楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

国会議員の情報収集力が足りないのでは。

2020年01月30日 | 日記

久し振りに緊迫した国会質問だった。1月29日の参院予算委員会で、立憲民主党の杉尾 秀哉議員が独自に入手した「機密扱いメモ」をかざして2020年度のips細胞研究費予算の決定に至る不透明な経過を質した。

参考人は昨年の8月9日に安倍首相の懐刀と言われる和泉総理補佐官と一緒に京大の山中教授を訪ね、週刊誌に詮索された厚労省大臣官房の大坪審議官(内閣官房 健康医療戦略室次長)だった。

かつては国会が止まるほどの“爆弾質問”は珍しくなかったが、今はノラリクラリの政府説明員とのヒアリング結果から矛盾点、疑問点をTV中継のある国会の場で追求するというパターンが一般化してしまった。

国会議員の情報収集力、調査力が落ちているのも政治に無関心な空気が生まれる原因の一つになっているのではないか。質問力も大事だが、杉尾議員、共産党の田村議員のような地道な取り組みが欲しい。

杉尾議員が件のメモにより取り上げた内容を大雑把に纏めると以下のようなことだった。

昨年8月16日に文科省、経産省の担当者を集めた会議で、大坪次長は山中教授にIPS細胞をストックするための新設法人には国費を投入しないことを伝えたことを説明し、山中教授の目の前で書いたというIPS関連予算額が記載された資料により関係省の概算要求の考え方も示している。

大坪次長の権限は無いにも拘わらず、“虎の威を借りる”ようなことで一官僚が国の重要な予算を差配していいのか、という問いかけだった。

大坪次長は、定番となっている「メモ内容は実際とは違う。」「メモは共有されていない。」「省内会議の内容は記憶が定かで無い。」との答弁を繰り返した。しかし、微に入り細に入り書かれているメモの信憑性は高い印象だ。杉尾議員は提供者に配慮し公開しなかったが見てみたいものだ。

最終的には10年間の補助総額維持と2019年度並み予算額は措置されたが、京都大の山中教授が11月の日本記者クラブで、ips研究費が一部の官僚による不透明で理不尽な決定でゼロになったと発言したことで問題が明らかにならなければどうなったか。他の予算でも似たようなことが起きていないのか。

一官僚が忖度し、虎の威を借りるように独善的に進め、告発する内部メモには知らない、記憶に無い、を繰り返す行政がモリカケ事件から何も変わっていない。杉尾議員には予算が復活した経緯も引き続き問い質して欲しい。


現代社会が生み、選んだ政治家

2020年01月28日 | 日記

国会の予算委員会は何を聞かれても安倍総理の鉄板テンプレート答弁で時間だけが経過し、疑惑は解明されない。野党のスタミナ切れを待っている国会論議だ。

しかし、「そろそろ・・・」というマスコミ誘導に惑わされてはならないと思う。野党には頑張って欲しい。汚染土壌に作物も花も育てるわけにはゆかないのだから。

「安倍晋三」大研究(KKベストセラーズ 2019.6.5 望月衣塑子&特別取材班)を読んでみた。

面白い構成になっていて、思想家内田樹氏と望月記者との対談は国家権力という大権が独裁的な権限として世の中に蔓延っていることを再確認させる。

何故、そうなったのか。

内田氏は「彼(安倍晋三)を心理学的に分析することは安倍政治を理解するためには、何れ必要になると思う。」と述べつつ、「日本の有権者は一体何を根拠にそれほど無防備で楽観的にしていられるのか、僕はこちらの方が理解が難しい。」と述べている。

安倍晋三なる人物が総理大臣を去っても国民が事態の深刻さに気がつかない限り、同じ政治は続くということか。

政治の私物化、霞ヶ関の破壊。その実態を『嘘』と『詭弁』で覆い隠そうとする安倍政治とそれを生んだ現代社会の重苦しさが本からも国会中継からも伝わってくる。

対談の最後の内田氏の結論は強烈だ。解決策は日本の政治をここに至らしめた有権者個々人にしか無いというメッセージとして理解した。

 


Oboeリサイタルのお知らせです。

2020年01月25日 | 日記

Oboeという木製管楽器がある。

“オーボエ”という響きから多くの人が「ああ、あの長いヤツね。」とゼスチャーするのは大抵ファゴットをイメージしている。

実は子供が高校の吹奏楽部で“オーボエ”を担当することになった時に親が全く同じ反応を示した。(笑)

やがて両者はダブルリードと呼ばれる発音体を吹いて演奏する同族楽器であることを知る。クラリネットに似た形をしていてオーケストラでは指揮者の正面に2~3人が座っている。

葦あしを材料に、奏者が自ら作るというリードは口から吹き込んだ空気で震えて音源を発生させている。小さな頃にタンポポの軸の端を少し噛んで鳴らしたあの仕組みに似ているのかもしれない。リードが2枚あるのがダブルリード楽器と呼ばれる。

その息子が音楽の道を歩むようになり九州を拠点に演奏活動をしている。この度ご縁があって東京で初のリサイタルを開くことになった。

2月19日19:00 東京銀座ヤマハビル。お近くの方で“オーボエ”の芳醇な音色を聴いてみたい方、お越しをお待ちしております。チャイコフスキーの『白鳥の湖』のあの有名なソロが“オーボエ”です。

 

 

 

 


居残り?

2020年01月23日 | 日記

 

冬になって、庭の餌台に来る野鳥も変化している。
年明け前に頻繁に訪れていた「シジュウカラ」「ゴジュウカラ」が少なくなった。代わりに雀が集団で来て、くず米を啄んでいる。

今朝、見慣れない鳥が。「シメ」だった。
フワフワとしたお洒落な茶色をベースにした羽毛だ。


図鑑によると、
《太いくちばし、短い尾。
全長:19cm
春夏に北海道の林で繁殖、秋冬は本州以南の林の周辺に移動、くちばしは冬は白っぽく、夏は黒っぽい。
雌は雄より全体的に淡い色。
波状飛行。
ピチッ、シーッなどと鋭く鳴く。》 とある。


暖冬でまだ北海道に居残っている?
ゆっくりとヒマワリの種を食べていた。


安倍晋三という特異人物の考察に興味がある。

2020年01月22日 | 日記

2006年9月にスタートした第一次安倍政権は1年で崩壊した。閣僚らの不祥事が続いたことが引き金だった。

・本間正明税制調査会長が公務員宿舎で愛人と同棲

・伊吹文明文科大臣が政治資金収支報告書不記載

・柳澤厚労大臣が「女は子供を産む機械」発言

・松岡利勝農水大臣が資金管理団体不正計上批判で自殺

・久間章生防衛大臣の「原爆投下はしかたない。」発言

・赤城農水大臣の政治団体で9,000万円の不正計上

「安倍晋三」大研究(kkベストセラーズ 2019.6.5  望月衣塑子&特別取材班) より。

 

今、〝お釣りがくる〟ほどの不祥事が安倍首相の周辺から起きている。しかし、昨日の施政方針演説で何の言及も無い。

これほど頻繁に嘘つき呼ばわりされる首相も歴史上稀なことになるのではないか。特異人物を国のリーダーにしてしまった。

そんな資質の人物に、「皆さん、〇〇〇を共に△△△しませんかッ ! 」と虚ろに叫ばれても御免被る。

 

 

 

まだ読み始めだけれど、安倍晋三という人物を後々の歴史回顧ではなく、「今」、あらゆる分野の知見を動員して考察することが「今」の深刻な政治状況から脱出し、二度と間違った選択をしないようにするための第一歩ではないかとずっと思っている。

暫し、そうした専門家の書籍を読んでいたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


“環島”ばぁちゃん

2020年01月20日 | 日記

風呂でラジオを聴く。特別の防水仕様でなくとも普通の電池式携帯ラジオにレジ袋を被せると何ら問題が無い。

土曜日のNHK18:00の「地球ラジオ」は楽しい。自転車やバイクで世界を旅している人や海外に住んでいる日本人の声の便りが届く。

先日は台湾に住んでいる日本人男性からだった。

高雄に住んでいる80才の女性がバイクで島を一周したという話だった。所謂、“環島ファンダオ”だ。距離にして930Km。要した日数は13日間で費用は日本円で68,000円。

知人、友人宅に泊まって経費を抑え、浮いたお金は各地のお寺にお賽銭で投じてきたという。鑿跡の残る岩石トンネルと深い谷が連なる花蓮ではついつい3泊したそうだ。

自転車旅をしていていつも思うのだけれど、日本人の年配女性で自転車、バイクで旅をしている人に会ったことが無い。台湾には気持ちの若い女性がいるものだと感心した。刺激になった。

2年前の4月に環島したことがある。東海岸の花蓮付近の一部道路は落石の危険もあるため列車を利用したが30℃前後の亜熱帯地域の800Kmの旅を手振り身振りで楽しむことが出来た。

風呂から出て、その時のノートを見た。所要日数は20日間、航空運賃は新千歳から台北(桃園空港)の片道がLCCで13,000円程度。(自転車は無料)

宿泊はBooking Comでツーリストホテルを検索して2,000円前後の格安宿に泊まっている。食事は屋台で済ますという〝自転車定番旅〟だった。台湾の人の優しさに助けられたことを暫し思い出した。

1月の選挙で蔡英文台湾総統が再任された。投票率が前回の66.3%から74.9%に大幅にアップし、史上初の800万票を超える得票となった。

自転車旅をしていて、「中国はいやだ。日本人は好きだけど。」という声をよく聞いた。国情の本当のところは分からない。しかし、投票率が伸びたのは一人一人の関心の高さと強い意志の現れであり羨ましいことだ。穏やかな国で会って欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


何故、法律違反で“厳重注意”

2020年01月19日 | 日記

公務員の懲戒処分は重いものから、免職・停職・減給・戒告・訓告・厳重注意である。戒告以上はその後の昇格などの人事に影響する。

管官房長官が「桜を観る会」に関する公文書の取扱いで法律違反があったことを認め、誠に遺憾であると言いつつ、担当者への「厳重注意」で事態の収束を図った。

一説によると、処分対象者は内閣府の元・現人事課長に限定し、その処分案は当事者の内閣府人事課が作ったという。中に現・内閣府審議官が含まれている。

各省庁の官房人事課長は総務課長、文書課長と並んで将来を背負う超エリートだ。身内で軽い処分で済ませたというわけだ。

交通事故死日本一の汚名を返上すべく北海道が一体となって取り組んでいた時代の道では職員の交通事故も内容によっては管理監督者の「訓告処分」の対象になっていたものだった。

モリカケ事件を経てもなお政権の危機感の無さにただ唖然とする。逆に軽い処分にせざるを得なかった事情が裏にあったことが浮き彫りになっただけなのかもしれない。内部告発は不満から発生する。

公務員が法令に違反して自身の判断で何かをすることは絶対に無い。「桜」も担当者に責任を持って行ったモリカケの様相を呈してきた。

オリンピックがあろうが、IR汚職が拡大しようが、中東で何かが起きようが、景気が悪化しようが、安倍晋三が退陣しようが、「桜を観る会」を忘れてはならない。

そこからしか国の基本的な仕組みの崩壊を止める手立てがない。通常国会を前に、「果たして疑惑は解明されるのでしょうか。」というまるで他人事のようなマスコミの文切り口調が始まっている。


『英雄の生涯』

2020年01月17日 | 日記

2020年はベートーベン生誕250年。

小泉和裕音楽監督が率いる九州交響楽団が創立65周年を記念して、3月14日(土)19:00からサントリーホールで東京公演を行う。演奏曲目は、『ベートーベン交響曲第4番』とR.シュトラウスの『英雄の生涯』。

小泉監督の正統派で徹底した原点重視の姿勢を支持するファンは多く、自身も「ドイツ・オーストリアの音楽を通じて育ってきたのでベートーベンの交響曲全9作品は自分の聖典だ。」と述べている。

奇しくも同じ日に読売日本交響楽団が14:00から東京芸術劇場で英雄の生涯』とベートーベンのピアノ協奏曲を演奏する。熱いクラッシックファンの中にはハシゴをするかどうかでちよっとした話題になっているようだ。

小泉監督は若くしてベルリンフィル、ウィーンフィルなど海外を舞台で活躍してきたが現在は国内に拠点を移し、70才の円熟期を迎えて地方都市のオーケストラの存在感を高める活動に精力的に取り組んでいる。

地方オケも応援をして頂きたく、宣伝を少々、でした。

 

 

 

 

 


ドイツ・メルケル首相のアウシュヴィッツでの演説(2019年12月6日)

2020年01月13日 | 日記

自転車で知り合った山梨県のSさんからメールが来た。ベルリン在住のSさんの知人からのメールの転送だった。

昨年の12月6日にドイツのメルケル首相がアウシュビッツを訪れた時の格調高い演説に和訳スーパーを入れた動画が添付されていて、「共有してください。」との添え書きがあった。

日韓関係がこじれている。安倍首相は慰安婦問題について、「解決済みだ。次世代に謝罪する宿命を背負わせてはならない。」と繰り返し述べている。

国会の批准もされていない取り決めを盾に、頑なに韓国と事を構える狭量なこの精神が溝を埋める障害だとメルケル演説を聴いて改めて思った。

メルケル首相はナチスドイツの理解を超えた犯罪に対して、「羞恥の念に駆られる。」「被害者の尊厳に相応しい思いを寄せようとすることは終わることの無い責任だ。」と語っている。同じ政治家で斯くもレベルが違うのかという思いだ。

人種差別主義が跋扈し、ヘイトクライムの波に遭遇し、特定グループへの憎悪、危険な歴史修正主義の前に自由民主主義と法治国家としての存在は壊れやすいとも述べ、基本的価値を新たに強固なものにし、守って行くのは一人一人の責任であるとも呼びかけている。将にこの国でも今日的な問題だ。

歴史は繰り返し語り継がなければならないし、政治の役割だと思う。新年早々、素晴らしい演説を聴いた。

宜しかったら聴いてみてください。

メルケル首相演説

 

 

 

 

 

 

 

 

 


桜を観る会 -忘れない-

2020年01月10日 | 日記

I.R汚職や中東情勢などに埋もれがちだが地元北海道新聞が「桜を観る会」の疑惑を丹念に追いかけ報道している。管官房長官記者会見でも毎日新聞、東京新聞、東テレとともに金子記者の質問が目立っている。

殆どTV放映されないが野党追及本部の継続的な活動も見逃せない。これからオリンピック一色になり、「忘れない!」ことが重要な時期になるので陰ながら応援している。

そうした中で、政府が「破棄して無い。」としている招待者名簿に関して、管官房長官が10日午前の記者会見で公文書管理法違反があったことを認めた。粘り強い追求の結果と思う。

いわば公文書の作成・保存・破棄の受け払い簿だが、「桜を観る会」の招待者名簿は何れにも記載が無く廃棄されたということだ。それが何と内閣府担当者の『記憶』により判明したという。

その時期は2013年度から2017年度まで。第二次安部政権開始期から招待者名簿の保存期間を1年未満に変更して法令に抵触しないようにした2018年度を除く期間だ。いかにも帳尻が合っている。

昨年の春に招待者名簿ばかりでなく、管理簿、廃棄簿までも一気に処分し、辻褄合わせをしていてこれだけは法令違反を認めざるを得なくなったのではないか。そうでなければ今頃になって内閣府担当者の「記憶」を持ち出すはずがない。

担当者に責任が行こうとしている。

役所は昔の軍隊組織のようなもので、上からの絶対的な命令で動く。モリカケ事件でも最終的にそのことが明らかになっている。

報道、疑惑追及本部は頑張って欲しい。