![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/78/aed65f89a676e1d8cade287366f70e2d.jpg)
1週間以上ぶりの更新が、いきなり告知でしつれいいたします・・・
まず、神戸映画資料館で定期開催しているトークイベント「コメディ学入門」の、次回の予定が出ましたので、ともかくもお知らせしておきます。後日、さらに詳しく。
日時:6月22日土曜日
午後1時40分~ サイレント映画鑑賞会(マック・セネットのキーストン喜劇 第2弾)
午後3時30分~ コメディ学入門
テーマ:「続・3ばか大将」
前回、3ばか大将があまりにも、あ・ま・り・に・も、大好評をいただいたため、神戸映画資料館の田中支配人の鶴の一声で、コメディ学入門初のシリーズ化とあいなりました。
くわしくは、神戸映画資料館HPのイベントページをごらんください→こちらです。
3ばか大将の、理屈じゃない超絶ドタバタとトリオ愛を、ぜひ体感しに来て下さい!
いま3ばか大将で抱腹絶倒できるのは、ニッポン広しといえど、神戸映画資料館だけっ!コメディ学入門だけっ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/fb/4fe2cf746b6044a8d8010cf75c1586de.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/56/83519786846578078f7d6f8ea2d34d7f.jpg)
3ばか大将は3D映画も作った(笑)
次に、「映画野郎」についてです。
コラムを連載させていただいているメルマガ「映画野郎」が、このたび完全無料化しました。ぜひお気軽にご登録ください。
最新映画レビューから、コアなコラムまで、無料化しても中身の充実感はかわりません。
コラム「いいをじゅんこの燃える!! バディ・ムービーの世界」も、おかげさまで11本を越えました。感謝でございます。いままでとりあげた作品11本は、以下の通り:
第1回 『ドグマ』(マット・デイモン x ベン・アフレック 1999)
第2回 『ヒート』(ロバート・デ・ニーロ x アル・パチーノ 1995)
第3回 『シャーロック・ホームズ 緑の女』(ベイジル・ラスボーン x ナイジェル・ブルース 1945)
第4回 『間宮兄弟』(佐々木蔵之介 x 塚地武雅 2006)
第5回 『バンディッツ』(ブルース・ウィリス x ビリー・ボブ・ソーントン 2001)
第6回 『暗戦 デッドエンド』(アンディ・ラウ x ラウ・チンワン 1999)
第7回 『ビッグ・リボウスキ』(ジェフ・ブリッジス x ジョン・グッドマン 1998)
第8回 『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』
(ゲイリー・オールドマン x ティム・ロス 1990)
第9回 『スケアクロウ』(ジーン・ハックマン x アル・パチーノ 1973)
第10回 『キング・オブ・コメディ』(ジェリー・ルイス x ロバート・デ・ニーロ 1983)
第11回『底抜け大学教授』パート1(ジェリー・ルイス x ジェリー・ルイス 1963)
現在は、ジェリー・ルイスの最新主演作『マックス・ローズ』のワールドプレミアを記念して、彼の代表作ともいわれる『底抜け大学教授』を数回のシリーズで語り倒しているところです。こんなマニアック(?)なテーマを快く受け入れてくれる原口編集長の男気に、感謝!
有料版からのご購読いただいている場合は、無料メルマガに登録しなおしていただく必要があります。もともと無料版もあわせて登録されていれば、有料版はストップして無料版のみが届くようになります。
こちらでおたしかめください→ まぐまぐ映画野郎
また、コラムは「映画野郎」公式Facebookページでもお読みいただけます。
最新コラム以下転載**********************
第11回:『底抜け大学教授』(1963)パート1
前回は『キング・オブ・コメディ』をバディ映画目線&ジェリー・ルイス目線で見直してみた。引き続き今回も、ジェリー・ルイスを語ることにする。これから数回にわたって、彼の代表作『底抜け大学教授』を紹介していきます。
「で、ジェリー・ルイスって誰やねん」とお思いの読者は、多いかもしれない(わたしも、4年くらい前まで誰やねん状態だった)。それに、バディ映画コラムでひとりのコメディアンだけをとりあげるって、おかしくない?とツッコまれそうでもある。
大丈夫。おかしくないんです。むしろ、バディ映画を語る上で、ジェリー・ルイスははずすことができないんです。その理由は、おいおい説明していくので、どうか最後までおつきあい願いたい。
で、ジェリー・ルイスって、誰なのか。
ジェリー・ルイスとは、コメディアンであり、天才映画監督である。アメリカン・エンタメ界が生んだ最高のアイドルにして、最大の鬼子。
そのエネルギッシュなスラップスティック芸とマシンガントークが、50年代に熱烈に愛され、60年代には尊敬され、70年代に徹底的に嫌われた。21世紀の今でもなお、アメリカには、ジェリー・ルイスに対して、ほとんど憎しみに近い嫌悪を抱く人々がいる。その一方で、彼の才能を賞賛しつづけるファンも多くて、両者の落差がものすごく激しい。
なぜ、ジェリー・ルイスは憎まれるのか。本当のところは、わたしにもよくわからない。おそらくひとつの理由は、彼が得意とするいわゆる“9才の男の子”キャラと、素にもどった時のギャップが、あまりに大きすぎるからじゃないかと思う。
“9才の男の子”キャラというのは、金切り声で叫び、寄り目のベタな顔芸で笑わせ、そこらじゅうを全速力で走り回って場をカオスに陥れる、そういうキャラのことだ。『キング・オブ・コメディ』のジェリーからは、想像もつかないだろうが・・・。
ところが、素にもどると、ジェリーは突然“大人”になって、まじめくさった気取った表情で、高等なコメディ論などをぶつ。自信に満ちあふれたその態度が、ともすれば「エゴのかたまり」とも映ってしまう。
このふたつの相反するキャラクターが---いわば天使と悪魔が---ジェリー・ルイスの中に同居していることに、人々は戸惑い、困惑する。ジェリーはジェリーで、世間が求めるような“いい人”を演じることなんて、まったく関心がない。オレ流を貫く男なのだ。それで、一部の人々は、ジェリーを激しく憎むようになった。
無論、世に天才とよばれる人々は、多かれ少なかれ、同じような憂き目にあってきた。モーツァルトも、チャップリンも、マイケル・ジャクソンも。残念ながら、といおうか、ジェリー・ルイスは、確実に彼らの系譜に属する天才である。
「さっきから天才、天才と言うけど、一体どういう天才なんだ?」と、疑問を持った方には、ともかくまず、ジェリーの代表作『底抜け大学教授』(63)を観ていただきたい。国内版DVDが割と安価で手に入るので、ほんとに観てほしい。この映画には、ジェリー・ルイスのすべてがつまっていると言っても過言ではない。
『底抜け大学教授』は、スティーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」を下敷きにしたコメディだ。地味で冴えない大学教授が、特殊な薬を飲んで、悪魔的な別人格にいれかわる。つまり、ひとりの人間の中に、ふたつのキャラクターが存在する物語---と、聞けば、わかってもらえるだろう。これは、ジェリー・ルイス自身の物語なのである。
あまりにも頭の良いジェリー・ルイスは、自分の中に天使と悪魔が同居していることを、ちゃんとわかっていた。『底抜け大学教授』は、そんなジェリーの深層心理へ降りてゆく旅なのである。
と、ここで字数が尽きました。次回は『底抜け大学教授』をさらにくわしく解剖します!
ちなみに、明日15日から始まるカンヌ映画祭にて、ジェリー・ルイス主演最新作『マックス・ローズ』がワールドプレミア上映される。ジェリーもカンヌ入りの予定。
『底抜け大学教授』(原題:THE NUTTY PROFESSOR)
DVD発売中(※販売元:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン)
監督・脚本:ジェリー・ルイス/脚本:ビル・リッチモンド
出演:ジェリー・ルイス、ステラ・スティーヴンス、デル・ムーア、キャスリーン・フリーマン、メッド・フローリイ、他
※DVDをamazonでチェック!⇒http://amzn.to/13SfAyY
(いまならわずか1,000円ポッキリ!)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/a1/591e2558324105b0794025d497457d1e.jpg)
『底抜け大学教授』より
シャイでモテない大学教授ジュリアス・ケルプ・・・
ジム・キャリーとか、ピーウィーハーマンとか、カトちゃんとか、欽ちゃんとか・・・いろいろなコメディアンの遺伝子の源が、ここに。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます