに初めて可能となります。
 コーランは、「人類よ。われわれは人類に男性と女性を創造し、国家と部族をつくり、お互いに理解することができるようにした」と教えています。
 タルムードは、「トーラ全体は、平和の促進を目的としている」と教えています。
 聖書は、「平和を実現する人々は幸いである。彼らは神の子と呼ばれるからである」と教えています。(Applause.)

 世界の人々は、共に平和に暮らすことが可能です。それが神の思い描いた人々の姿であることを私たちは知っています。それが、地球上での私たちの務めとならなければなりません。
 皆さんに神の平和がもたらされますように。(Applause.)

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