バス停で待っていたら、
ベンチの端に座っていた白髪頭のご年配の男性に、
席を譲られました。
びっくりして、「いや、私は大丈夫ですよ」と、
固辞したのですが、相手も「どうぞどうぞ」と、
薦めるばかりでです。
其の内ベンチに座っていた他の2人が席を詰めて
2人共座れるようになり、問題は解決したのです。
然しあの男性より私の方が年老いて見られたのかと思うと、
ちょっとショックでした。
処が又私の後に杖を突いて腰の曲がったお婆さんが並びました。
今度は私が席を立って、どうぞと薦めたのですが、
其のお婆さんも「大丈夫です」といって座ろうとしません。
困ったなと言う感じになったのですが、
ベンチの前の方に座っていた中年の女性が立って
別のバス乗場の方に行ってしまいました。
そこで無事3人のお年寄りが座れたのです。
列の前の方でしたから、バスの中では皆座れましたが、
其のお婆さんは降しなに、私に「どうも有り難う」と
お礼を言って降りたのです。
とてもすがすがしい気持ちになりました。
良く横着な若者を眼にする事がありますが、
一方では決して人情は廃れていないと嬉しくなったものです。