漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0761

2021-11-29 19:48:20 | 古今和歌集

あかつきの しぎのはねがき ももはがき きみがこぬよは われぞかずかく

暁の 鴫の羽がき 百羽がき 君が来ぬ夜は われぞ数かく

 

よみ人知らず

 

 明け方には鴫が何度も何度も翼を羽ばたかせますが、あなたが来ない夜は、そういう夜が幾度あったか、私が数を数えます。

 「羽がき」は羽ばたきをすることで、「百羽がき」はその数(回数)が多いこと。この二語をリズム良く重ねることで、音が似ている結びの「かく」を導いています。なのですが、結びの「数かく」が何を意味するのかは明確には分かっていません。上記のように「いとしい人が来ない夜の数を数える」とする説の他、「幾度も寝がえりをうつ」と解釈する向きもあるようです。