楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

RWC2019 -アイルランドを破る- つづき

2019年09月30日 | 楕円 -Rugby-

日本ラグビーの理論的支柱であった大西鉄之祐氏の提唱した「接近」「展開」「連続」を初めて聞いたのは母校の先輩の小俣吉孝氏(フッカー)からだった。

■大男が加速して破壊力を高める前に素早く「接近」

■モール、ラックなどの密集プレーのもみ合いを避けてボールを「展開」

■波状攻撃によるボールの「連続」支配

といったものだったと記憶している。どれも言うは易し。しかし、イングランドとのテストマッチで見事に開花した。

体を張ったタックルで前半はノートライの2PG。後半はあわやトライを奪うかの攻撃。

後にTVドラマのモデルにもなった京都市役所の山口良治氏(右フランカー)が1PGを返してノーサイドとなった。グランドにまで溢れた観客は熱狂した。

破れはしたものの世界最強と謳われたイングランド相手に6-3のスコアは、前回ワールドカップの南アフリカ、今回のアイルランドからの勝利に勝るとも劣らない歴史的な一戦と今でも思うのである。

この年、母校も16年振りの全国大会出場を決め、小俣吉孝氏の実兄の忠彦氏が当時三菱自工京都の監督(後に日本代表監督)をしていた縁で京都合宿などで随分とお世話になったので印象的でもある。

RWC2019を観ていると、FWとBCKSが一体となったダブルタックル、ダブルライン攻撃など、細かい戦術は変わっても大西理論は今もどの国のラグビーにも生きていると感じる。

ワールドカップでNZに100点ゲームを喫したこともあった日本ラグビーが世界水準に到達したのは間違いない。選手は何ほどの鍛錬をしたことか。敬意を表するばかりだ。

何とか決勝リーグに進んで力比べをして欲しいと各国の戦いぶりに見入っている。50年前の寮のテレビ室のように。


日本代表センター横井章のタックルか。》氏は三菱自工京都に所属し、母校の全国大会出場の際に合宿でお世話になった。


 

 

 


RWC2019 -アイルランドを破る-

2019年09月30日 | 楕円 -Rugby-

                         

RWC2019でJAPANはランク2位のアイルランドを破り、決勝リーグ進出が現実味を帯びてきた。世界とは横綱と十両ほどの差のあった時代に、北海道の田舎大学で楕円球を追ってていたオールドラガーには信じられないことだ。

まだワールドカップが行われていない1971年に今日の日本ラグビー躍進の原点ともいうべき試合が大阪・花園ラグビー場であった。

イングランドとのテストマッチだ。白いジャージーに真っ赤な薔薇の花が印象的だった。片やJAPANは赤白に桜。どちらも誇らしげだった。

練習を終え、午後8時頃だっただろうか、部員が寮のテレビ室に集まった。入部3年目の9月28日、全国地区対抗大学ラグビーの北海道代表予選会を控えた時期だった。

早稲田の監督でもあった大西鉄之輔氏(写真中央右)が小柄な日本人が屈強な大男と戦うために編み出した戦略は「接近」「展開」「連続」だった。

                            (つづく)

 


忘れちゃいけない。

2019年09月28日 | 日記
9月25日に「日米貿易協定」が合意された。スタートは2018年9月26日のトランプ・安倍の「共同声明」だが、マスコミは共同声明のことは既に忘却の彼方だ。

声明には、日本政府が国会等であれだけ拘った“TAG”(Trade Agreement on goods日米物品貿易協定)なる文言は無く、直訳すると“物品貿易協定ならびにサービスを含む重要な分野”という表現だった。

「他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じるものについても交渉を開始する。」と書かれ、「協定の議論の完了の後に、他の貿易・投資の事項についても交渉を行うこととする。」とあった。

今回、農産物と自動車を取引してその「議論が完了」した。トランプ大統領は勝利宣言とともに、早速、“包括”という言葉を次の交渉に向けて使い始めている。

声明は英文が正文。マスコミは日米で解釈が異なり、単に"日米の溝"とスルーし、事態の深刻化を先送りしてしまったが、今回の貿易協定の締結に関しても何のチェックも無い。
 
追求すべきは、アメリカの最終的な目的地は「医療」、「保険」、「知的財産」などの分野も含むFTA(地域限定の包括的な貿易協定)ではないのか。

事実、声明発表前にペンス副大統領が「日米両国が歴史的な“FTA”交渉に入ることになった。」とポロっと発言したのではなかったか。

アメリカはTPPから離脱し、日米2国間交渉の土俵に日本をまんまと引き込んでいる。国家主権を本当に奪われそうな危機の入り口に立っていることのマスコミの警鐘が今回も無い。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

今年も鮭が遡上してきた。

2019年09月25日 | 日記

 

毎朝、ポタリング(自転車ぶらぶら散歩)する川に今年も鮭が遡上してきた。

「漁イザリ川」という名前が付いている。恵庭岳を源流とし、支笏湖を源流とする千歳川と近くで合流した後、石狩川に合流している。

石狩川は日本海側の石狩湾付近に注いでいるので、漁川の鮭は日本海側から遡上してきたものだ。

河川敷道路に自転車を置いて遡上が見られる場所に降りて行くと、数匹の黒い影が見られた。猛暑が続いた今年もそんな季節になった。

黒く勢いよく水中を上るもの、岩に擦れて既に白い斑点を纏ったもの。同じ時期、場所の鮭でも違いがある。けれど次世代へ命を伝えようとする懸命で気高い姿は同じだ。

今年は形が小さいような気がする。サンマも魚体が小振りだ。何か共通する要因があるのだろうか。

 

2019.9.19   18:40 漁川

 


RWC2019 SAPPRO Dome 2019.9.21 -2-

2019年09月23日 | 楕円 -Rugby-

Aさんと食事は札幌ドームに早めに行ってRWCの雰囲気を味わいながら何か食べようということになった。

11:30に会場に到着。売店は既に長蛇の列だった。聞いてみると弁当は既に売り切れ。ビールのつまみのファストフードばかりだ。特製弁当をスタンドで食べながら試合前のアップを見るという楽しみはあっけなく潰えた。

少ない調理スタッフはてんてこ舞いまいだ。「食べ物の持ち込み禁止」と「外国からの応援客」の影響予測に誤りがあったのではないか。

取り敢えず豚丼のある店に30分ほど並んでいたら「売り切れです。」仕方がないので他の店に回ったらやはりご飯物は無し。

並び直して焼きそばとたこ焼きを求めてレジに着くまで1時間30分を要した。試合開始の13時45分の15分前だった。間に合わなかったはずの人が相当数いた。

このことは本州の他の会場でもあったようで、子供の食べ物まで入り口で没収されて困った外国人も多くいたようだ。

「食べ物はいいからスポンサーのHeinekenビールだけは売れ!」との指令があったとか、無かったとかの話まである。

今後は改善されるとのことだが、Aさんと「コンビニでは恵方巻きの売れ残りを店員に買わせたりするケースもあったとか。店側が利潤追求で売れ残りを警戒するあまりのことだったのではないか。」という話になった。

華やかな国際スポーツイベントの陰に日本の巷の商売の現実も見た気がしている。



RWC2019 SAPPRO Dome 2019.9.21 -1-

2019年09月23日 | 楕円 -Rugby-

札幌ドーム前  2019.9.21 11:30 》

 

地下鉄は外国のようだった。札幌ドーム前はオーストラリアの黄色が目立った。

《試合開始セレモニー 2019.9.21 13:40  Kick off 13:45》

 

網走で合宿したフィジー(白黒)を応援した。格上のオーストラリア(黄)を相手に前半はFWの個人スキルでスクラムサイド突破からチャンスを掴み14-7で折り返した。AUS.から60年ぶりの勝利を掴むかと思われた。

しかし、後半はFWの動きが鈍くなり始める。セットスクラムは前半からAUS.が強く、ジリジリとボデーブローが効いた。攻め込まれてからのラインアウトで圧倒され、リズムを掴んだAUS.が底力を発揮してトライを重ねる展開に切り替わった。

《 センターライン付近のFW攻防 白;Fiji   黄;Aus》

 《Aus.のセットスクラムが低くて強かった。》

 

後半20分頃、ディフェンスの良かったCTBレヴァニ・ボティアが10分の退場を命じられたのも痛かった。直後にスコアを25-21と逆転された。セットスクラムに加えて密集のモールでもAUS.が優位に立ち、手薄な相手Bkラインを突いた。

やはりラグビーはFWが勝負の分かれ目になる。JAPANが決勝リーグに進めるかどうか。これからの強敵を相手にロシア戦のようにBkの快走を引き出せるかどうかにかかっている。

 《NO SIDE  A39-F21   2019.9.21  15:10》

                                                                               (つづく)

 


ラグビーワールドカップ2019へ!

2019年09月21日 | 楕円 -Rugby-

19日、昔の職場の上司、同僚と飲んでラグビーワールドカップが話題となっている時に、携帯が振動した。

「使わないチケットが1枚あるから一緒に行かないかい。」とAさんからの電話だった。

高いし、最近のラグビーはプロ化してジャージもルールも昔のそれとは違和感もあったので観に行くことは考えていなかったので思いもかけないことだった。

昨晩(9/20)の開幕戦、日本vsロシアをテレビ観戦しているとJapanのレプリカジャージで埋まっている。

折角の機会、そうだ、50年前の全国地区対抗ラグビー大会に道代表で出場した時に新調した母校のジャージーを着て出掛けよう!

緑と白の横縞ジャージーは昔のアイルランド代表のジャージーと同じである。今回、日本と同じプールにいて、世界ランク1位だ。

今日はオーストラリア(ワラビー)とフィージーだ。“緑白”は中立の応援だ。

 

ジャージーは懐かしい「トライ印」だ。今木もう無いのかな。I.SATOとも読めるイニシアルがあるが、今にしてこれが何なのか、思い出せない、分からない。

 


嘘をつく政治

2019年09月18日 | 日記

近々、安倍首相が国連総会の時にトランプ大統領と会談して「日米貿易交渉協定」を締結するという新聞報道が繰り返されている。

政権広報のNHK報道を始め、民法TVニュースを見ないし、唯一の情報源は在京の数局のラジオ番組だけなので知らないだけかもしれないが、いつ呼び方が変わったのだろう。

確か昨年の9月には「TAG(日米物品協定)」と言ってはいなかったか。国会でも〝あくまで農産物に係る関税交渉〟なのでTAGだと政府は言い張っていたはずだ。

新聞ではアメリカが自動車輸入関税に25パーセントの上置きをするという主張が継続協議になったので「日米貿易交渉協定」を締結するのだという。

たったA4版1枚の「TAGに関する共同声明」にはそもそも25パーセントの記述は無い。既に農産物以外の交渉が進んでいるということだ。

報道が韓国と内閣改造で目くらましの片棒を担いでいる間にTAGが物品に限らないFTA(日米2国間協定)に移行しているのに指摘する報道が無い。

海外で何をしているか分からない安倍首相のことだ。今度は自動車、サービス分野も含めたFTAを国会論議も無く密約してくるに違いない。

全てにおいて国民無視の国家の体を為していない状態だ。

 

 


マラソン、設楽の走り

2019年09月16日 | 日記

9/15の東京五輪代表の選考レースをTV観戦して設楽選手のファンになった。

37Km付近で疲れから失速して11位に沈んだが、じっと集団の中にいて終盤に仕掛けるというこれまでのセオリーではオリンピックで勝てないと彼なりの結論に至ったのではないか。

半ば公言して、出だしから大逃げを打った。ポーカーフェースながら決断力と斬新さが魅力だ。

昔走った自転車レースを想い出す。プロ競技では各チームのアシストが集団から飛び出したり、先頭を抑えたりしながらエースを最善のポジションにキープし、最期はエース同志の力勝負に持ち込むという分業体制だ。

日本人は消極的で外国チームになかなか入れなかったが、積極的な海外武者修行が功を奏してアシストまでは努めらる選手を輩出するまでになった。予定調和型の日本国内レースに埋没していたらそうはならなかっただろう。

設楽選手はアタックするエースであり、レースを攪乱するアシストの一人二役をこなさなくてはならない。どう組み立てるか、これからの探求が楽しみだ。

飛び出しては戻り、戻っては飛び出す。作戦的にライバルの足を使わせ、ゴールが近づき互いに牽制が始まった間隙を縫って一気に飛び出して勝つ。そんな走りを期待しているのだが。

スピードアップしている東京五輪では常識破りのいろんなタイプの選手が現れる予感がする。設楽選手には残る1名枠を勝ち取って貰い、暑い東京五輪で新しい走りを完成披露して欲しいと思う。

 

 

 

 

 

 


農作業ヘルパーの記 -イモ拾い-

2019年09月14日 | 農作業ヘルパーの記

馬鈴薯の収穫に二通りの方法があり、機械収穫が一般的だが、機械で起こして地上に出たものを手で拾う方法もある。

昨日の農作業は“手拾い”だった。初夏は皮が柔らかくキズが無い「早出しイモ」として高く売れるらしいが、本格的な収穫時期に手拾いするメリットは何だろうか。今度聞いてみよう。

兎に角キツイ仕事だ。二人ひと組で向かい合ってビールケースくらいの籠に入れてゆく。正座スタイルをとるので膝、足首、足指の付け根が圧迫されて痛い。

両手を伸ばして拾ったイモから腐った物、青いもの、傷物、形の悪い物、小さい物を除いて別の籠に入れてゆく。選別眼は経験で差が出る。

上半身を捻り、腰への負担もある。かつて甲子園に出場したこともある人が一日で来なくなったとか。

今回、組んだ相手は派遣会社から来ているベテランの青年で、丁寧に教えてくれて当方のペースに合わせてくれた。7月15日から2ヶ月、ずっとこのイモ拾いをしてきたという。脱帽である。

収穫したイモは倉庫に運ばれ、先日経験した選別、箱詰めの作業が続く。