楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

プラ・ビダ(Pura vida)

2022年11月30日 | 日記

  

 

11月30日(水)、庭に初雪がうっすらと積もった。

遅れて出てきたシイタケに粉砂糖のように降りかかっている。

育つのは難しそうだ。

 

 

コスタリカに『プラ・ビダ(Pra vida)』という言葉がある。

直訳は「純粋な人生」「素朴な生活」で、「最高」「楽しい」「ありがとう」「大丈夫」といったポジティブな意味もあっていろいろな場面で使われるらしい。

サッカーワールカップの日本戦が終わって、コスタリカはどんな国なのだろうと調べていて知った。

 

中米の四国と九州を合わせたほどの美しい小さな国の主食はコメ(長粒のインディカ米)。

親近感を覚えるが日本と全く異なることがある。

 

国会議員の連続再選を禁じている。所謂「コスタリカ方式」だ。

4年の任期を終えると次の選挙には出れない。選挙民との癒着による政治腐敗を防ぐためだ。

 

とかく物議を醸している〝老害〟森喜朗が、かって強弁して日本に持ち込んだ〝コスタリカ方式〟は政党内で選挙区と比例区を使い分けて長いこと議員でいられるようにしたもので、「本家」とは真逆の何の関係も無いシロモノで迷惑なことだっただろう。

 

そして、コスタリカには軍隊が無い。

1948年の内戦が終わって、『兵士よりも多くの教師を』のスローガンの下に廃止した。

アメリカの基地も断っている。

 

軍事費を教育と医療・福祉に回した方が皆が幸せに暮らせることを学び、識字率は97パーセント、平均寿命は80才を達成しているという。

国内電力も98パーセント以上が水力・風力・地熱といった再生可能エネルギーで賄われ、国土の1/4を国立公園と自然保護区に指定するなど、自然環境の保全に力を入れている。

 

国民は周辺国の戦争負傷者の手当や難民のケアなど様々な平和を守る努力を積み重ね、コスタリカを「平和の国」として認めて貰うことにより、侵略されたり戦争を仕掛けられたりするはずも無いのだと自信を持って暮らしているという。

1980年代には当時のアリアス大統領が周辺の内戦を対話によって終わらせ、後にノーベル賞を受賞している。

 

まさにPura vida, Costa Rica!だ。

 

戦後、専守防衛を国是としてきた日本。

安倍政権で自衛隊の海外派遣を含む集団的自衛権の行使が出来るように強引に法律が改正され、今、岸田首相は突如「専守防衛を変えずに敵基地攻撃」という矛盾することを言おうとしている。

常識的でハト派の宏池会の継承者というのなら少しはコスタリカを見習ったらどうか。

 


ディフェンス力

2022年11月28日 | 日記

ラグビーでは試合が始まればキャプテンを中心に選手に全てが任せられるが、同じ〝母なるフットボール〟から生まれたサッカーは試合中も監督が指示を出し、檄を飛ばしている。

TVの解説でワールドカップの対コスタリカ戦を振り返って、監督の采配が「間違い」とまで言っている関係者がいて驚いた。

 

選手の起用、前後半の交代、陣形などなど。

そんなの終われば何とでも言えるようなことばかり。

勝てば官軍・・・か。

 

大昔、ラグビーをやっていた頃、ある著名なラグビー関係者から直接言われた。

「相手チームに対して何点くらいに抑えられるかディフェンス力を想定し、それを上回る得点をどのように取るかを考えよ。」と。

防御力を冷静に分析するのは攻撃を考えるより数段難しい。

 

初戦のドイツの時は闘う前からもう勝ったが如くボルテージが上がり、昨日のコスタリカの時は「初戦のドイツに負けて2戦目のコスタリカに勝ったと思えば(状況は1勝1敗で)同じ。」と訳の分からないことまで言う元日本代表選手で現地リポートしている関係者がいた。

 

周りが混乱している。

監督も選手もコスタリカに敗れた要因を分析し、次のスペイン戦に備えるのだから、その辺りを何も分からない自分のような者にプロとして分かりやすく解説して欲しいものだ。

 

サッカーのことは分からない。

勝機があるとすれば「7点も取ったコスタリカに負けたのだから」というスペインの慢心だが、WC.にそんなお粗末なチームは来ていないだろうな。

 

失点は「2」を覚悟して、日本が「3点」を上げて勝ちという光景を見たい。

 


最後はセンスか

2022年11月27日 | 日記

イギリスでフットボールがサッカーとラグビーに分かれた。

そのラグビーは移住先のアメリカでアメリカンフットボール(通称アメラグ)に変形した。

防具あり、前方へのパスあり、野球と同じく攻めと守りをチームで交代する。

 

大昔のラガーマンはサッカーもアメラグも殆ど観ないできた。

今回のサッカーワールドカップも観ていない。

だが、今日のコスタリカ戦は観よう。

 

ヒートアップしているからではない。

第1戦のドイツは日本と同じような〝真面目で、緻密で、堅牢な組み立て思考〟の国と勝手に思っている。

コスタリカは南米の奔放で直感的な国柄と勝手に思っている。

日本のサッカーもコスタリカのサッカーもどのようなものかは分からないが、生真面目な日本人のサッカーがコスタリカにも通用するかどうかに興味が湧いている。

 

つい最近、ラグビーのテストマッチがあった。

イングランドにもフランスにも大差をつけられて今回も勝てなかった。

体力的、技術的に劣らないレベルになったが、残るは一瞬を捉えてどこからでも攻められる〝ラグビーセンス〟ではないか。

 

オールドラガーマンとしては、多分、小さい頃から空き地でボールを蹴りあって身につけたであろうコスタリカ人の〝サッカーセンス〟を日本人が封じる試合を観たい。

 


敵基地攻撃

2022年11月25日 | 日記

石破茂氏が〝軍事おたく〟と言われていた頃、『国防』という本を書いた。

内容は殆ど忘れたが、「自衛隊には艦船にも戦闘機にも敵の基地まで弾が届く兵器は無い。飛んできたミサイルを打ち落とす装備はあるが発射基地を叩く装備は無い。」という趣旨のくだりは「専守防衛」の意味がよく分かったので覚えている。

攻撃は出来るけれどしないのではなく、攻撃出来ないように歯止めがかかっているということだ。

これは国民が維持しなければならない大きな力だ。

 

その基本的な防衛政策を大転換するような提言が「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」という長い名前の会議から提言された。

TVメディアはサッカー勝利で湧いていて、あまり取り上げていないように思うが、日本の針路が大きく変わろうとしている。

 

内閣府のHpを開いてみた。

第1回の会合を9月30日に開催し、11月21日の第4回をもって終了。各回1時間前後の議論であったことが分かる。

年末は2023予算編成、税制改正、今後5年間の防衛力整備計画の策定を控えていて、岸田政権はこれほど重大な事を〝超速〟で乱暴に間に合わせたことに怒りを感じる。

 

これからは「有識者会議報告書」が防衛力強化、予算増大、増税を考える際に枕詞になるだろう。

石破議員は敵地攻撃はやってはならぬと考えていたのか、その装備が欲しいと考えていたのか、件の本は処分されて手元に無いので分からない。

今、どのような思いなのか聞いてみたいところだ。

 

会議の議事要旨を読むと第1回で特段の資料もない中で、唐突に「反撃能力の保有が必要」との意見が出され、第2回では「議論するというのはもう遅く、むしろ、その能力をどう発動するかが重要。・・・重大な決断になるので、例えば国会承認など政治レベルに権限を付与するなどの議論が必要。」とエスカレートしている。

 

     

 《折木 元・統合幕僚長提出資料より》

 

会議で憲法9条や専守防衛との整合性が議論された形跡は無く、不思議なことに第3回になって「反撃能力」の文字の入った簡単な絵柄の資料が提出されている。

〝スタンドオフミサイル〟だけがやけに具体的だ。

 

そして、最終の第4回の資料である「報告書(案)」と議事概要は開示されていない。

新聞報道で座長は「異論は無かった。」と述べているが不自然な感じもする。

 

「反撃能力」ありきの議論であり、まさに国民が「我が事」として受け止めなければこれから際限の無い「軍拡」と「増税」が進むことになる。

 

報告書には「重要なことは、何故防衛力を抜本的に強化する必要があるのか、国民生活の安全や経済活動の安定を守るために必要な措置はどのようなものか、そのためにどれくらいの負担が必要になるのかについて国民に理解してもらうことであり、国民に丁寧に説明していくことである。」ともある。

良識派の委員が第4回の議論で入れたのか。

国会で野党は頑張って欲しい。


政治に無関心のツケは大きい

2022年11月22日 | 日記

 「判断が遅い。」と言うけれど、今に始まったことでない。

自民党総裁選で安倍晋三からの禅譲をジッと待っていた姿を思い起こせば自ら物事を決められないのは岸田文雄という人物の習い性だと思う。

急かされても曖昧に時間を稼ぐ。

 

不甲斐ない、崖っぷち、とか言われているけれど、どっこい苦節〇〇年?で遂に椅子が転がり込んできのだから支持率がどんなに下がろうともそう簡単に放さない。

これまでの処世術は間違っていなかったのだと確信し、しぶとく麻生太郎にしがみつく。

 

〝岸田外務大臣〟の時に韓国の慰安婦問題の解決策として、韓国側に10億円を支払ったことがあった。

〝不可逆的解決〟とかでこの話はお終いと伝えられたが韓国大統領が朴槿恵から文在寅に変わるといとも簡単に一方的に破棄を通告された。

いくら外交の内実は明らかにされないとしても酷すぎる。

 

首相になってからの岸田文雄という人の振る舞いを見ていると、「慰安婦合意」は岸田流の曖昧なものだったのではないかと疑わしい。

棚上げと曖昧決着は違う。

 

内政課題は山盛りだが、これから周辺国、ロシアとの難しい外交交渉も控える。

内閣改造したところで、この人物に任せるより方法が無いという現実がある。

 

ところが与野党もメディアも静まり返っている。

舞台シモテから菅義偉が登場というシナリオもあるというから政治に無関心のツケは大きい。

 


今年もニシン漬け

2022年11月20日 | 日記

風が冷たく、初雪が近そうだ。

今年もニシン漬けを仕込んだ。

 

大根は干したもの2本。他の材料は大根の本数で決める。

出来上がって器に盛ったときの色あい、姿を想像して。

 

塩加減は樽に入れた材料の分量で目検討だ。

掌に盛って、これくらいならこんな塩味かと想像して。

少なめにしておいて、漬け込んで水が上がってから好みに調整する。

 

極めていい(Good)加減だ。笑

我が家で食べるのは私しかいない。

今年の出来はどうか、半月後が楽しみだ。

 

麹と塩は混ぜておき、樽の中で材料と混ぜ合わせる。

 

身欠き鰊はヌカ汁に一晩付漬けておく。臭み消しは生姜と赤唐辛子。

 

大根は軽く曲がる程度に干す。

 

 

 

全てを混ぜ合わせて重しをかける。

 

今年はいつもと違ったことがある。

キャベツと人参は農作業支援に出掛けた農家から貰ったハネ品を使った。

 


ミス・スリム  

2022年11月19日 | 日記

今年は荒井由美(松任谷由実)がデビューして50年とか。

最初のレコードアルバム『ひこうき雲』が出た1973年(昭和48年)は就職した年だった。

 

ニクソンショック(電撃的なニクソン大統領の中国訪問とドル紙幣の金交換停止)があり、石油危機があり、〝狂乱物価〟でトイレットペーパーの争奪戦があったり。

今、あの頃とどこか似ている。

給料は上がっていないようだが。

 

勤務地の道南の江差から札幌に出張した時に買ってきたLPレコードを6畳一間のアパートでよく聴いていた。

荒井由美の都会的で鋭い感性の曲と風の強い日本海の夏の白波、冬の鉛色のうねりが干渉し合っていた気がする。

 

専門的なことは分からないが荒井由美の声にはモンゴルの独特の歌であるホーミーと同じ周波数の声域があるらしい。

そういえば江差追分節も諸説のなかでモンゴルから信州を経由して伝わってきた馬子唄だという説もあり、波の風景や音と一体となって心に浸み込んでくるような魅力がある。

 

TOSHIBA EMI

 

1974年10月に出た2番目のアルバム「MISSLIM」に収めらている『瞳を閉じて』も海がモチーフになっていて好きな曲だが、これが長崎県五島列島の高校の愛唱歌になった詳しい経緯を知ったのは2019年夏、平成最後の年のNHKラジオの特集番組でのことだった。

 

企画したのは当時NHK長崎放送局に勤務していた黒沢アナウンサー。

アルバムリリースから45年が経っていた。

 

先日、本屋のCDコーナーで真っ赤な50年記念CDが並んでいるのを見かけて、久し振りに特番の録音を聞いてみた。

特番で流れたオープンリールのデモテープの素朴さと荒井由美の50年の音楽活動の始まりが伝わって来る。

歌が行ったり来たりして受け継がれる運命と感動をこれからも大事にしたいと語っている。

 

 

『瞳を閉じて』は、長崎県立五島高校の奈留島分校の女生徒が隣島にある本校の校歌が馴染めず、住んでいる奈留島の情景を謳った〝分校の校歌〟が欲しいとニツポン放送の「毛利久の作曲コーナーBy荒井由美」という深夜のコーナーに出した手紙がきっかけだった。

毛利久(本名;渋谷森久)は東芝レコード(現・東芝EMI)の名物ディレクターだった。

 

デモテープは荒井由美が奈留島の情景を思いの限りのイマジネーションを巡らして念写し、1974年2月26日に女生徒に送ったもの。

分校は県立奈留高校となり、今も愛唱歌として歌い継がれている。

 

地図を見れば五島列島は起伏のある海岸道路が多く、自転車旅は躊躇していたが訪ねてみたくなった。

 

 

寒シイタケ??

2022年11月17日 | 日記

 

2022.11.17

 

最低気温が0℃前後になって、そろそろ雪が散らつきそうな11月の半ばに庭の片隅でシイタケが芽を出しているのに気がついた。

昨年は出なかった同じほだ木の上と下に2個ずつ。

なんという逞しさ。

 

それとも本来寒さに強いのか。

〝寒じめホウレンソウ〟とは聞くが。

 

茸にもいろいろあって、天然の「なめ茸」は瓶詰めで売られている栽培物とは形状が全く違っていて、茶色の傘を広げ、通称〝雪の下〟と呼ばれるそうだ。

天敵の菌が寒さで死滅した頃に出てくるという。

 

シイタケは春と秋と聞くが。。。

何はともあれ無事に育って欲しいものだ。

 


『夏の流れ』を読み返した。

2022年11月13日 | 日記

「俺たちゃ何もしないものを罰している訳じゃないんだ。奴らは人間さまを殺しているんだ。

それまで、生きていた人間をな。」

 

丸山健二の短編『夏の流れ』(1966年 芥川賞)を読み返した。

きっかけは葉梨法務大臣の更迭だ。

学生の頃に読んで、刑務官が如何に悩みながら死刑執行という職務に就いているかを描いていたような記憶があった。

 

刑務官になると必ず死刑執行を経験しなければならず、悩み辞める人が少なくないという。

読み返してみて、「その日」が訪れることになった新人刑務官を先輩が釣りに誘った時の渓流での会話が重く心に沈んだ。

 

刑場もまさに生と死が交叉する場ではないか。

その狭間に生きる刑務官という職業の人々とその家族の心理を考えた時、あのような発言が出来るものではない。

ましてや警察庁出身者が。

 

小説は死刑執行日に到るまでの担当刑務官と死刑囚の心の動きが簡潔に描かれている。

心臓の鼓動が高まるのを感じながら読んだが、平凡な家庭人である刑務官と子供との交流場面が緊迫感を和らげてくれた。

 

考えてみると死刑には多くの命が関わっている。

犠牲となった人々、死刑囚その人。

それまで生きていた人々である。

 

そして被害に遭って癒えることの無い精神的な苦痛を受けることになった人々が多数存在することになる。

 

法務大臣の決裁を得るためには裁判をもう一度行うほどの事務的な確認作業があるという。

刑が確定していても間違いが無いとは言えない。

 

そうしたことに全く気が回っていないお粗末な法務大臣。

更迭で『夏の流れ』を読み返すことになったのは救いである。

 

当時、史上最年少の23才で芥川賞を受賞した丸山健二氏はその後文壇から一線を画し、安曇野で孤高の活動を続けていることも知ることが出来た。

 


来週は2022 最後の農作業

2022年11月11日 | 農作業ヘルパーの記

最低気温が氷点下に近づいてきた。

窓の網戸を外し、アジサイを冬囲いし、あっという間にひと坪農園を片付け、車のタイヤをスタッドレスに換えた。

 

周辺の農家の畑に残っているのは甜菜だけかなと思っていたらJAから来週2日間、人参の収獲・選別作業の支援依頼があった。

日中も最高気温は10℃を切る。

人参は甘味が増すのかな。

寒風が身体に浸みる季節だがやってみることにした。

 

2021年の農作業支援の最終日は10月15日、2020年は11月5日だったので今年は10日程度も遅い。

年々、JA登録者が高齢化して離脱しているとも聞く。その影響かもしれない。

 

 

《2022.11.7  17:30   トマト農家Yさんのハウスから恵庭岳(右端)を望む》

 

先週から今週にかけては延べ4日間、トマトハウスの撤去を初めて経験した。

今年の収獲を終えたハウスのビニールを天井に巻き上げて背骨に縛り付け、枯れたトマトの樹を外へ運び出す。

長さが100mもあり、1日に2棟をやると日没近い午後4時になる。

 

トマト専門のYさんは25年前の新規就農だった。

年齢は50才台の半ばか。

当時はトマトも新規就農も珍しい時代だったようで大変な努力があったと思われるが、今では町の直売所の人気コーナーになっている。

 

ハウスはパイプとビニールという異質な物を細かな金具、ワイヤー、ゴムで実に巧みに接続している。

最初の組み立ても毎年の一部解体も大変。農家は凄い。

 

我が家の収穫物はシイタケだけになった。

 

2022.11.11