今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

蕎麦アレルギー

2010年01月11日 | 素材
昔から、日本蕎麦アレルギーなんです。
小学3年生の頃、入院していて、当時病院の小児科って看護婦さんが結構キビシクて、料理は残してはいけない、なるべく食べなさいって感じだった。
好き嫌いも無くなったし、万遍なく栄養が摂取出来てとても良い事だった。

退院3日前になって、夕食に蕎麦が出て、偶然それが生まれて初めての蕎麦を食べる機会だった。
多分、幼い頃は意識的に関係なく、口から出していたんだと思う。
だから、親も作らなくなって。年越しも子供は早く寝てしまうし。
で、そのまま呼吸困難になって、退院が10日延びた。
昔の小児科の大部屋は色々な年齢の友達が沢山居て、楽しかったし、
オヤツは美味いし、最高だったんだが、
食べさせた看護婦さんは泣いちゃうし、
いくら「知らなかったことだから~いいですよ。」と親子共々伝えても責任を感じてた。

病院のだから、蕎麦粉十割とかじゃなくて、小麦粉の方が多い白い蕎麦もどきなんだけれど、「これが、蕎麦かあ、へぇ~」って、嫌いな食べ物が無い自分は食べて、
小麦粉が多いからか、にゅう麺の様に、ツルツル食べていた。
上に乗っている天婦羅も美味かったし。(つーか、嫌いな物は無い、食べ物食えれば良いって感じ。)

どうも、蕎麦アレルギーの人は、蕎麦の実に含まれる、アクに反応してしまい
人によって違う様々な症状を起こしてしまうとのことだ。

で、そこで100種類くらいアレルギーの検査をして判明してから20数年後、
出版社時代、ある大手出版社の出版記念パーティーへ社長の代理で先輩と行った時に、ホテルで中華のバイキングだったのだが、ビールで乾杯した後に、発症した。
その時は、ビールを飲んでいた為、一気に身体の中の血管中を蕎麦の成分が駆け巡り、
空気に触れている面(顔とか腕)が、北斗の拳のケンシロウに秘孔を突かれた様に3倍に膨張して、その張りに耐え切れなくなった皮膚が、4つに割れて血が流れて止らなくなってきた。
まさか、中華で蕎麦を使っていると思わないから、
急性の甲殻アレルギーだと思って、2度と海老・蟹食べれないんだというショックは計り知れなかった。
トイレから帰ってきて、先輩に「お仕事の足を引っ張ってスミマセン、多分アレルギーの様です。帰らせて頂けませんか?」と言ったら「ちょっと待って、主催者の人に挨拶してくるから」と・・・普段無口なくせに、向こうで「スミマセ~ン」とかやって笑って中々帰って来ない、千人近く来ているのにうちみたいな小さな出版社なんか相手にしねえーよ。ひでえなあ。と思いながらも、顔の血をハンカチで拭きながら呼吸も苦しくなってきた、

その先輩に「救急車をお呼びしましょうか?」と言われたけれど、それこそ挨拶無しで帰るより、会社同士の体面にヒビ入んじゃねえかと思って、自分達は会社の看板を背負って来てんじゃねーの?(=自分の名前で会社から仕事請け負って契約してんじゃねーの?)って思って。「明日多分休みます、伝えておいて下さい」と言って、意地でも這って地下鉄乗り継いで帰った。

帰って玄関で倒れて、病院で一晩中苦しんでステロイド打ちまくって、なんとか翌日には少し腫れが引いた。
後日、そのパーティで出た中華料理を調べたら肉団子に、蕎麦の実を万遍なく付けて、
素揚にし、片栗粉でトロミを付け炒めてあったらしい。(わかんね~よ!!)

その2週間後、ランチに同僚達とイタリアンへ行って8穀米リゾットを食べて
その中に、蕎麦の実がほんの少し入っていて、
蕎麦の実が入っているという表記は、メニューを見る前の玄関の所だけで
「近くに病院無いですか?って訊いたら、シェフが「うち、責任もちませんからね」って繰り返し言うだけだった。そういう事じゃないんだ、このシェフはダサイって思った。
ランチなので酒は飲んでいなかったので、身体には回らず、会社を早引きしただけだったが、編集長に「馬鹿か、お前は。」と言われた。

飲料メーカーさん、蕎麦茶怖いっす。