漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0650

2021-08-10 19:28:52 | 古今和歌集

なとりがは せぜのむもれぎ あらはれば いかにせむとか あひみそめけむ

名取川 瀬々の埋木 あらはれば いかにせむとか あひ見そめけむ

 

よみ人知らず

 

 名取川の浅瀬に埋もれ木が現れるように、私たち二人の秘めた仲が世間に知られたらどうするつもりで、逢瀬をし始めたのだろうか。

 weblio古語辞典 によれば、「むもれぎ(うもれぎ)」とは、
① 木の幹が、長い間水や土の中に埋もれていて炭化したもの。細工物に用いる。仙台に近い名取川のものが有名。
②世間から捨てられて、顧みられない身の上のたとえ。◆中古以降は多く「むもれぎ」と表記。

 とのこと。「名取川」は今の仙台市・名取市を流れる川で、0628 に続いての登場です。