スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

Ana, Anna, Anita, Annette

2019-09-13 18:27:36 | 名前
 女子名“Ana”はスペイン語形だが、英語形は“Anna”、“Anne”、“Ann”である(「Rreichsarchiv~世界帝王事典~」参照)。
 「アンナ」という名前はずいぶん前から日本でもおなじみである。トルストイの「アンナ・カレーニナ」は言うに及ばず、筆者の世代ではビートルズがカバーした、アーサー・アレキサンダーの“Anna”が有名だが、それ以前では1951年のイタリア映画「アンナ」(主演:シルヴァーナ・マンガーノ)で歌われる「アンナ」(原題“El Negro Zumbón”「おどけものの黒人」の意)も日本で流行っていた記憶がある。イタリア映画だが、この歌はスペイン語で歌われている。ただ、実際に歌っているのはシルヴァーナ・マンガーノではなく、Flo Sandon's という歌手だそうである。
 日本では大津美子が歌った「東京アンナ」という歌もあった。これは1955年発表なので、前述の「アンナ」(El Negro Zumbón)にインスパイアされた曲なのかもしれない。
「アンナ」のスペイン語形“Ana”に縮小辞“-ita”がつくと、“Anita”になる。この名前はワイルド・ワンズの「愛するアニタ」に使われているが、アクセントは「ア」に来ている。本来は「アニータ」のように発音しなければならない。あのチリ人女性のように。
 英語にも縮小辞のようなものが存在する。研究社『英和中辞典』には“-ette” という項目があり、「名詞の指小語尾」とある(このほかにも「女性形を作る名詞語尾」、「…まがい、…代用品」という使い方もある)。例として“cigarette”があげられているが、“Anna”につけると、“Annette”になる。“Annette”といえば、日本では田代みどりで大ヒットした「パイナップル・プリンセス」を思い出す。
 
 最近は「アンナ」ではなく、「アナ」も一般的になった。「アナと雪の女王」がそれだが、調べてみると、「アナ」は“Anna”とつづられることがわかった。従来なら「アンナ」と表記されるところだが、英語“Anna”の発音は確かに「アンナ」より「アナ」に近い。
 “Anna”、“Anita”、“Annette”と連想はとどまるところを知らないが、これぐらいにしよう。
 それはともかく、「アンナ」という名前の女性は、キリスト教徒ではなくても、生まれてくる女の子には「まりあ(まりや)」という名前をつけてほしいものである。
 ところで、スペイン語圏では“María”さんに男の子ができたら、“Jesús”(ヘスス)という名前をつけても一向にかまわないのだが、英語圏では畏れ多くて、なかなか“Jesus”という名前は付けられないようである。その代わりに“Jesse”、“Joshua”という異形もあるが、こちらの名前を持つ人は珍しくない。スペイン語には“Josué”(ホスエ)という異形もある(スペイン語版ウィキペディア“Jesús (nombre)”、“Joshua (name)”参照)。

よろしくね
↓↓↓
スペイン語 ブログランキングへ

スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
好評発売中!!こちらは、このブログとは別物です。もちろん、トリビア満載です。


      

 
 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 広島東洋カープのサンタナ選... | トップ | 読売ジャイアンツのデラロサ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

名前」カテゴリの最新記事