天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

この一年を顧みて

2009年10月20日 | 不易
皇后様お誕生日心寄せより

 今年は裁判員制度の導入で、司法界に注目が集まると共に、政権交代という、政治上の大きな変化のあった年でもありました。米国においても政権が代わり、着任からほどなく、オバマ大統領のプラハでの演説があり、その中で核兵器廃絶に向ける大統領の強い決意が表明されました。そして今月、ノーベル財団は他の要因も含め、この大統領のとった率先的役割に対し、今年度のノーベル平和賞を贈り、この行動に対する共感と同意を表しました。核兵器の恐ろしさは、その破壊力の大きさと共に、後々までも被爆者を苦しめる放射能の影響の大きさ、悲惨さにあり、被爆国である日本は、このことに対し、国際社会により広く、より深く理解を求めていくことが必要ではないかと考えています。

 アフガニスタンで農業用水路を建設中、若い専門家がテロリストにより命を奪われてから1年が過ぎ、去る8月には故人が早くより携わっていたその工事がついに終わり、アフガン東部に24キロに及ぶ用水路が開通したとの報に接しました。水路の周辺には緑が広がっているといい、1971年、陛下とご一緒にこの国を旅した時のことも思い合わせ、やがてここで農業を営む現地の人々の喜びを思いつつ、深い感慨を覚えました。