漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0738

2021-11-06 19:15:35 | 古今和歌集

たまほこの みちはつねにも まどはなむ ひとをとふとも われかとおもはむ

玉鉾の 道は常にも まどはなむ 人をとふとも われかと思はむ

 

藤原因香

 

 愛しい相手のところに通う道々ではいつも迷ってほしいものです。他の人のところへ行くのだとしても、自分のところかと思えるように。

 「玉鉾の」は「道」「里」にかかる枕詞ですが、なぜこれらの語に掛かるようになったのかは不明のようです。「なむ」には同音の助動詞、係助詞もありますが、ここでは他に対する願望を表す終助詞で、「道に迷ってほしい」の意ですね。