OT園通園日記

車椅子生活の母を老人ホームへ訪ねる日々。でもそればかりではいられない!日常のあれこれを書いています。

おだやかに

2005年10月11日 | Weblog
夕方、OT園へ。
今日持参したのは、りんご。
青森から直送してもらった、加工用の傷リンゴだが、どうしてどうして、そのまま食べてもとてもおいしい。
身が入りすぎて軸のところがはじけたものや、表面に小さな傷のあるもの等々。
とてもおいしいといいながら、完食。

テレビを見ながらいつものようにおしゃべり。
「今日、これからうちに帰ろうと思うのよ。」
「そう?でも、もうすぐ暗くなるから足元があぶないよ。明日にしたら。」
「そうねぇ。明日の朝にするわ。」
今日は気分がいいらしく、穏やかな口調でこんな会話を交わす。

家に帰るのが明日でいい時はとても楽。
明日はまた同じ会話を繰り返せばいいのだから。

でも、やっと切り抜けたと思ったとたん、また、
「これからうちに帰るんだけど、タクシー代はどうしようかねぇ?」

夕飯までの1時間半余の間に、5~6回同じ会話を繰り返す。
にこにこしながら、さっき同じことを言っていさめられたことなど、全く頭に残っていないらしい。

これが、認知症なんだなあと深く実感する。
耳で聞き、頭で理解していたことと、実際に目の前で起こることとのギャップ。
知識には気持ちの揺れがないものね。
明るく話す母の相手をしながら、そうっとため息をつく。