残暑…
ニュースでは、運動会の練習をしていた小学生が集団で熱中症にかかったと報じている。
そう言えば、小学生の頃、運動会の練習って大嫌いだった!
暑いし、だるいし…。
この熱中症のニュースで思い出したことがある。
20年くらい前、息子二人は少年サッカーのチームに所属していた。
ちょうど校庭改修に当たって、練習が出来なかった夏休み、役員達は少しでも練習させてやりたいと、子どもの国のグラウンドを借りての練習を企画した。
半日、グラウンドを借り切っての練習。
まだ熱中症という言葉は聞かなかった頃だけれど、「日射病にならないように!」とみんなでずいぶん注意をした。
「お茶じゃあなくて、スポーツドリンクを持たせて下さい」
「首に濡らして巻けるようなタオルを持参させて下さい」
「具合が悪くなったら無理をしないようにと、家庭でも言い聞かせて下さい」
いろんな注意を参加家庭に徹底した。
もちろん、全員が自由に飲めるような冷たいドリンクも用意した。
そして、当日、一番活躍したのはやかんの水。
かんかん照りの中、グランドの中を走り回った少年達は、駆け足で私の前までやって来て、「おねがいしま~す」と頭を下げる。
「ハ~イ!」と答えて、私はやかんを持ち上げ、彼の首すじに水をじゃぁ~とかけてやる。
「きもちいい~!」
「アリャトヤンシタ~」
体をべちゃべちゃに濡らした少年は、また練習に戻っていく。
頭から首筋を冷やすというのが、一番手っ取り早い日射病予防だという、専門家からのアドバイスによる処置。
首に掛けると、頭も、体も湿る。
その蒸発熱で、体温を下げようという意図での、「やかんの水」だった。
練習中、次から次に、少年達は私の前で頭を下げる。
いつもは、小生意気なガキ達が。
彼らは、私に頭を下げている訳じゃあなくて、首に水をかけろと要求しているだけなのだが、行為としては深々としたお辞儀。
半日、やかんの水をかけ続けるのは、なかなか心楽しい作業だった。
生意気盛りのウチの息子だって、なんども私の前で深々と最敬礼をしたのだから。
サッカーのユニフォームは、水をかけてもすぐ乾いてしまうような、ハイテク素材なんだそうな(その頃でもそうだった。今はもっといい素材なんだろう)
学校の体育着も、旧態依然のメリヤス製ではなくて、もう少し工夫をしてもいいのかもしれない。
ま、首筋にジャーっていうのは、野蛮に過ぎるのかもしれないけれど。