楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

石田組

2024年08月31日 | 日記



台風10号の影響で大気が不安定なのか、遠く離れた当地でも雷と小雨が断続的に続いている。


バイオリニストの石田泰尚さん率いる〝石田組〟が昨日(8月30日)のNHKTV「あさイチ」に出演していた。NHKは初めてではないだろうか。

〝石田組〟は今年結成10周年を迎えた。国内の弦楽のオーケストラメンバー、演奏家60人くらいの〝組員〟で構成され、都度、日程の都合のつく15〜20人が集まって、バロック音楽から映画音楽、ロックまで幅広いレパートリーを演奏している。11月10日(日)に念願の日本武道館公演が予定されている。


石田さんが、紅白で石川さゆりさんの「津軽海峡冬景色」のバックを務めたいとボソッと語った。確か12月31日は横浜みなとみらいホール で「石田組 年末感謝祭2024」のハズだけど大丈夫かな。。。


息子が修業時代に石田さんがソロコンサートマスターを務める神奈川フィルで大変お世話になり、2019年の道内初の旭川でのソロ公演の時にお礼すると、よく覚えてくれていてびっくり、感激した。

「演奏家である前に人間であれ。」というのが信条の律義な人である。
風貌と繊細な音色とのギャップが魅力で、クラッシックも透明な旋律を奏でる。

2019年11月27日に道内初公演が旭川であり出掛けた。会場の大雪クリスタルホールの音響が気に入って、アンコールは次から次へと6曲も演奏し、「もう無理です。」と言ってステージから去った。

飄々としているのだけれど本当に疲労困憊の様子に石田さんの人柄が滲み出ていた。

メンバーによると、今、石田さんはクラッシック音楽界に革命を起こしているという。今後を益々楽しみにさせてくれる。




2019.11.27 旭川市内の夜景 冬景色だった。



コメ不足

2024年08月29日 | 日記


コメが店頭から消えている。
昨年の猛暑による生産減とインバウンド需要増が原因という。

1993年の「平成の米騒動」(記録的な低温、長雨)の時は仕事で被害調査や対策に忙殺されていた。コメばかりでなく畜産物以外は麦、馬鈴薯、豆類など主要農作物は全てが凶作だった。

小さいころに親から〝配給米〟〝外米〟という言葉をよく聞いていたがまさかタイ米、カリフォルニア米など〝外米〟を食べるようになるとは思いもしなかった。

9月になれば新米も出回り始めて需給は緩和に向かうと思われるが、台風などによる災害が気掛かりである。


自民党総裁選と立憲民主党代表選で農業政策が語られるかどうか注目したい。

今のところ自民党は不明。立憲は枝野氏が「食料安全保障の確立に資する(農家所得)直接支払制度を構築する。」と政策集で記述している。

欧米ではごく普通の制度だが、その内容を国民に分かるように説明できるかどうかがポイントだ。

農業の様々なハンデキャップを「所得」というシンプルな形で直接補填することに国民が納税者として理解、納得するかどうかである。


地球規模で農産物生産が大きく変動する時代である。国防の礎は食料安全保障のしくみ作りにある。型落ちしたアメリカの兵器をリボ払いで買うようなことをだらだらと続けさせてはならない。





我が家の稲穂は重たそうだ。北海道は平年以上の作柄が見込まれている。2024.8.29


日本酒ラベルにアイヌ文様

2024年08月28日 | 日記
二日酔いのように頭がすっきりとしない。水を差す気は無いが複雑な感情が湧く。ラベルにアイヌ文様の入った高級日本酒が発売されるという8月23日付の北海道新聞の記事だ。

大雪酒造の「Niptayニプタイ」(750ml)は3万3千円、高砂酒造の「旭神威」(1.8リットル)は1万3,200円と超高価で、販売先は訪日外国人や東南アジアへの輸出を考えているという。

道産の酒米、醸造技術、どれも本州の酒どころに負けないレベルだろう。世界に打って出るのは今や日本酒に限らずどの分野も常識なので結構なことだ。

しかし、冒頭の記事を読んでアイヌのリーダーが松前藩に反旗を翻した「シャクシャインの戦い」が直ぐに思い浮んだ。


蝦夷地の松前藩は米が獲れないので、収入源となったのがアイヌとの交易による鮭や砂金などであり、藩からアイヌにもたらされたのはコメ、什器、鉄瓶などの生活必需品、刀剣などの鉄器、日本酒などであった。

やがてアイヌの人たちの生活習慣や文化などの暮らしの基盤が徐々に奪われ、遂に1669年にアイヌの部族対立をきっかけに、「シャクシャインの戦い」が起きた。

シャクシャインは松前藩に和睦を申し出る。しかし、その酒宴で酔ったところを殺害され、反乱はほどなく収束した。

アイヌと和人との抗争で酒に酔わせられてリーダーらが謀殺された事件は他にも道東の「クナシリ・メナシの戦い」が有名である。


私には日本酒とアイヌ文様と聞いた時にこのような悲劇が直ぐに浮かんでしまった。酒造メーカーには日本酒の販売戦略があり、「価値を感じる人は高額でも購入する。」としているが、私には眺めるだけである。

デザインしたアイヌ工芸家は「お酒を通じて、アイヌ文化の自然観にも興味を持ってほしい。」と期待感を示している。


アイヌ民族に関して、2007年の国連の「先住民族の権利に関する宣言」がある。先住民族の権利を保護し、尊重するための国際的な枠組みを提供している。

日本政府もアイヌを先住民族として認める決議を行い、文化や権利の保護が進められているが、伝統的なサケ漁の復活など具体的な権利の回復や自決権の保障については課題が残ったままという。


アイヌ文様ラベルの日本酒で外国人のみならず国内のアイヌ民族への関心が深まればと思う。





「シャクシャインの戦い」から120年後の「クナシリ・メナシの戦い」の鎮圧に功績があったとして松前藩に同行された道東のアイヌリーダーのひとりであるツキノエの肖像画。
松前藩家老の蠣崎波響が描いた。何故、交易で得た中国の官僚服を着ているのか、様々な解釈があるが経緯は謎である。(フランス ブザンソン美術館所蔵)




自民総裁選

2024年08月26日 | 日記
上川陽子外務大臣が自民党総裁候補として急浮上しているのだという。本人も日増しに自信を深めているようだ。どのような政治家なのかは知らないが、人物として印象深く覚えていることがある。

2018年7月5日に赤坂の議員宿舎で行われた自民党議員の宴会〝赤坂自民亭〟で乾杯の音頭を取っていたのが時の法務大臣、上川氏その人だった。

何故、印象深かったか、翌6日、オウム真理教の麻原彰晃元代表ら7人の死刑が執行された。その命令を出した人物だったからである。

「報復テロ」を誘発する可能性もあったわけで、政府を挙げて万全の対策を取らなければならない問題でもあったはずである。

普通はこんな時に呑む気にならないと思うものである。
自制する心、配慮というものが無いのか、人物像としてある種の冷徹さを感じたものだった。


〝赤坂自民亭〟は自民党国会議員の定例的な懇親会だそうだが、西日本で豪雨災害の危険が高まっていたさ中に安倍首相はじめ、西村官房長官、小野寺防衛大臣ら危機管理の責任者が雁首を揃えていた緊張感の無さに呆れる。

この年も9月に自民党総裁選を控えていた。
今回もこれから次々に自民党総裁選に候補者が名乗りを上げるのだろうけれど、内向きの権力闘争を暫く見せられるのはウンザリだ。

いい天気

2024年08月24日 | 円 -bicycle-

2024.8.22  O農場の馬鈴薯収穫完了


焼尻島自転車旅から帰ってきて、O農場さんに馬鈴薯の収穫作業に行くと、息子さんから「今日で終わるかな。」とのお言葉。

お盆明けから始めるとのことだったのでやや拍子抜けした。価格が良いので1週間ほど早めに掘り始めたという。天気にも恵まれ、何はともあれ目出度し目出度しだ。来週から大根の収穫が再開する。

 
      
      2024.8.24 6:40 ポタリングコース

今日は朝から晴れ上がり予想最高気温も29℃だ。気持ちがいい。


      

          


    



テントのフライシートが古くなって焼尻島で裂けた。インナーテントはまだ使えそうなのでフライだけ新しいものに交換した。20年近く使っていた。

幸い同じ型番のものがAmazonで販売されていたが、そこそこの新しいテントを買えるくらいの14,300円也。

縫製者だろうか、名前が付いているのは品質に責任を持っていることを感じて価格に納得する。鮮やかなオレンジ色が目に染みる。

北海道の自転車旅のシーズンは残り少なくなってきた。

ナマコ

2024年08月20日 | 日記

苫前漁港 2024.8.5


羽幌漁港 2024.8.6


「ナマコ」という海生動物を初めて見たのは幼稚園の頃に隣の家から貰って、家族皆がタライの中に鎮座する不思議な生き物を覗き込んでいた時だった。

色は茶色くところどころ黒い斑点があり、体表にはあのゴジラの棘のような柔らかい突起物がある。触るとヌルヌルしていて身体を固くした。

母親がどう始末したのか。食卓に出た記憶は無く、海から遠いあの山奥の我が家にどのような経路で辿り着いたのかいまだに不思議な想い出だ。


8月上旬の焼尻島への自転車旅で、フェリーが出るまでの間、羽幌漁港を見て回っていると若い漁師がすだれ状の太いチェーンの先に籠の付いた漁具の掃除をしていた。前日の苫前漁港でも見ていて何に使うのだろうかと不思議だった。

ナマコ漁の道具だった。
聞くとこの日は1ヵ月ほどの漁期の最終日。
漁をする海域が決まっていて、羽幌漁協の今年の枠はたったの50t程度という。漁師と言えども家に持って帰れない厳しい資源管理が行われていた。

若者たちの顔には年々漁獲量は落ちてきているが何とか今年の枠を確保出来たという安堵感があった。






図鑑より


「海鼠」ナマコ。
もう少し良い名前にしてはと思う筆頭格だが、干したものが中国などに高級食材で輸出され、内臓の塩辛は珍味「このわた」である。

古事記に既に記載があり、初めて食べた人の勇気と薬として加工法を編み出した先人の知恵に感服する。

就職で道南の港街に住むようになり、酒飲みになってから輪切りにしたものをポン酢で食べるのが好きになった。もうスーパーで見かけることは無くなり、居酒屋のメニューにも無いだろう。高値の花である。


読んではいないが椎名誠のエッセイ集に『ナマコもいつか月を見る』がある。
対馬を自転車旅をしていた時に泊った旅館の廊下に「ホシクイ」のことを詠った色紙があった。

~ 凍てつく朝鮮海峡の海面から体いっぱい大きく口を開いて
  降り注ぐ大空の星屑の一つ一つを刈り取るように   
  熱情を傾けているのだろうか。   
  この島ではカサゴのことをホシクイとよぶ。 ~
 
普段は海の底深くにいる決して見栄えの良くないカサゴの仲間。輝く星と結びつけた対馬の人の感性と漁師の愛情を感じた。
 
ナマコは運動能力があまり無く、海の底でじっと沈んできた汚泥の掃除をしている棘皮動物だ。

椎名誠がナマコに注目した独特のセンスにも感服。〝ホシクイ〟のようないい名前は無いものか。





獲れなくなったイカを待つ船。
かつては道外から何隻も来ていたという。(苫前港 2024.8.5)




コロンブスの卵

2024年08月18日 | 日記


焼尻島キャンプサイト 2024.8.7 朝

焼尻島に着くと、父親と小学校に上がったかどうかの男の子が海岸近くの草地でキャンプをしていた。

高台のキャンプサイトにテントを設営して上から見ると自転車は1台、それらしき乗用車も駐車場に止っていない。

暫くすると自転車も二人の姿も見えなくなった。島内巡りに出掛けたとしても自転車は二人乗り出来るタイプではない。どのように??
夕方になって二人は戻ってきていた。


翌日の朝、訪問してみた。
不思議に思ったことを父親に話すと、赤いMTBのトップチューブを指さした。
かわいいサドルが付いていた。コロンブスの卵か・・・。





「まだ小さいので島内一周(12Km)は無理。次来るときは二人で走れるかもしれません。楽しみです。」と旭川から来たという父親が子供の頭を優しく撫でた。

サドルはメルカリに出されているという。
ハンドルバーには子供用にゴムの握りも巻き付けられていた。
これなら大丈夫だ。



岸田辞任

2024年08月16日 | 日記
広瀬めぐみ参院議員が15日、議員辞職願を参院に提出し、尾辻参院議長は、広瀬議員の辞職を許可した。理由は「一身上の都合」。

弁護士でありながら勤務実態の無い公設秘書の給料をだまし取った疑いで東京地検特捜部の家宅捜索を受け、任意聴取で容疑を認めたという。

本人は「丁寧に説明する。」という決まり口上を述べたきり雲隠れして様子見をしていた。岸田辞任表明の喧騒に紛れ込むあたりはどこまでも姑息である。
このような人物が国会議員になっている自民党である。


誰が総裁になろうが、自民党の派閥政治、金権腐敗体質、国会無視の強権政治手法、対米従属、誤魔化しは変らない。党員は同じなのだから。


「聞く力がある。」と言う岸田文雄の大法螺に国民は見事に騙された。
メディアは〝表紙選び〟に加担してはいないか。

自民党的政治を変えられるのは次の総選挙の一票である。
野党第一党の立憲民主党は代表選で政権構想、基本政策を国民の前で戦わせてほしいものだ。

お墓参りでの不思議な出来事

2024年08月14日 | 日記
父が亡くなって51年、母が亡くなって29年が経つ。
母が元気な頃は5人の姉弟のうち、札幌市内の3兄弟が家族揃って墓参りをしていたが、いつの頃からかそれぞれがお参りするようになった。

7月に入院中の兄の家を訪ねたことがあった。義姉が「今年は息子夫婦に車に乗せてもらって久しぶりに墓参りが出来る。」と嬉しそうに話していた。


昨日(13日)は台風5号が近づいてきて朝から雨模様だった。迷った末に墓参りに出掛けた。

水を汲みに行って墓前に戻ると、妻が驚きの声を上げている。義姉と甥っ子夫婦にばったりと会ったのだ。


雨模様でどうしようかと迷う日。それは義姉も同じだったに違いない。偶然とはいえ寸分も違わない時刻での遭遇に皆が不思議な思いをした。

「きっと父と母が会わせてくれたのだね。」とそぼ降る雨の傘の下で時間を惜しみながら別れた。

きっと兄のことも見守ってくれているに違いない。
そう思った。


波の盆

2024年08月13日 | 日記
『波の盆』。
オーケストラ曲から映画音楽まで幅広く作曲した武満徹が1983年、同名の日テレ・スペシャルドラマの主題曲として作曲した。

ドラマは観ていないが日系移民家族の戦争を挟んだ激動の「過去」と「現在」を描いた。

『盆』は〝JAPAN〟に繋がるハワイの海に浮かぶ灯篭だろう。


台風5号の影響で蒸し暑い雨模様の空だ。墓参りを今日にするか、明日にするかと『波の盆』を聴いている。


脚本:倉本聰/監督:実相寺昭雄/主演:笠智衆、加藤治子ほか。




2020東京オリンピックの閉会式で、女性ダンサーが躍る場面で流れていたのは九州交響楽団の「第344回定期演奏会」(2015年10月22日 指揮;川瀬賢太郎 )の演奏だった。