去年の12月、「ニューイヤーコンサートの予定がな~い!何かいいものないかなぁ~」と、探していた時に見つけたのが、「下丸子カフェ」。
ゲストがバリトンの宮本益光だったし、金曜の午後というわりあい外出しやすい時間だったので、「行く!」と即決した。
但し、新年になって、だんだん後悔が募る…。
カレンダーに、次々と予定がビッシリ入っていく。
一日くらいは、うちでぼぉっ~としていた方が良かったんじゃあないのかなぁ。
今朝は、寒いけれど、良いお天気。
少々疲れ気味で、エンジンのかかりは遅いけれど、なんとかがんばっって10時半までに家事を済ませ(手抜きでね!)、OT園の母のところへ。
母は、まだ足が痛そうだけれど、その他は元気。
(足が痛くなった原因は忘れてしまったらしく、かなりとんちんかんなことをいろいろ話してくれた)
お昼まで母と過ごして、その後、あわててコンサートへ向かった。
今日のコンサート、私は、絶対蒲田駅前のアプリコが会場だと思っていた。
で、アプリコに行ったところ、妙に静か。
なんと、会場は、下丸子駅前大田区民プラザだった…。
あわてて、下丸子へ向かう。
「もう、こんな事までして、つまんないコンサートだったら、ほんとにがっかりだ~!」
なんとか、開演時間には間に合ったものの、かなり気分を害しての(自分が悪いんだけどね!)始まりだった。
でもね、ホントに楽しかった~!
いや、いや、行って良かったです。
舞台は、こんな感じ。
カフェのマスターは、ピアニストの山田武彦さん。
常連マダムが頼近美津子さんという設定でコンサートが始まる。(このお二人はレギュラーで、毎回いろんなゲストを迎えてのコンサートらしい)
そして、宮本益光さん、今日は素敵な濃紫(たぶん)のおリボンネクタイを結んでの登場。
頼近さんとのおしゃべりを交えながらのコンサートが始まった。
(舞台端にあるテーブルに座って、カフェオレをすすりながらのおしゃべりがはさまる)
プログラムは前半が、日本の歌。
頼近さんは、しっかり
宮本さんのブログを読み込んでいらしたらしく、かなり突っ込んだおしゃべりも聴けて、とても楽しい。
金子みすゞ/中田喜直「わたしとことりとすずと」
中原中也/石渡日出夫「汚れっちまった悲しみに」
中原中也/清水脩「サーカス」
高田敏子/加藤昌則「旅のこころ」
宮本益光/加藤昌則「魔女の住む街」
宮本益光 「パパとママのうた」
始めて聞くものも、二度目のものも、とてもよかった。
宮本さんは、おしゃべりしている時は、ただの愉快なお兄さんだけど、歌い始めると輝き出す!
二部は、洋物。
まず、ピアノソロ。ベートーベン「無くした小銭への怒り」
続いて、宮本さんの歌。
モーツァルト「俺は鳥刺し」(オペラ魔笛より)
シューベルトが三曲
「魔王」、「野ばら」、「楽に寄す」
ラストが、ビゼー「闘牛士の歌」(歌劇カルメンより)
宮本さんのオペラアリアを聴くのって、もしかして初めてかなぁ…。
すご~くよかった。
宮本さんの歌を通しての演技力ってすごい。
そして、宮本さんの訳詩で歌われたパパゲーノのアリア、とっても現代的で、感じが出ていて、場内からの笑いを誘う。
闘牛士のアリアは、中西さんのお得意な曲。
中西さんで繰り返し繰り返し聞いて、大好きな曲だが、宮本闘牛士も大健闘。
中西闘牛士の方が、戦闘的で力強く頼もしい、宮本闘牛士は力強さには欠けるけれど、色っぽい。
そう、魔王の中でも、子どもとお父さん、語りの声は普通だったけれど、少年を誘う魔王の声はドキッとするほど色気があった。
アンコールは、「冬の朝」(みんなで)と「小さな空」(作詞・作曲:武満徹)
「小さな空」は、私の愛聴歌なので、とても嬉しく、美しいメロディーに思わず涙が出た。
最後のハーモニカまで、宮本ワールドに包み込まれた感じ。
よかったわ~!
いまいち「???」と思いながら出かけたものの、この「下丸子カフェ」、なかなか素敵でした。
楽しませてももらったし、コンサートを作っている人の誠実さも感じた。
そうそう、このコンサートおまけがいっぱいつくんです。
プログラムの上に置いてみたのは、今日のもらい物。
まず、入った時にロビーで小さなチョコレート。
休憩時間には、お茶とお菓子(今回は、日本茶と地元の和菓子屋さんの海苔大福)
そして、帰りには出口で、コーヒーを頂きました。
また、日にちが合えば、是非出かけてみたい企画でした。(たとえ、声楽がゲストでなくてもね!)