アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

913 新シリーズ 令和に巡る京の神社   第26番 県神社

2022-03-20 08:37:03 | 日記

第26番 県神社

京都府宇治市宇治蓮華72

主祭神    木花開耶姫命

 

神社の「祭り」というのは、つい近年までは唯一の娯楽であった。ゲームもなく旅行も制限される庶民にとっては、地元の「祭り」が何よりの楽しみであったはずだ。特に若い者たちは「無礼講」と称して、夜通し遊び通すことが許された。勿論、若い娘でも多少羽目を外すことを大目に見られた。つまり普段制限された男女の出会いが生じる機会になったのである。昔のモラルが極端に低い訳ではない。

今回の県神社の「暗闇の奇祭・県祭り」のクライマックス「梵天渡御」では、祭りの日の深夜に一切の明かりを消して、神の依代である「梵天」が地域を練り歩く行事である。その際、各町内では男女が雑魚寝してその渡御を待つ。祭りは暑い夏の夜だ。酒など振る舞われ若い男女が一緒に寝ていればおのずからすることは決まっている。その為別名「種貰い祭」ともいった。他の地域からも出会いを求めて若者が集まったと想像する。早速ユーチューブでその模様を見てみたが、「梵天」を激しく回す「ぶん回し」など勇壮で健全な様子であった。御祭神である木花開耶姫命が美女の神であり、一方近くの宇治神社の御祭神が男神であることから、そのようなロマンチックな想像になったとも思うが、風紀の厳しい昨今我々の期待するような「お楽しみ」はもう絶滅した。なお、日本全国の御祭り行事には、今でも男根に似せた物を「神輿」にして女性がまたがるなど、性をおおらかに表現する行事は多い。

県神社のある場所は、平等院の南門、宇治川の「喜撰橋」近くの交差点にある。平等院はいつも待ち時間が出るほど賑わうが、こちらは普段訪れる人はまばらだ。鳥居をくぐるとすぐ、古から和歌に歌われた「縣井」の手水が左手にあり、境内の木々は「縣の森」と呼ばれる。本殿まで10メーターほどの距離だが、境内には「梵天」が飾られてあった。前回使用のものか。巨大な「御幣」に圧倒される。

心を込めて作法に則り手を合わせ祈る。ご利益は、商売繁盛・良縁祈願・安産祈願、ここまでは良い。最後に、腹痛・下の病と、下の病?無礼講の後は、人に言えない下の病を患うのか?恐らく、コロナではないだろう。今年の祭りは、6月5日、その夜中、近隣の家々を訪ね歩いてみよう。


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