とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

次回「コメディ学入門」は2月2日(土)です

2013年01月22日 17時44分43秒 | 執筆・イベント



神戸映画資料館様のご協力で、トーク+上映イベント「コメディ学入門」を昨年からはじめました。


クラシックコメディ史に残るスター、またはクラシックコメディにまつわるテーマを毎回とりあげて、わかりやすく&楽しくレクチャーするイベントです。


おかげさまで、このたび2回目をさせていただけることとあいなりました。


次なる“講義”のお題は


喜劇王は俺だ!マック・セネット vs ハル・ローチ


です。


マック・セネット、ハル・ローチ、と言っても、よほどのサイレント映画ファンでなければなじみのない名前かもしれません。“喜劇王”と言えば、普通はチャップリン、キートン、ロイドの三大喜劇王を思い浮かべることが多いでしょうし。しかしマック・セネットとハル・ローチは、コメディアンですらない・・・


じゃあなんなんだ、って話ですが、このふたりはサイレント~トーキー初期の時代を代表する伝説のプロデューサーなのです。たとえるなら、ロジャー・コーマンとジェリー・ブラッカイマーみたいな。横澤彪と土屋敏男みたいな(そうか?)。


映画草創期の1912年、インディーズの映画会社キーストン社をたちあげて、掟破りのハチャメチャ喜劇映画を量産したのが、偉大なるマック・セネットでした。

映画史的にいえば、チャップリンを見出した人であり、キーストンコップをつくった人。サイレント喜劇と聞いて、まず思い浮かべる例のアニメチックなドタバタのイメージをつくったのが、マック・セネットでありキーストン社でした。





超キュートなチェスター・コンクリン♪





やぶにらみのベン・ターピン





サイレント喜劇界のAKB48、水着美人





俺がマック・セネットだ。文句あっか!





そんなセネットの最大のライバルといわれていたのが、ハル・ローチ

ローチの盟友は元祖メガネ男子ことハロルド・ロイドで、ロイドの爆発的なブレイクによってローチは一躍大物プロデューサーにのしあがりました。第1回コメディ学入門でとりあげたローレル&ハーディも、ハル・ローチ・スタジオが生んだ伝説的スターです。

(特撮映画ファンの方なら、1940年の恐竜映画『紀元前百万年』のプロデューサー/監督としてハル・ローチの名をご存知かもしれない)





意外にイケメン ハロルド・ロイド





スナブ・ポラード





再評価の機運が高まりつつある第4の喜劇王、チャーリー・チェイス





アナーキーなキーストン喜劇と、まったり脱力系のハル・ローチ喜劇。サイレント時代にうまれたこのコメディの2大潮流は、現代のコメディシーンにも脈々とうけつがれています。

それは、海のむこうのお国だけの話じゃなくって、じつは日本のお笑い・バラエティ界にもセネットとローチの遺伝子は見出せるのではないか・・・


・・・と、いう、わたくしの推論を、さまざまな証拠=とってもおもしろいサイレント喜劇の映像のかずかず、をまじえながらプレゼンさせていただきたい。これが、第2回のねらいであります。


ひとことでいえば、みんなでサイレント喜劇をいっしょに観て笑いたい、ただそれだけです(笑)


2月2日といえば真冬の寒さ絶好調!な時節ではありますが、関西にお住まいのみなさま、関西を通りがかるみなさま、お誘いあわせのうえどうぞ遊びにきてください。


今回より、トークと作品上映が別プログラムになります。上映するのは、神戸映画資料館さんセレクションの貴重なマック・セネット短編喜劇4本!映画草創期の燃えたぎるエネルギーも熱いキーストン喜劇を観て、こころもからだもあったまりましょう!
(関連作品上映は3日(日)もあります。)


クラシック映画ファンの方だけでなく、コメディ全般、お笑い全般に興味のあるみなさまにも楽しんでいただける内容になっています。ぜひご来場ください。お待ちしております!



くわしくはWebへ!!!!

神戸映画資料館イベントページ
第2講コメディ学入門http://kobe-eiga.net/event/2013/02/#a001801

サイレント映画鑑賞会 マック・セネットのキーストン喜劇(1)
http://kobe-eiga.net/program/2013/02/#a001805






見にくいですが前回のコメディ学入門の様子。





KEYSTONE COMEDIES with MACK SENNETT SILENT CLASSICS


ライオンさえ従わせる男、それがマック・セネット・・・
キーストン撮影所の様子をセルフパロディした映像。セネットの喜劇にはこのようなメタ性が当初からありました。






Stan Laurel, Oliver Hardy and Charley Chase - "Call of the Cuckoos" (fragments)


ハル・ローチ “オールスターズ”・・・単なるアホな人たちです(笑)

うがった見方をすれば、モンティパイソン的ナンセンスを先取りしてるともいえます。ここまでのナンセンスはさすがに他の作品ではやらなかったのですが、ハル・ローチスタジオの自由な気風をよくあらわしたシーンだと言えます。










最新の画像もっと見る

コメントを投稿