天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

できることをしましょう。 ~10年一般教書演説より

2010年01月27日 | オバマ
 私たちは現在、巨大で困難な課題に直面しています。米国民が望んでいるのは民主党と共和党が、違いを克服することです。国民はそれぞれ異なる背景や信条を持ちますが、不安や願望は共有しています。請求書を支払える仕事を持つこと。前進するチャンスがあること。そして何よりも子どもにより良い生活を提供できることです。他にも共有しているものがあります。逆境に直面しても不屈の回復力を持つことです。私たちの歴史上、最も困難な時代を経ても、人々はせっせと自動車を組み立て、子どもを教え、起業し、学校に戻っています。少年野球のコーチをし、隣近所を助けています。ある女性から「私たちは弱っているけれど、希望に満ちており、もがいているけれど、勇気づけられています」という手紙をもらいました。私は今夜ほど米国の未来に対する希望に満ちていたことはありません。多くの苦難にもかかわらず私たちの団結は強い。私たちはあきらめない。投げ出さない。私たちの精神を損なう恐怖や分裂を、許さない。この新たな10年で米国人はその誠実さに見合う政府を手に入れる時がきました。今夜、いかにして一緒にその約束を果たせるかを語りたい。

 私たちは過去10年のような、いわゆる経済の「拡大」を再現することはできません。過去10年とは一部の人が「失われた10年」と呼ぶ時代です。それ以前のどの景気拡大期よりも雇用の伸びが鈍く、平均的な米家計の所得が減少する一方、医療保険コストや学校の授業料は過去最高に達し、住宅バブルと金融面の投機の上に繁栄が築かれた時代です。私は就任した日から「大きな改革は野心的すぎる」と聞かされてきました。「そんな取り組みはけんか腰になる。我々の政治システムはマヒしすぎている。しばらく待つべきだ」と。そんなことを主張する人に、私は1つだけ聞きたい。「どれだけ待てばいいのか。米国はどれだけ未来に待ったをかければいいのか」。中国の経済革新は待ったなしです。ドイツもインドも待っていません。これらの国は立ち止まっていません。これらの国は2位の座を目指していません。彼らは数学や科学に重きを置いています。インフラを再構築しています。クリーンエネルギーに真剣な投資をしています。なぜならそれが生み出す雇用がほしいからです。私も米国が2位になることを認めません。どれだけ難しくても、どれだけ不愉快でけんか腰になっても、成長を妨げている問題を修復するときです。

 もちろん、こうした改革は私たちが協力の仕方を変えないかぎりなし得ません。いや、私は単純なのではありません。私が当選しただけで平和や協調、党派を超えた時代が訪れるなどとは考えていません。両党の分断は深く刻み込まれたものだとわかっています。そしていくつかの問題では、どうしても思想的に意見が常に食い違います。私たちの生活における政府の役割や、国家の優先課題、そして国家安全保障についての意見の相違は200年以上続いています。これはまさに私たちの民主主義の本質です。けれども国民が不満に思っているのは毎日が大統領選挙日であるかのようなワシントンの政治の姿です。あなたが負ければ私が勝つという信念に基づき、相手をより屈辱的な形でマスコミに取り上げさせるかを最大の目的に、果てしのない選挙戦をするわけにはいかきません。どちらの政党も、ただできるからというだけで、すべての法案(の審議)を遅らせたり妨害したりすべきではありません。質の高い公僕かどうかということが、何人かの上院議員の持論や恨みによって左右されるべきではありません。ワシントンの政治家なら、相手を批判することはどんなに間違っていても問題ないと思うかもしれません。しかし、そうした政治のあり方こそが、どちらの政党も国民を助けられない状況をもたらしました。そればかりか、市民の間の不和を広げ、政治への不信感を深めています。

 なので私は政治の傾向を変えることをあきらめません。そして、政治を進めるには上院の60票が必要だと共和党の指導者が主張するならば、あなた方も政権運営の責任を担うのだと言いたい。何でも反対するのは短期的には良い政治手法かもしれません。けれどもそれは指導力ではありません。私たちは市民に仕えるためにここに来たのであって、自分たちの野心を満たすためではありません。ですから、私たちは一緒にやれるということを国民に示そうではありませんか。
 歴史を通して、安全保障ほどこの国を団結させたものはありません。悲しいことに、9月11日の同時多発テロの時に感じた団結はいくぶん薄れてしまいました。誰に責任があるのかについて私たちは好きなだけ議論できますが、私は過去について争うことに興味はありません。皆がこの国を愛していることは知っています。皆がこの国を守ることに献身的です。ですから、(子供じみたように)学校で雄たけびを上げるようなことはやめましょう。国民を守ることと、私たちの価値観を支持することのどちらを選ぶか、といった間違った選択を拒否しましょう。恐れや分裂は置き去って、国を守り、米国と世界にとってより希望のある未来を築くためにできることをしましょう。

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