映画「エレニの旅」をやっと観る

2005-05-25 23:58:05 | Weblog
もろもろ終わってはいないのだが、水曜日なので映画に行く。
日比谷シネシャンテまで、テオ様の「エレニの旅」を観に。やっと観れた。
混雑を予想して早めに行ったら、「海を飛ぶ夢」のほうが行列していた。でも「エレニ」もほぼ満席。なんとなく違和感。

上映時間2時間50分なのにちっとも退屈しないとか、これこそ映画の中の映画とか、マニアックな方々の非常に好意的な前評判は聞いていたし、大好きなテオ様の渾身の長編なので、ええもう期待感マックスで行きましたとさ。

ところがわたくし、若干寝不足状態。オープニングタイトルの時点で猛烈な眠気が! いかん、これでは3時間たっぷり眠って終了? と危ぶんだものの、本編が始まったら眠気なんてふっ飛びましたわ。
とにかく映像がきれい。ギリシャを撮ってこんなにどんよりな風景ばかりなのも驚くけど、CG使わずに水没の村撮っちゃうあたりやっぱすごい。
そしてカメラワークがすごい。長回しが多いのだけど、固定カメラで延々撮ってみたり徐々に引いていったり、もう画面から目が離せない。

エレニというのは主人公の名前でギリシャには多い女の子の名前、しかもギリシャという意味らしい。
テオ様の母親がうっすらとモデルなのかな。時代に翻弄されて生きた女性の物語。

映画の内容を語り出すと終わらないので書きませんが、いくつか思ったこと。

「立っているひとびと」・・テオ様の映画に出て来るひとたちはみんな立っている。「こうのとりたちずさんで」や「永遠と一日」で国境に立ち尽くしているひとびとも印象的だったけれど、「エレニ」でも立っているひとたちが目立った。ギリシャでは船に乗る時みんな立っているんでしょうか。お葬式の筏の上、川を渡る小舟、みんな立って乗っている。その立ち姿がまた凛として美しい。

「性格のわりに逞しい体型の女優」・・エレニはどちらかというとか弱くて男にすがって生きるタイプの女性なんですが、見た目的には背も高いし足も太いしがっちり体型。これはテオ様の好みもあるのかしら。「ユリシーズの瞳」で三役を演じた女優さんもたしかそんな感じ。

「詩の朗読で泣かされる」・・厳密には「エレニ」に詩の朗読は出てこない。エレニがうわごとのように語る言葉が詩のようで、テオ様ってやっぱり詩人だなあと思いますね。あのリフレインは反則です。

エレニの慟哭のシーンで映画は終わる。号泣する場面があるわけではないけれど、終わったあとも胸騒ぎに似た感情の揺らぎにしばらくとまどってしまうような映画。


なのになのに、タイトルバックが始まったとたんにぞろぞろと帰りはじめる観客の多さに愕然。
そんな奴らはこういう映画を観に来るなよな、と怒ってみましたが、そうよきょうは水曜日。レディースデイなのでした。ごめん、怒ったわたしが悪かった。そもそもの違和感はこういうことだったか。


映画のあと渋谷のネットカフェで時間つぶし。「フルーツバスケット」の17巻と「プライド」の4巻を読み、ブック1stで「フルーツバスケット」の17巻と「プライド」の4巻を買い(正しいのか無駄なのかわからない)、mちゃんと落ち合って飲みにゆく。

あらあらあら、という話を聞いてまたしても高額な飲み代を支払って終電間近に帰る。
(飲んでいる最中にまた胃痛がしたのだけど、胃が痛いからと焼酎のお湯割りからシークワーサーハイに変えることに意味があったのかわからない)

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