天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

世界を動かしている信念 ~04年基調演説まとめ

2008年11月05日 | オバマ
 04年民主党の大統領候補となった(結果的に、ブッシュ大統領に敗れた)ジョン・ケリー上院議員の広報担当が、新進気鋭のオバマ氏(当時イリノイ州議会議員)の存在を知り、基調演説に大抜擢しました。自らが原稿を書いたこの演説によって、一夜にして全国区となったオバマ氏はその秋の上院選で圧勝し、4年後の大統領選への軌跡が本格的に始まりました。

 以下、04年7月27日民主党大会におけるオバマ氏の基調演説の要所。

 私たちのプライドは、200年以上前に作られた独立宣言で要約されている、非常に単純な根拠に基づいています。「私たちは、すべての人は平等に造られているということ、奪われることのない権利を創造主から与えられているということ、生命、自由、幸福追求を共有しているということ、という自明の真実を保持しています。それこそが、アメリカの真の特質であり、人々の夢へのシンプルな信頼であり、小さな奇跡への固執なのです。
 今年、今回の選挙で、私たちは私たちの価値観と公約を再確認することを求められています。難しい現実に対して、それを保持することを求められています。そして、私たちがどのように、私たちの先人の遺産と次世代への約束をどのように調整するかを求められています。そして親愛なるアメリカへ - 民主党員、共和党員、無所属の人たち -私は今晩あなた方に言います。私たちはもっとなすべきことがある、ということを。
 ジョン・ケリーは理解しています。共同体、信頼、そして犠牲の理想を。なぜならそれこそが彼の人生を定義しているからです。繰り返し繰り返し、私たちは、彼が、より簡単で利用可能なものより、厳しい選択をするのを見てきました。ジョン・ケリーは、信じています。アメリカが、一生懸命働けば報われる国であるということ。ジョン・ケリーは、信じています。世界の羨望を浴びる国にしている憲法に定める自由を。そして、彼は決して、私たちの基本的な自由を犠牲とすることはないでしょう。そして、私たちを分かつために信仰をくさびとして使うことはないでしょう。ジョン・ケリーは、信じています。危険な世界で、戦争が選択肢のひとつではあるに違いないが、それが決して1番目の選択肢ではない、ということを。

 彼は、私たちの一部の人が成功するということでは、十分でないことを知っています。なぜなら、私たちの有名な個人主義と並んで、アメリカンサーガにはもうひとつの要素があります。私たちはひとつの人間として繋がっているという信念。それは、私は私の兄弟の保護者、私は私の姉妹の保護者であるという、世界を動かしている基本的な信念です。それは、個人的な夢を追い求めることを許しながらも、ひとつのアメリカの家族としてまとめているものです。
 おおぜいの中のひとり。“E pluribus unum.”Out of many, one.
 それでも私たちが話をするけれども、私たちを分断させようとする者たちがいます。どんな政治的なものもやってしまう情報戦の達人やネガディブ広告の名人たちです。しかし、私は彼らに今晩、宣言します。自由主義者アメリカというものもなく、保守主義者アメリカというものもない、あるのはアメリカ合衆国だと。黒人のアメリカというものもなく、白人のアメリカというものもなく、ラテン系アメリカというものもなく、アジア系アメリカというものもない。そこにあるのは、ただアメリカ合衆国である、と。
 博識な人は、細かく分類分けすることを好みます。赤い合衆国、青い合衆国。共和党の赤い合衆国、民主党の青い合衆国。しかし、彼らのために、私も情報を入手しました。イラク戦争に反対した愛国者と、それを支えた愛国者がいます。私たちは、ひとつの人間であり、私たち全員で、星条旗に忠誠を誓い、私たち全員で、アメリカ合衆国という国家を守っているのです。

 私はここで、盲目的な楽観主義を述べているのではありません。見て見ぬ振りをすれば、失業問題が去り行くとは思っていません。話題にしなければ、医療保険問題が解決するとは思っていません。それは、意図的な無視です。そうではありません。私は、今、もっと本質的な何かについて話しているのです。
 その希望は、奴隷たちがたき火を囲み、自由を歌ったときのものです。その希望は、移民たちが遠くの海岸を目指し、旅立ったときのものです。その希望は、若き海軍大尉が勇敢にメコン・デルタをパトロールしたときのものです。その希望は、製粉労働者の息子が、ありがちな自分の未来に反抗したときのものです。その希望は、おかしな名前のやせっぽちの子どもがアメリカには自分のための場所もある、と信じたときとまた同じものです。
 なんという大胆な希望でしょう!結局、それは私たち、この民族の基礎となっている神の最も素晴らしい贈り物なのです。目に見えない信念、未来はもっと良い日々であるという信念なのです。
 今晩、もしあなたが、私が感じているのと同じエネルギーを感じているならば、もしあなたが、私が感じているのと同じ危機感を感じているならば、もしあなたが、私が感じているのと同じ情熱を感じているならば、もしあなたが、私が感じているのと同じ希望を感じているならば、もし私たちが、なすべきことをするならば、私はなんの疑いもありません。この国は約束を取り戻し、長かった政治的な暗闇から輝かしい日々を取り戻すでしょう。

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