㉒ アキレス腱切った
「ケガ以来よく寝る。そして悲しいくらいよく腹が減る。夢もあまり見ないが、昨夜はいつもの夢を見た。朝会社に出社して9時の寄付きまでに一つの注文も取れていない、恐怖に怯える夢だ。実は、吾輩は、大学を卒業して証券会社に入った。『株屋』と呼ばれた時代だ。証券取引所の売買は全部株屋がお客とやり取りして発注していた時代だ。仕手株(特定の資本に買い占められたりして株価が乱高下する銘柄)インサイダー情報による取引(入手した未公開情報で売買する事違法行為)株価操作(意図的に株価を操作する)ダマテン(お客さんに無断でお客の口座で売買する)など、まさに鉄火場、清濁併せ持った世界だった。投資家もそれを承知で参加していた。しかし一方で、日本経済の根幹を株屋や投資家が背負っていた時代だ。証券会社のノルマは、売買取引高で決まった。従って、取引の始まりの寄付き時点で注文がないというのは、絶対にありえない事態だ。『今日も注文がもらえない。』そんな恐怖が、30年以上も経た今でも夢に出てくる。そんな世界なので、トンデモ社員やトンデモ顧客がいっぱい出てくる。平成の今ではあり得ない『パラダイス』だった。」「アキレス腱どころではない。余話をいくつか紹介する。」
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