昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

死の舞踏

2021-11-29 09:36:02 | 日記
空をニードルで引っ搔いた今朝の藤枝の天井画は、版画にすればさぞ面白かろうと思わせる程の西風の芸術センスは称賛に値します。尤もド素人で美的感覚の乏しいボクの意見だと知れば、苦笑されるだけでしょうけど。

かの「ユートピア」の作者であるトマスモアの諫言を反逆罪とし処刑するなど数々の残虐非情な行いで有名な英国王ヘンリー8世に気に入られ、宮廷絵師となったホルバイン。肖像画が有名ですが、ヘンリー8世のお妃候補を美しく描きすぎた?為、肖像画を観てお妃(4番目の)を決めた王が実物とのギャップに腹を立て彼を追放。失意のうちにロンドンを襲ったペストで亡くなったのが1543,.11.29でした。

右斜め上から観ると頭蓋骨が浮かび上がるアナモルフォーズで有名な「大使たち」も彼の作品ですが、版画においても彼の存在は大きく、木版画による41枚セットの「死の舞踏」は何度も重版がかけられたそうです。

英仏の両仏人王朝同士の争いである百年戦争(1347~1453)下で起こったペスト(1347~1350)は、欧州に大打撃を与え、人々に死は突然誰にでも公平に訪れる現実を突きつけ耐えられない者達が半狂乱に踊り狂う現象を生み出しました。それが「踊る骸骨」として昇華され人々に受け入れられるまでに百年以上かかったのでしょうか。

神道では穢れとして忌避されるせいか、数世代同居が減り病院での死が一般化したこの国にあって、どうも「死」というものが身近なものではなくなった気がします。「メメントモリ」の必要性を感じるのは、ボクが以前より近づいているからでしょうか。

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