漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0662

2021-08-22 19:26:30 | 古今和歌集

ふゆのいけに すむにほどりの つれもなく そこにかよふと ひとにしらすな

冬の池に 住むひほどりの つれもなく そこにかよふと 人に知らすな

 

凡河内躬恒

 

 冬の池に住む鳰鳥が平然とした様子で底に通うように、私がそ知らぬふりであなたのところに通っていることを、人には知らせないでください。

 「つれなし」はここではそ知らぬふり、平然とした様子の意。「そこ」は「底」と「其処」の掛詞になっています。