エスペラントの対格についての続きである。
対格にするには語尾に -n をつける。代名詞も同様に、主格のあとに -n をつける。たとえば、mi (私)の対格は min になる。エスペラントではすべての人称の主格の語尾に -n がつくので、格は一目瞭然である。
一方、英語では I の目的格は me、he の目的格は him のように形が違うものもあるが、you や it のように主格と目的格の形が同じものもある。形が同じであるからといって、主格と目的格を取り違えることはまずない。語順によって、判別できるのである。ならば、目的格というものも別になくてもかまわないのではないか。
“You love me”を“You love I”といっても通じるだろう。中国語ではヨーロッパ諸語のような格変化はなく、“I love you”は「我愛你」、“You love me”は「你愛我」で、語順を変えるだけでよい。
また、エスペラントの対格は名詞だけでなく、対格の名詞を修飾する形容詞の語尾にも -n をつけなければならない。また、名詞が複数形であれば、その名詞を修飾する形容詞も複数形にしなければならないので、煩雑ではある。
「エスペラント」の人称代名詞の項には次のような記述もあった。
対格にするには -n をつける。「私を」は min となる。所有格(所有形容詞、属格)にするには形容詞語尾 -a をつける。「私の」は mia となる。所有形容詞は形容詞の一種なので、普通の形容詞と同じように複数語尾や対格語尾の変化があり、miajn librojn 「私の本(複数)を」のように、名詞の数と格に一致させる必要がある。
スペイン語には名詞の格変化はないが、所有格代名詞はエスペラントのように、複数形にしなければならない。
上記のエスペラントに相当するスペイン語を例にとると、
mi libro (私の本:単数)
mis libros(私の本:複数)
となる。
英語は my book、my books で my は後ろの名詞の単複にかかわらず、不変である。
エスペラントは対格の煩雑さで、英語の簡素さに劣っていると言える。
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対格にするには語尾に -n をつける。代名詞も同様に、主格のあとに -n をつける。たとえば、mi (私)の対格は min になる。エスペラントではすべての人称の主格の語尾に -n がつくので、格は一目瞭然である。
一方、英語では I の目的格は me、he の目的格は him のように形が違うものもあるが、you や it のように主格と目的格の形が同じものもある。形が同じであるからといって、主格と目的格を取り違えることはまずない。語順によって、判別できるのである。ならば、目的格というものも別になくてもかまわないのではないか。
“You love me”を“You love I”といっても通じるだろう。中国語ではヨーロッパ諸語のような格変化はなく、“I love you”は「我愛你」、“You love me”は「你愛我」で、語順を変えるだけでよい。
また、エスペラントの対格は名詞だけでなく、対格の名詞を修飾する形容詞の語尾にも -n をつけなければならない。また、名詞が複数形であれば、その名詞を修飾する形容詞も複数形にしなければならないので、煩雑ではある。
「エスペラント」の人称代名詞の項には次のような記述もあった。
対格にするには -n をつける。「私を」は min となる。所有格(所有形容詞、属格)にするには形容詞語尾 -a をつける。「私の」は mia となる。所有形容詞は形容詞の一種なので、普通の形容詞と同じように複数語尾や対格語尾の変化があり、miajn librojn 「私の本(複数)を」のように、名詞の数と格に一致させる必要がある。
スペイン語には名詞の格変化はないが、所有格代名詞はエスペラントのように、複数形にしなければならない。
上記のエスペラントに相当するスペイン語を例にとると、
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となる。
英語は my book、my books で my は後ろの名詞の単複にかかわらず、不変である。
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