女子名“Ana”はスペイン語形だが、英語形は“Anna”、“Anne”、“Ann”である(「Rreichsarchiv~世界帝王事典~」参照)。
「アンナ」という名前はずいぶん前から日本でもおなじみである。トルストイの「アンナ・カレーニナ」は言うに及ばず、筆者の世代ではビートルズがカバーした、アーサー・アレキサンダーの“Anna”が有名だが、それ以前では1951年のイタリア映画「アンナ」(主演:シルヴァーナ・マンガーノ)で歌われる「アンナ」(原題“El Negro Zumbón”「おどけものの黒人」の意)も日本で流行っていた記憶がある。イタリア映画だが、この歌はスペイン語で歌われている。ただ、実際に歌っているのはシルヴァーナ・マンガーノではなく、Flo Sandon's という歌手だそうである。
日本では大津美子が歌った「東京アンナ」という歌もあった。これは1955年発表なので、前述の「アンナ」(El Negro Zumbón)にインスパイアされた曲なのかもしれない。
「アンナ」のスペイン語形“Ana”に縮小辞“-ita”がつくと、“Anita”になる。この名前はワイルド・ワンズの「愛するアニタ」に使われているが、アクセントは「ア」に来ている。本来は「アニータ」のように発音しなければならない。あのチリ人女性のように。
英語にも縮小辞のようなものが存在する。研究社『英和中辞典』には“-ette” という項目があり、「名詞の指小語尾」とある(このほかにも「女性形を作る名詞語尾」、「…まがい、…代用品」という使い方もある)。例として“cigarette”があげられているが、“Anna”につけると、“Annette”になる。“Annette”といえば、日本では田代みどりで大ヒットした「パイナップル・プリンセス」を思い出す。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/31/f9974b8c8f67709e855cce512ce88178.jpg)
最近は「アンナ」ではなく、「アナ」も一般的になった。「アナと雪の女王」がそれだが、調べてみると、「アナ」は“Anna”とつづられることがわかった。従来なら「アンナ」と表記されるところだが、英語“Anna”の発音は確かに「アンナ」より「アナ」に近い。
“Anna”、“Anita”、“Annette”と連想はとどまるところを知らないが、これぐらいにしよう。
それはともかく、「アンナ」という名前の女性は、キリスト教徒ではなくても、生まれてくる女の子には「まりあ(まりや)」という名前をつけてほしいものである。
ところで、スペイン語圏では“María”さんに男の子ができたら、“Jesús”(ヘスス)という名前をつけても一向にかまわないのだが、英語圏では畏れ多くて、なかなか“Jesus”という名前は付けられないようである。その代わりに“Jesse”、“Joshua”という異形もあるが、こちらの名前を持つ人は珍しくない。スペイン語には“Josué”(ホスエ)という異形もある(スペイン語版ウィキペディア“Jesús (nombre)”、“Joshua (name)”参照)。
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「アンナ」という名前はずいぶん前から日本でもおなじみである。トルストイの「アンナ・カレーニナ」は言うに及ばず、筆者の世代ではビートルズがカバーした、アーサー・アレキサンダーの“Anna”が有名だが、それ以前では1951年のイタリア映画「アンナ」(主演:シルヴァーナ・マンガーノ)で歌われる「アンナ」(原題“El Negro Zumbón”「おどけものの黒人」の意)も日本で流行っていた記憶がある。イタリア映画だが、この歌はスペイン語で歌われている。ただ、実際に歌っているのはシルヴァーナ・マンガーノではなく、Flo Sandon's という歌手だそうである。
日本では大津美子が歌った「東京アンナ」という歌もあった。これは1955年発表なので、前述の「アンナ」(El Negro Zumbón)にインスパイアされた曲なのかもしれない。
「アンナ」のスペイン語形“Ana”に縮小辞“-ita”がつくと、“Anita”になる。この名前はワイルド・ワンズの「愛するアニタ」に使われているが、アクセントは「ア」に来ている。本来は「アニータ」のように発音しなければならない。あのチリ人女性のように。
英語にも縮小辞のようなものが存在する。研究社『英和中辞典』には“-ette” という項目があり、「名詞の指小語尾」とある(このほかにも「女性形を作る名詞語尾」、「…まがい、…代用品」という使い方もある)。例として“cigarette”があげられているが、“Anna”につけると、“Annette”になる。“Annette”といえば、日本では田代みどりで大ヒットした「パイナップル・プリンセス」を思い出す。
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“Anna”、“Anita”、“Annette”と連想はとどまるところを知らないが、これぐらいにしよう。
それはともかく、「アンナ」という名前の女性は、キリスト教徒ではなくても、生まれてくる女の子には「まりあ(まりや)」という名前をつけてほしいものである。
ところで、スペイン語圏では“María”さんに男の子ができたら、“Jesús”(ヘスス)という名前をつけても一向にかまわないのだが、英語圏では畏れ多くて、なかなか“Jesus”という名前は付けられないようである。その代わりに“Jesse”、“Joshua”という異形もあるが、こちらの名前を持つ人は珍しくない。スペイン語には“Josué”(ホスエ)という異形もある(スペイン語版ウィキペディア“Jesús (nombre)”、“Joshua (name)”参照)。
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