セントルイスのラジオ局の電話インタヴューで、「僕は2週間前にレスター・ボウイのインタビューをしたのですが、彼があなたについて話していました。ちょうど、AEC(アート・アンサンブル・オブ・シカゴ)とこの町にいたんです」、「ああ、彼らの演奏はかなりのもんだ」と答えたのはマイルスだ。「マイルス・オン・マイルス」(宝島社刊)というインタビュー集に紹介されている。
マイルスが褒めたAECといえばステージ上に膨大な数の楽器を並べる多楽器主義のフリー・ジャズ・バンドで、正統派のジャズファンからは色眼鏡で見られる存在だ。確かにパフォーマンス性が強いが、ジャズの本質が即興にあるとすれば、多くの楽器を次から次へと演奏すること自体、即興のうえで成り立っているのでそれもジャズなのかもしれない。このバンドの中心的メンバーといえばトランぺッターのレスター・ボウイで、二つに分けた長い顎鬚と、白衣という新興宗教の教祖のようないでたちで知られる。この変わった意匠でさらに敬遠されのだろう。
アヴァンギャルドな印象が強いが、トランぺッターとしてはルイ・アームストロングの伝統に根ざしたスタイルで、見た目よりも良く歌うし、音色も美しい。滅多にスタンダードを演奏しないが、1989年の「Serious Fun」で、「God Bless The Child」を取り上げている。ビリー・ホリデイが作詞作曲に加わった曲で、特徴のあるメロディに惹かれるのか多くのプレイヤーがレパートリーにしているジャズ向きのナンバーだ。先入観を捨てて聴いてみよう。ビリーの魂の叫びをトランペットで表現しているようだ。視覚以上のジャズ感覚がそこにある。
先のインタビューは1980年8月3日に行われた。マイルスが自ら課した隠遁生活をしていたころだ。インタビューの最後に「もう一度、ステージに立とうと思っているか」と聞かれ、「たぶんな、いま、話があるのさ。どえらい大金が積まれているんだぜ」と。1981年の「ウィ・ウォント・マイルス」でそのライブが聴ける。沈黙を破ったライブはどことなくレスター・ボウイとAECの異次元を感じた。
マイルスが褒めたAECといえばステージ上に膨大な数の楽器を並べる多楽器主義のフリー・ジャズ・バンドで、正統派のジャズファンからは色眼鏡で見られる存在だ。確かにパフォーマンス性が強いが、ジャズの本質が即興にあるとすれば、多くの楽器を次から次へと演奏すること自体、即興のうえで成り立っているのでそれもジャズなのかもしれない。このバンドの中心的メンバーといえばトランぺッターのレスター・ボウイで、二つに分けた長い顎鬚と、白衣という新興宗教の教祖のようないでたちで知られる。この変わった意匠でさらに敬遠されのだろう。
アヴァンギャルドな印象が強いが、トランぺッターとしてはルイ・アームストロングの伝統に根ざしたスタイルで、見た目よりも良く歌うし、音色も美しい。滅多にスタンダードを演奏しないが、1989年の「Serious Fun」で、「God Bless The Child」を取り上げている。ビリー・ホリデイが作詞作曲に加わった曲で、特徴のあるメロディに惹かれるのか多くのプレイヤーがレパートリーにしているジャズ向きのナンバーだ。先入観を捨てて聴いてみよう。ビリーの魂の叫びをトランペットで表現しているようだ。視覚以上のジャズ感覚がそこにある。
先のインタビューは1980年8月3日に行われた。マイルスが自ら課した隠遁生活をしていたころだ。インタビューの最後に「もう一度、ステージに立とうと思っているか」と聞かれ、「たぶんな、いま、話があるのさ。どえらい大金が積まれているんだぜ」と。1981年の「ウィ・ウォント・マイルス」でそのライブが聴ける。沈黙を破ったライブはどことなくレスター・ボウイとAECの異次元を感じた。
「ゴッド・ブレス・ ザ・チャイルド」は、ビリー・ホリデイの生涯の代表的な持ち歌ですが、インストの名演も数多くあります。今週はインストで、お気に入りをお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 God Bless The Child Best 3
Sonny Rollins / Bridge (RCA)
Walt Dickerson / To My Queen (New Jazz)
Eric Dolphy / In Europe Vol.1 (Prestige)
ギタリストに人気があるようでして、グラント・グリーン、ウェス・モンゴメリー、ケニー・バレルが取り上げております。他にもソニー・クリスをはじめキース・ジャレット、ジョン・ヒックス等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Eric Dolphy - God Bless the Child
http://www.youtube.com/watch?v=cYJ_4vSruog
お久しぶりです。
AECは数枚しか聴いていませんが、レスター・ボウイの作った『チャーリー・M』というのが、大好きです。
ミンガス親分に捧げた曲だと思っていますが、一発で好きになりました~マラカイ・フェイバースのベースが最高なんですよね。
お題ですが、もうこれは、橋 尽きる!
ダントツの一番でしょう!
デッカーソンとドルフィーも甲乙つけ難い・・
デッカーソンのはジョージ・タッカーが良いのですよね。
ドルフィーは一人で頑張ってます、その意味では凄い!
文句なしですね。
と、言う事でdukeさんとおんなじです。
次点ですが
プレステのソニー・クリスも良いと思います。
何とか、引き分け・・どうにも調子が上がりません・・
まーファイターズよりは良いですがぁ(笑)
ミンガスに捧げた「チャーリー・M」がありましたね。「Full Force」に収められている曲ですが、ミンガス・バンド風の味付けが面白い。マラカイ・フェイバースの鳴りも唸りますが、ロスコー・ミッチェルにジョセフ・ジャーマンという強面が迫力を増しております。
トップはロリンズで決まりですね。問答無用の名演とはこれです。
そして、デッカーソンとドルフィーは解釈がいいですね。それぞれのアルバムでメインの曲ではありませんが、レベルが高いのに驚きます。
ソニー・クリスはいつもながら泣きます。
31日は阪神にサヨナラ勝ちして、デイ・バイ・デイで祝宴をあげ、翌日意気揚々と出かけましたが、惨敗でした。気持ち良く連勝できないのが今のファイターズ事情です。
北海道も暑さでたいへんですね。信州も暑いし、雹が降り梨などが広い範囲で被害を受けてしまい、気候はどうなっているのでしょうか。
この曲は、歌詞が現実的で、スタンダードの中では異色です。ですから、歌詞の内容が記憶に残っています。演奏の方は、歌詞と離れて、いろいろな扱いがありますが、ロリンズとドルフィーははずせません。あとは好みで。
①Sonny Rollins / Bridge (RCA)
②Eric Dolphy / In Europe Vol.1 (Prestige)
③Grant Green / Sunday Mornin' (Blue Note)
③は、落ち着いたグリーンのシングルノートがいいですが、もう少しブルージーさがほしい気がします。キース・ジャレットもありましたが、好みが分かれると思います。
今日は落ち着きましたが、昨日は暑かったですね。冷夏と言われておりますが、本当なのだろうか?
歌詞はビリー・ホリデイの実体験が基になっておりますので、迫るものがあります。多くのシンガーが取り上げておりますが、やはりビリーを超えられないようです。機会をみてヴォーカルも話題にしたいですね。
ロリンズにドルフィーと定番が並んだところで、グラント・グリーンがきましたか。 「栄光への脱出」を収録した人気盤ですね。ブルージーではなくサラッとした演奏をしているのは、ヒット曲を入れて一般受けの狙いがあったのかもしれません。ケニー・ドリューが好演です。
God Bless The Child Best 3
Sonny Rollins / Bridge (RCA)
Eric Dolphy / In Europe Vol.1 (Prestige)
Walt Dickerson / To My Queen (New Jazz)
やはりこの曲はロリンズに尽きるようです。そしてドルフィーも永遠の名演です。
他にもソニー・クリスとグラント・グリーンが挙がりましたが、それぞれうまく曲調を掴んでおります。
今宵はお気に入りのゴッド・ブレス・ ザ・チャイルドをお楽しみください。