とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

第4回コメディ学入門 & メルマガ「映画野郎」無料化

2013年05月17日 23時00分00秒 | 執筆・イベント



1週間以上ぶりの更新が、いきなり告知でしつれいいたします・・・


まず、神戸映画資料館で定期開催しているトークイベント「コメディ学入門」の、次回の予定が出ましたので、ともかくもお知らせしておきます。後日、さらに詳しく。


日時:6月22日土曜日 

午後1時40分~ サイレント映画鑑賞会(マック・セネットのキーストン喜劇 第2弾)
午後3時30分~ コメディ学入門


テーマ:「続・3ばか大将」


前回、3ばか大将があまりにも、あ・ま・り・に・も、大好評をいただいたため、神戸映画資料館の田中支配人の鶴の一声で、コメディ学入門初のシリーズ化とあいなりました。

くわしくは、神戸映画資料館HPのイベントページをごらんください→こちらです。


3ばか大将の、理屈じゃない超絶ドタバタとトリオ愛を、ぜひ体感しに来て下さい!

いま3ばか大将で抱腹絶倒できるのは、ニッポン広しといえど、神戸映画資料館だけっ!コメディ学入門だけっ!












3ばか大将は3D映画も作った(笑)














次に、「映画野郎」についてです。


コラムを連載させていただいているメルマガ「映画野郎」が、このたび完全無料化しました。ぜひお気軽にご登録ください。


最新映画レビューから、コアなコラムまで、無料化しても中身の充実感はかわりません。


コラム「いいをじゅんこの燃える!! バディ・ムービーの世界」も、おかげさまで11本を越えました。感謝でございます。いままでとりあげた作品11本は、以下の通り:


第1回 『ドグマ』(マット・デイモン x ベン・アフレック 1999)

第2回 『ヒート』(ロバート・デ・ニーロ x アル・パチーノ 1995)

第3回 『シャーロック・ホームズ 緑の女』(ベイジル・ラスボーン x ナイジェル・ブルース 1945)

第4回 『間宮兄弟』(佐々木蔵之介 x 塚地武雅 2006)

第5回 『バンディッツ』(ブルース・ウィリス x ビリー・ボブ・ソーントン 2001)

第6回 『暗戦 デッドエンド』(アンディ・ラウ x ラウ・チンワン 1999)

第7回 『ビッグ・リボウスキ』(ジェフ・ブリッジス x ジョン・グッドマン 1998)

第8回 『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』
(ゲイリー・オールドマン x ティム・ロス 1990)

第9回 『スケアクロウ』(ジーン・ハックマン x アル・パチーノ 1973)

第10回 『キング・オブ・コメディ』(ジェリー・ルイス x ロバート・デ・ニーロ 1983)

第11回『底抜け大学教授』パート1(ジェリー・ルイス x ジェリー・ルイス 1963)




現在は、ジェリー・ルイスの最新主演作『マックス・ローズ』のワールドプレミアを記念して、彼の代表作ともいわれる『底抜け大学教授』を数回のシリーズで語り倒しているところです。こんなマニアック(?)なテーマを快く受け入れてくれる原口編集長の男気に、感謝!


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最新コラム以下転載**********************



第11回:『底抜け大学教授』(1963)パート1


前回は『キング・オブ・コメディ』をバディ映画目線&ジェリー・ルイス目線で見直してみた。引き続き今回も、ジェリー・ルイスを語ることにする。これから数回にわたって、彼の代表作『底抜け大学教授』を紹介していきます。

「で、ジェリー・ルイスって誰やねん」とお思いの読者は、多いかもしれない(わたしも、4年くらい前まで誰やねん状態だった)。それに、バディ映画コラムでひとりのコメディアンだけをとりあげるって、おかしくない?とツッコまれそうでもある。

大丈夫。おかしくないんです。むしろ、バディ映画を語る上で、ジェリー・ルイスははずすことができないんです。その理由は、おいおい説明していくので、どうか最後までおつきあい願いたい。

で、ジェリー・ルイスって、誰なのか。

ジェリー・ルイスとは、コメディアンであり、天才映画監督である。アメリカン・エンタメ界が生んだ最高のアイドルにして、最大の鬼子。

そのエネルギッシュなスラップスティック芸とマシンガントークが、50年代に熱烈に愛され、60年代には尊敬され、70年代に徹底的に嫌われた。21世紀の今でもなお、アメリカには、ジェリー・ルイスに対して、ほとんど憎しみに近い嫌悪を抱く人々がいる。その一方で、彼の才能を賞賛しつづけるファンも多くて、両者の落差がものすごく激しい。

なぜ、ジェリー・ルイスは憎まれるのか。本当のところは、わたしにもよくわからない。おそらくひとつの理由は、彼が得意とするいわゆる“9才の男の子”キャラと、素にもどった時のギャップが、あまりに大きすぎるからじゃないかと思う。

“9才の男の子”キャラというのは、金切り声で叫び、寄り目のベタな顔芸で笑わせ、そこらじゅうを全速力で走り回って場をカオスに陥れる、そういうキャラのことだ。『キング・オブ・コメディ』のジェリーからは、想像もつかないだろうが・・・。

ところが、素にもどると、ジェリーは突然“大人”になって、まじめくさった気取った表情で、高等なコメディ論などをぶつ。自信に満ちあふれたその態度が、ともすれば「エゴのかたまり」とも映ってしまう。

このふたつの相反するキャラクターが---いわば天使と悪魔が---ジェリー・ルイスの中に同居していることに、人々は戸惑い、困惑する。ジェリーはジェリーで、世間が求めるような“いい人”を演じることなんて、まったく関心がない。オレ流を貫く男なのだ。それで、一部の人々は、ジェリーを激しく憎むようになった。

無論、世に天才とよばれる人々は、多かれ少なかれ、同じような憂き目にあってきた。モーツァルトも、チャップリンも、マイケル・ジャクソンも。残念ながら、といおうか、ジェリー・ルイスは、確実に彼らの系譜に属する天才である。

「さっきから天才、天才と言うけど、一体どういう天才なんだ?」と、疑問を持った方には、ともかくまず、ジェリーの代表作『底抜け大学教授』(63)を観ていただきたい。国内版DVDが割と安価で手に入るので、ほんとに観てほしい。この映画には、ジェリー・ルイスのすべてがつまっていると言っても過言ではない。

『底抜け大学教授』は、スティーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」を下敷きにしたコメディだ。地味で冴えない大学教授が、特殊な薬を飲んで、悪魔的な別人格にいれかわる。つまり、ひとりの人間の中に、ふたつのキャラクターが存在する物語---と、聞けば、わかってもらえるだろう。これは、ジェリー・ルイス自身の物語なのである。

あまりにも頭の良いジェリー・ルイスは、自分の中に天使と悪魔が同居していることを、ちゃんとわかっていた。『底抜け大学教授』は、そんなジェリーの深層心理へ降りてゆく旅なのである。

と、ここで字数が尽きました。次回は『底抜け大学教授』をさらにくわしく解剖します!

ちなみに、明日15日から始まるカンヌ映画祭にて、ジェリー・ルイス主演最新作『マックス・ローズ』がワールドプレミア上映される。ジェリーもカンヌ入りの予定。



『底抜け大学教授』(原題:THE NUTTY PROFESSOR)
DVD発売中(※販売元:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン)
監督・脚本:ジェリー・ルイス/脚本:ビル・リッチモンド
出演:ジェリー・ルイス、ステラ・スティーヴンス、デル・ムーア、キャスリーン・フリーマン、メッド・フローリイ、他

※DVDをamazonでチェック!⇒http://amzn.to/13SfAyY
(いまならわずか1,000円ポッキリ!)













『底抜け大学教授』より
シャイでモテない大学教授ジュリアス・ケルプ・・・

ジム・キャリーとか、ピーウィーハーマンとか、カトちゃんとか、欽ちゃんとか・・・いろいろなコメディアンの遺伝子の源が、ここに。










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